幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ

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その日の帰り、プールの近くで私は、ある男の子を探していた。
あだ名は、デリカシーゼロだから、ゼロと呼ばれている。
紫色の髪で、目は、黄色。
名前は夜月 零(やづき れい)
これを聞くと、クールな印象を持つが、実際は違う。
運動神経はいいが、成績はよくない方だ。
夜月 零と書かれたハンカチを拾った。
さっき、落とすところを見て、拾ったらいなくなっていた。
瞬間移動と思ったが人間にはできないことを、十分承知しているので、すぐに妄想で終わらせた。
すぐ近くがプールだから、プールのあたりにいるかな?と思い、見たら、ちゃんといた。

「ハンカチ、落としたよ。」

と声をかけると、

「ありがとっ、いつ落としたのかなぁ」

と言っていて、全然デリカシーゼロには思えなかった。
ただの噂かな?

「お礼に、これあげるよ。君に似てる。」

と差し出したのは、地味な人形だった。
確かに、似ているけど地味に傷つく。

「けど、一つだけ欠点があるんだよな。この人形」

なに?という思いで首をかしげると、まるで探偵が深刻な事件を考え込むような真剣な顔をしてから、満面の笑みを浮かべて言った。

「君より、かわいいところ!」

ピキッと私の頭に怒りのマークが付いた気がした。
よく、悪気もなく思いきりそんなことが言えるな。
そして、ふんっと思い切りこの、男の子を蹴った。
最近怒りがたまってしまったせいか、こんな行動をしてしまった。

「えっ…⁉わあああああ…」

後ろがプールだったので水しぶきが立った。

「ごめんねぇ~そういうことは、言わないほうがいいよ!」

そういうと、家に向かって歩き出した。
男の子がいた場所にはあの、人形が30体くらいあった。
多分余り物を渡したんだろう。
そう思うと余計ムカついてきた。
後ろで、

「女子、こえー怒らせないようにしよう」

とつぶやいたのは、私には聞こえなかった。
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