希望を歌う悪の姫

花村 ネズリ

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ペア戦開幕

いざ、準決勝へ

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ラピス「リカルド様、いい加減起きてください。」

あれから時間が経過して、
控え室に、準決勝の準備ができたと、放送が入る。


ルド「あと‥少し‥」

ラピス「‥はあ、その言葉これで3度目ですわ‥。」

何度声をかけても、なかなか起きようとしないこの甘えん坊さんをなんとかしなければいけませんわね‥


ルド「スゥ‥」


寝息が聞こえてくる。
疲れているのは分かりますが‥
これでは意味がありません。



ラピス「はあもう、‥いいかげんに‥



なさいませッ!!!」


バチンッ!ーーー


ルド「ッ!?つッーー」


ラピス「おはようございます。リカルド様。」


リカルド様の頬をめがけて、打ちはなったビンタに、リカルド様は目を白黒されながら起き上がった。



ルド「きさ、ま‥よくも‥」


ラピス「さ、行きますわよ。」



パッとシワになったスカートをはたき、
リカルド様に手を差し出す。



ルド「この手は‥なんだ‥」


ラピス「エスコートに決まっているでしょ?早くしてくださいませ。」


ルド「なんだか‥怒っているのか‥?」

ラピス「当たり前ですわ。このお寝坊さん。早くしてくださいませ」


ルド「ゔ‥ほら、これでいいのだろう?」

おずおずとわたくしの腕をとるリカルド様に、少し笑いそうになりながらも、態度を崩さないようにする。

甘やかしてはいけませんわ。


ラピス「よろしいですわ‥」


次の相手はたしか3年生‥
実力の差は見えています。

少し不安になり俯いていると、
ふと手を少し強く握られる。



ルド「‥勝ちに、行くぞ。」


ラピス「はい。必ず」



不思議ですわね。
その言葉だけで、前へ進めます。

意地っ張りでお寝坊さんなお友達
だけど、


貴方がいれば、どんな相手でも


なんとかなりそうな、そんな気がしますわ。







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