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序章
伝説と田中
しおりを挟む「リガル様は‥この世界唯一のドラゴンライダーであらせられたお方です。」
「ドラゴン、ライダー‥?」
ルクさんが、俺を飛び上がるほど驚かせたあのリアルな人形の銅像を見上げ、尊敬の眼差しで話し出す。
ドラゴンライダー‥
聞きなれない響き。
でもなんか、かっけえな‥
「現王様が、まだ幼かった頃です。
このアクア王国は、復活を果たした魔王の魔軍に脅かされ、人々は絶望と混沌の中にありました‥
そんな暗い世の中でも、
彼等は自由に大空を羽ばたいていたと聞いております。」
「え、っと‥?」
何かを懐かしむように、人形銅像から視線を外し、次に口から水を出すその銅像を見つめるルクさん。
まさか、あの銅像って‥ドラゴンを形取ってんのかな‥
それにしてはヘタク‥いや、これも芸術や‥うん。
「あっ!申し訳ありません!話が逸れてしまいましたね‥。
ドラゴンは‥古代から存在していた神秘的な生物です。
だけど、恐怖に支配された人間達は
、大きな牙に翼、爪を持つドラゴン達を魔王の手先だと考え、恐れ、憎しみ、毛嫌いしました‥。
ですが‥たった一人、
そんなドラゴン達に興味を持つ少年が現れたのです。
それが後に、
ドラゴンマスターと崇められるリガル様でした。
リガル様は、成長するにつれ、徐々にドラゴン達と心を通わせました。
彼等の背中に乗り、空を掛け、たわいのない話をして、衣食住を共にし‥それはそれは素敵な体験だったそうです‥。
ですが、状況は変わります。
ついに魔王軍が、このアクア大陸へと進軍を始めたのです‥。
現王様とリガル様は旧友であらせられました。
現王様は若く即位直後だった事もあり、人々の不満は全て現王様にぶつけられ、大変な思いをされたと聞きます。
そんな旧友の姿を見て、
リガル様はお心を痛め‥そして決心されたのです。
ドラゴンと人間の共存をーーー
リガル様は人々の反対を押し切り、ドラゴンの里へと足を踏み入れました。
そして、ドラゴンの頂点にして、その全ての象徴である、ドラゴンの女王、イリス様
と協定を交わし、この世界を平和へと導いたのです。」
ルクさんが、そのドラゴンと思われる銅像の前に跪き、祈りのポーズをする。
俺はそんな彼女に見惚れながら、
その壮大な出来事を想像した。
ドラゴンに跨るひとりの少年。
彼が、ドラゴンを引き連れ、怪物を倒す姿。
国を救い、
人々から、そしてドラゴンから歓声を浴びるリガルという男ーーー
まるで1つの物語や‥そうか、この国の伝説ってやつなんかも。
だから、ルクさんも誇らしそうに話してるんかもしれんな。
ずっと語り続けられる1人の男の伝説か‥うわ、男心をくすぐられるわ!!
「すっげえな‥リガルって人‥でも、協定って一体どんな約束を?」
「はい。恐ろしい魔のモノから人間を守る代わりに、
人はドラゴンを崇め、その全てを親友のように、家族のように大切に扱うという協定です。」
「ほえー‥かっこええし、心優しい人やってんな‥」
俺はだらしなく口を開けながら、ぽけーっとそのドラゴンの像をルトさんと共に見上げた。
「はい!リガル様はとても偉大なのです!ドラゴン達はリガル様を愛し、そしてリガル様もドラゴンを愛しておりました。ドラゴンの女王イリス様とご結婚なされたくらいですから。」
「うん?‥っええ!?ドラゴンと人間って結婚できんの?!」
予想外の言葉に、
思わずルクさんをガン見する。
ど、どうやってっ!?いや、その‥色々、あるやん‥?
ああ!もう俺はまたお下品な事を‥でも、
き、気になるねんから仕方ない!!
俺はジッとルクさんの言葉を待つ。
俺の視線を感じてか、此方を振り向くルトさんと目が合って、
何故か俺の目を見て、真っ赤になったルトさんが、ボソボソと話の続きを語り始めた。
‥?
「は、はい‥ち、知能の高いドラゴンは‥人の姿に変身することができますから‥」
「そ、そうなんや‥」
ドラゴンすげえ‥
人形ねえ‥それはそれは美人で‥美人‥
ーーはいっ、約束ですっ!リガル!!
夢の中の銀色の髪をした女性を思い出して、
俺はハッとする。
もし、あの赤髪の青年がリガルで‥
彼を呼ぶ女性がドラゴンの女王‥イリスなら‥
いやいや‥
まさかなぁ‥
それに‥もしそうやとしても
何故、異世界に来たばかりの俺が彼等の夢を見たのか‥
あの、銀色をしたドラゴンだって‥
何か‥理由が‥あるんか?
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