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新しい世界
4, かわる
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体が熱い
頭が痛い
焼かれるみたい
体が…!くだ…!ける……!!
杏梨、ごめんなさい
頭の中で、誰かが囁き、そして、消えた。
だ…れ……?
いつの間にか、自分との声が、既に元の杏梨のものでない事に気付いた。
魔物に転生した時点で、もう変化していたのだ。
今に始まった事じゃない。
もう、人としての杏梨は居ないんだ。
生きてはいない。
これからは、魔物なんだ。
属性竜になったんだ。
転生して、性別変わって、人外なって…。
これからは、私は……。
いや、俺は……!
「ジー……ド……ジェー………ジェード!」
「うおわっ!」
「「?!!?」」
「びっ、ビックリしたーっ!!」
「えっ?えっ!?ええー?!」
「どうしたんだ?ネロウ、なんか俺の顔に付いているのか?」
「しゃ、喋って…いる」
「あ、ほんとだ」
いつの間にか自分が喋っている。
名を刻まれた時に、身体能力並びに知能が大幅に伸びたんだろう。
体も少し大きくなって成長していた。
大きさは、元は赤子ぐらいだったものが、三、四歳位の子供ぐらいに大きくなっていた。
すると、目を見開きながら冥王が言った。
「今まで名付けなどした事が無かったからな。これはこれで面白いものよ。ジェードよ!」
「!はい!」
突然名を呼ばれ、ジェードは冥王に跪いた。
体が勝手に反応した事に少しばかり驚いているものの、恐怖は無かった。
「貴様の名は、これよりジェードだ。堂々とその名を名乗るがいい」
「有り難き幸せでございます」
「もうこの場に用は無かろう。早々に去れ」
「はっ!ネロウ、行こう」
「あっ、あぁ」
ネロウが、コイツ誰だ?みたいな顔してこちらを見ている。
視線が鋭くはないが怖い。
あんまりこっちを見ないで欲しいなぁ
体はジェード。
心は杏梨。
だが、杏梨は、全てをジェードに染める事を決めた。
もう私は使わない。これからは一つの魔物として、男として、ジェードとして生きていく。後戻りなんて、死んでんだから出来ないんだから…。
「ジェード、あと少しだぞ?」
「おう」
ネロウは、最初は抱きかかえられる程小さかったジェードが、これ程大きくなるものかと、目を疑っていた。
先程までは赤子サイズだったが、今はその二回り大きくなっている。
加えて言えば、生まれたばかりの魔物が、普通は礼節を欠くはずなのに、あんなにも礼儀正しく出来るものではない。
ネロウは、自身の魔眼を発動させた。
ネロウの特殊能力である。
魔人族の大半はこれを持っている。
魔眼は、相手のステータス…つまり、強さを見る事が出来る、第三の目なのだ。
そして、ジェードを見てみる。
すると、それはとんでもないものだった。
「ハアアアッ!?何だよコレ!!生まれてすぐのもんじゃねぇだろう!!」
「!?ね、ネロウ?どうした急に」
振り返りネロウに話しかけると、ネロウは体をビクッとさせながら言った。
「お前、自分のステータス、見てみ?」
「?」
そう言われ、自分のステータスを見てみた。
「な…なんじゃこりゃあ!!」
頭が痛い
焼かれるみたい
体が…!くだ…!ける……!!
杏梨、ごめんなさい
頭の中で、誰かが囁き、そして、消えた。
だ…れ……?
いつの間にか、自分との声が、既に元の杏梨のものでない事に気付いた。
魔物に転生した時点で、もう変化していたのだ。
今に始まった事じゃない。
もう、人としての杏梨は居ないんだ。
生きてはいない。
これからは、魔物なんだ。
属性竜になったんだ。
転生して、性別変わって、人外なって…。
これからは、私は……。
いや、俺は……!
「ジー……ド……ジェー………ジェード!」
「うおわっ!」
「「?!!?」」
「びっ、ビックリしたーっ!!」
「えっ?えっ!?ええー?!」
「どうしたんだ?ネロウ、なんか俺の顔に付いているのか?」
「しゃ、喋って…いる」
「あ、ほんとだ」
いつの間にか自分が喋っている。
名を刻まれた時に、身体能力並びに知能が大幅に伸びたんだろう。
体も少し大きくなって成長していた。
大きさは、元は赤子ぐらいだったものが、三、四歳位の子供ぐらいに大きくなっていた。
すると、目を見開きながら冥王が言った。
「今まで名付けなどした事が無かったからな。これはこれで面白いものよ。ジェードよ!」
「!はい!」
突然名を呼ばれ、ジェードは冥王に跪いた。
体が勝手に反応した事に少しばかり驚いているものの、恐怖は無かった。
「貴様の名は、これよりジェードだ。堂々とその名を名乗るがいい」
「有り難き幸せでございます」
「もうこの場に用は無かろう。早々に去れ」
「はっ!ネロウ、行こう」
「あっ、あぁ」
ネロウが、コイツ誰だ?みたいな顔してこちらを見ている。
視線が鋭くはないが怖い。
あんまりこっちを見ないで欲しいなぁ
体はジェード。
心は杏梨。
だが、杏梨は、全てをジェードに染める事を決めた。
もう私は使わない。これからは一つの魔物として、男として、ジェードとして生きていく。後戻りなんて、死んでんだから出来ないんだから…。
「ジェード、あと少しだぞ?」
「おう」
ネロウは、最初は抱きかかえられる程小さかったジェードが、これ程大きくなるものかと、目を疑っていた。
先程までは赤子サイズだったが、今はその二回り大きくなっている。
加えて言えば、生まれたばかりの魔物が、普通は礼節を欠くはずなのに、あんなにも礼儀正しく出来るものではない。
ネロウは、自身の魔眼を発動させた。
ネロウの特殊能力である。
魔人族の大半はこれを持っている。
魔眼は、相手のステータス…つまり、強さを見る事が出来る、第三の目なのだ。
そして、ジェードを見てみる。
すると、それはとんでもないものだった。
「ハアアアッ!?何だよコレ!!生まれてすぐのもんじゃねぇだろう!!」
「!?ね、ネロウ?どうした急に」
振り返りネロウに話しかけると、ネロウは体をビクッとさせながら言った。
「お前、自分のステータス、見てみ?」
「?」
そう言われ、自分のステータスを見てみた。
「な…なんじゃこりゃあ!!」
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