希望を歌う悪の姫

花村 ネズリ

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ペア戦開幕

視線

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「そこまでーー勝者、1ーB No.1ーーー」


わたくしがリカルド様と、控え室へ戻る途中、
観覧席から、大きな声援が聞こえ、
そちらに視線を移す。



ラピス「あれは‥」


黄金の髪に黄金の瞳。
リカルド様と瓜二つだが、

優しげに細められたその目からは、
どこか絶対的なオーラを醸し出しており、

五年前のあの不安げな少年の面影など一切残していなかった 。



よかった‥

過去に囚われることなく、
自分の生きる道を見つけられたのですね‥




ルド「アルベルトか‥。
ペアは‥ゔ‥あの女狐‥。アルベルトもよくあの女と組む気になれたものだ‥。」

リカルド様が、アルベルト様のお隣の女性を見て、渋い顔をする。

あの方は‥


ラピス「隣にいらっしゃるのは‥もしや、リア・ハニース嬢ですか‥?もともと愛らしい方でしたが、より美しくなられましたね。」


五年前にパーティで一度お会いしていらいですわ。


ルド「‥見た目はともかく、
まあ確かに、実力はずば抜けているが‥俺なら絶対に組まんな。ふん、行くぞ。」

ラピス「はい。‥ッ!」


気のせいでしょうか‥確かに今、リア様が私を見て‥
いや、五年前の事など‥もうとっくに忘れているはずですわ。



ーー『アルベルトに何をしたのよ!?』ーー



ゔ、嫌ですわ。なんだか寒気が‥


ルド「おい、何をしている!のろま!置いて行くぞ!」


ラピス「は、はい。今参りますわ‥。」




気のせいですわよ、きっと‥












リア「あの女‥」


アル「‥?リア、どうかした?」



リア「いえ‥私の大嫌いな虫が、
飛んでいましたの‥」


アル「‥?虫なんていた?まあ、いいけど。次も頑張ろうね。」


リア「はい。アルベルト。次も必ず勝ちますわ。」

アル「はは、頼もしいなリアは!」


リア「(待ってなさい‥。アルベルトの周りに這い回る害虫め。必ず‥排除してあげるわ。)」

‥。
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