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第1章 冒険の始まり

襲撃と田中

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「それでは姫様の無事も確認出来たし、私は一度城に戻るよ。王様の治療もしないとだからな」


お姉様スマイルで立ち上がるベノムさん。

俺の心臓がドキッとしちゃうほどかっこええ。
これがイケ女子‥




「ベノム‥本当に来てくれてありがとう」

「ああ姫様、いつでもお呼びください。決して一人でなさろうとせず、誰かに‥この騎士にでも頼るのですよ?」


また騎士って言われて焦る。

俺みたいなのが王女さんのって‥
騎士さんに失礼や‥


「っ!!だから、騎士さんらみたいにかっこよくないってば‥でも、王女さん!こんな奴でよければいつでもどうぞ!」


「はい!!」



うん、いい笑顔

王女さんってちゃんと人の話聞いてくれるし、人の気持ち考えてるし新鮮。

最近、
サイコ‥アイツら村上木下倉本さんの3人に囲まれてたから、なんか心がこれを求めてたというか、
神々しささえ感じるわ‥



俺がそんな事を思い浮かべていると、
突然部屋のドアが勢いよく開く。


なんや?


「ベノム様ッ大変です!!魔王軍がアクア国国境を突破しました!!」


入ってきたのは青い鎧をつけた兵士のような人で、
その口から告げられた言葉に、皆形相を変えた。



「っそんな!?」

「なんだとッ!?ドラゴン達はどうした!?」

「それが‥竜殺しの剣を持つ黒髪の青年に‥」



兵士の言葉に目を見開く俺。
竜殺しの剣に黒髪なんてアイツしかおらんやん!?
もうなんでこう次から次へとッ


「っ!?まさかッ、魔王と手を組んだというのか!?」


「っ、すぐにドラゴン達を避難させましょう!!ジークフリードを所持しているなら、ドラゴンを戦場に出すのは不利です!!」


「ですが‥第2の門も突破されますっ!そうすれば国民や城がッ!」

「ッ、」


ギルドにお世話になった時、この国の地図を見た。

国境を越えると国民達が住む地域があって、
魔物避けのバリアが張ってあるから、そこへ入るには第2の門と呼ばれる検問所を通らなあかんらしい。


確かその地図には他のギルドの位置も書いてたはず‥


人が少ない国境付近にも、何軒か‥


そうや



「‥確かこの国にはギルドが何件かありましたよね?」


「ああ」


「じゃあ国境に近いギルドから順に、協力を頼んでみませんか!、もしかしたら助けてくれるかもっ」


ギルドランクの高い人ならきっとッ


「っ、わかった!姫様ッ、すぐに連絡を」


「はい!!」



「だが、ギルドの協力が得られたとしても、国境のすぐ側にはドラゴンの里がある‥どうする‥ッ」


っ、そや
それが問題や‥村上の狙いはドラゴン‥
なら必ず竜の里を目指すはず‥

もしギルドの人らでも手に負えなかったら‥


「すぐに伝えないとっ」


でないと、また犠牲がでてまうっ!!
俺はすぐに出れる用意を始めた。

すぐに伝えなルビーの友達みたいに悲しむドラゴンが増えてしまう


そんなことダメだッ絶対に‥


「人の足では半日かかるぞ‥」


「私が行く」



いつのまにか肩の重さがなくなっていて
さぞ今まで会議に参加してました感出すこの女ーー


「ルビーっ!?起きてたんか!!」


「うるさすぎるのよ。私の翼があれば数分で到着するわ。」


半日かかる距離を
す、数分て‥予想以上や‥


「ど、ドラゴンってやっぱすげえな‥」

「ッ、感謝する‥ルビー殿!」



「ふん!いいからさっさと準備しなさいよ?」

「え?なんの?」


ふんぞりかえるルビーの言葉にハテナマークを浮かべる俺。

一緒に行ったとしても、到着時間が全く違うけど‥

まさか、飛ぶのに何かしらの物が居るとか?
それなら早く用意をっ


「あんたのに決まってるでしょ!!5分だけ待ってあげるわ。


私の背中に乗るんだから、死なないよう準備しなさい!!」



「ええッ?!」



ルビーの言葉に驚く。
背中って、ドラゴンの背中やんなっ!?

そ、それって、そんな簡単に乗せてもらうことできんの!?なんかこう、認めた相手しか乗せへんとか、そういうの想像してた‥


うわ、でも



すげえ!!



「ッ、ドラゴンが自ら背中に‥クク、ああ今すぐに用意させるよ!」
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