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序章
和ませる田中
しおりを挟む違う、違うねん!
そう弁解しようとした時や
「大変お待たせいたしました‥勇者様。そして、その友人の皆様ーー」
突如現れた金髪の美少女。
ドレスを持ち上げ挨拶をしたその人に、
俺は目を奪われる。
うわーえらい綺麗な人やな。
神話とかに描かれてる女神様みたいや。
「君は‥?」
「申し遅れました‥私はアクア王国第一王女、リーネ・アクアと申します。この度は、この国の為、異界から召喚されし勇者様とその友人の皆様に、お礼とそして謝罪をーー」
「もうその話は聞き飽きた。用件はなんだよ?」
偉そうに答える村上に呆れる。
こいつはほんまに‥初対面の人に失礼やろ‥
「っ、じ、実は‥本来ならば、王自らが、勇者様をお迎えし、案内するはずでした。ですが今、王様は‥」
「‥チッ」
「っ!?」
あーもう!アホ村上!!
王女さんびびってるやろ!!
「なあ!大丈夫なんか?おじいちゃん?」
俺は村上より前に出て、
王女さんに問いかける。
俺の後ろをトテトテとついてきた少女が俺の手をギュッと握ったから、また心がほんわかして、俺も少女の手を優しく握り返した。
「っ、は、はい!ストレス性の一時的な発作で命に別状は無いとのことです‥。」
「そうなんや!よかったな~」
笑っとけば、それなりに気が緩む。
できるだけ優しい声色で、王女さんが怖がらんように、
俺はニコニコとゆるーく頬を持ち上げた。
王女さんも俺のブサユル笑顔に少し安心したのか、
手の震えが収まって
我ながら良い仕事をしたと自分を褒める。
「っ!はい!‥あっ、ですが、疲労で‥その、数日は動けないかと‥」
「はぁ!?そんな勝手なッうぐ!?」
思いっきし、村上くんの口を手で塞ぐ。
はいはい。村上くん大人しく黙っとこうな~。
「ええ!数日!?それは鬼やで!!倒れるぐらいのストレスと疲労やったんやろ?なら、もっと休まなあかんて!!ほら、せっかく異世界にきたし、俺らも色々見て回りたいし!だから、俺らの事はそれからでも‥な!木下!」
「え、ああ、そうだな。王様に無理はしないでくれと伝えてくれ。」
流石イケメンスマイル。
ポッと頬を赤くした王女さんに、
もう大丈夫やなと、村上を離した。
「っ、はい‥ありがとうございますっ!!で、では、皆様、お部屋に、案内致します!ーー」
王女さんの後ろに、騎士ような人達と倉本さんと木下が続く。
俺達も着いていこうと、少女と共に一歩踏み出したところで、力強い何かが、俺を壁へと打ち付ける。
あっぶな!?
「いっ‥!?なにすんねん!!」
すぐに少女を確認する。
不思議そうな顔をした少女が、俺をジッと見ていて、ホッと息を吐いた。
手を離したからよかったけど、もし怪我でもしたらっどうするつもりやったんや!
「てめえ!何のつもりだ!?」
ガシりと俺の襟を掴む村上。
怒りに満ちた顔に唖然とする。
「はぁ!?」
意味わからん!何のつもりかって、俺が聞きたいわ!!
「チッ、次俺の邪魔をしたら許さない‥」
「うわっ!?」
そう言って、俺を地面へ投げる村上。
ふわりと空中に浮く感覚がして、俺は目を見開く。
こいつ、俺と同じもやし体型のくせにどっからそんな力が‥ッ
ドスンとついた腕は、変な方向へと体重がかかったようで、
グキッと嫌な音がした。
最悪ーー
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