希望を歌う悪の姫

花村 ネズリ

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変わらぬ日々

模擬戦

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先生「はあ、それよりもだ。
明日、魔法学園全校生徒参加イベント。
2対2のペア戦がある。」


ザワッ

「ペア戦だって!?」

「優勝したら、王室騎士団に推薦してもらえるらしいよ!!」

「僕頑張っちゃおうかな~!」

魂が抜けかけていたわたくしも、1ーA担任、アデル先生の言葉に覚醒する。

ペア戦!?
なんですの、その素敵な響きは!?





先生「静かにしろ。とりあえず、明日までにペアをつくってくるように。このクラスの人数は運良く偶数だ。必ず相棒を探してこい。ペアが居ねえとかほざく奴は承知しねえからな。

この世界は、余り物同士で生きて行けるほど、甘くはねえ。

ペアが作れねえ奴、他人に少しでも合わせられねえ奴は、即失格だ。
もちろん、成績もそれなりに下がる。

わかったな?必ず明日までにペアを作ってこい。

以上で今日の授業を終了する。
気をつけて帰れよ。じゃあな」



その言葉と同時になる鐘の音。

は!急がなくては!先手必勝!




ラピス「誰か、わたくしとペアを!?っ!?」




どういう事でしょう。
すでに大半が、


ペアらしき者と笑い合っているですって!?




「よろしく~」
「やっぱお前しかいねえよな!」

「頼んだわよ!」
「任せてよ!えへへ!」



ああ、そうです。


これが現実。


忘れていました。
わたくし、友だちがいないのでした。




ラピス「‥人生とは、なかなか変わらないものですね。」



私は席を立ち、ふらりと教室を出た。




ルド「!‥おい、女!!どこへっ、」

「リカルド様!私と組みませんか!」

「いえ、是非僕と!」

ルド「いや、俺は‥」

「あの、リカルド様‥まさか、クローリーと組むおつもりではありませんよね‥?」

ルド「はっ!?だ、誰があんな変人女と!?」

「よかった~!入学式の時、クローリーをエスコートしていたから、そうならどうしようかと‥。」

ルド「あ、れは、あの女が勝手にしたことだ‥。俺の意思ではない。」


「ですよね!!あの子なんだか変わっているというか‥近付き難いし、動物や植物に話しかけちゃってますし、意味不明っていうか‥。」

「容姿は最高ですけどね~」

「こら!これだから男は‥。とにかく!変わった子ですから、何をしでかすか‥。あの子と組んでもリカルド様に特はありません!!是非、私と組んでいただけないでしょうか!私、こう見えて騎士団候補に上がっているんですよね~!リカルド様のお役に立てると思います!」


ルド「‥そうか、考えておく。」

「ほ、ほんとうですか!!やった~」

「ちぇっ、まだ決まったわけじゃねえだろ!」

「べーだ!このクラスで一番強い女子は私よ!!ほぼ確定だもんね!」

「くっそ~!!俺の方が強いっつうの!!」

「は?!なら、証明しなさいよ!一度も私に勝ったことがないくせに!」

「な!?今から勝てば良いんだろ!表に出ろ男女!」

「なんですって!?頭にきた!いいわ!行くわよ!!!」




ルド「はあ‥馬鹿馬鹿しい。

それにしても‥



ふ‥あの女‥嫌われているではないか。俺にあのような態度をとるからバチが当たったのだ!‥、



あの女は、組む相手がいるのか?
ペアを探すのに絶好のチャンスというのに‥何処へ‥。‥。」







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