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第1章
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しおりを挟むそれは数時間前に遡る
「あー、だりー。頭いてえし、吐きそう。つか、帰りたい。」
俺、井上鉄朗。
平凡な一般家庭に生まれた平凡な男。
少し目付きが悪くて、少し身長が高い、普通の男子高校生。
今日から私立 上野ノ角高校の2年にあがる。
そんな晴れ晴れとした日だが、
あぁ、本当に怠い。休みたい。
俺は朝に弱い。
「ダメだよ鉄郎。始業式早々欠席なんて、クラスで浮いちゃうよ?」
俺の左側を歩く男。
こいつは、親友の河口 スバル。
どこかの国のイケメンの父と、モデルの母を持つ、
ハーフでイケメンで、頭も良くて、運動神経抜群。
所謂リア充ってやつ。
「俺、昔っから朝は苦手なんだよ。なぁ、スバル。なんで学校って朝一からなの?成長期のガキを起こそうとすんの?寝る子は育つっていうじゃん。」
「も~、鉄朗。そんな事言ってもしょうがないでしょ。それに、鉄朗は育ちすぎ!!ほら、もう少し早く歩いて。遅刻しちゃうよ。」
そう言って、俺の背中を押すスバル。
知り合ってからほぼ毎日、
こんなぐうたらな俺の世話を焼くスバルは、
相当な物好きだ。
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