初恋は儚く散りゆくが、また俺は君に恋をする

花村 ネズリ

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第1章

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「おいっ、そこのノッポと口下手!通行の邪魔だ!いますぐそこをどけ!」


突然
背後から響く怒鳴り声。
よく通るその声は、男子生徒にしてはやや高めだ。


嫌な予感がすると思ったら、やっかいなやつに出くわした。


「さ、里見‥べ、別に、お、俺達、端の方で奥寺先生と話していただけだろっ!め、迷惑にはなっていないはずだっ!」


「へえ‥口下手くん、僕に逆らうんだ?いいよ、今日こそ決着をつけてあげようか。」


「やめとけスバル。面倒な事になるだけだ。さっさと行くぞ。」



食い下がらないスバルの肩を抱いて歩きだす。
奥寺先生には悪いが、こいつは無視するのが一番だ。




「は?面倒ってどういう事だノッポ!!僕を侮辱しているのか!!」



あ‥口が滑った‥。



「‥くそ‥ダリィ。」

「なっ!?」

里見 優。
俺の初恋の人。
そして今や、あの弱々しく可愛らしかった面影がない程、気の強い高飛車野郎へと進化した。


「こんのっ!平凡で貧相な家庭のお前が、何故この学校にいるんだ!!おかげで僕は毎日っどれだけ不快な思いをしているか!!
ふんっ、どうせそこの口下手に頼んで、裏工作でもして入学したんだろ。このクズがっ!!」

「なっ!!ち、ちが!お、俺が無理矢理頼んで!?」


「そうだな。お前はそう思っておけばいい。」

「鉄朗!?」

「だが、俺が嫌いなら関わるな。こっちもいい加減お前の相手すんのは面倒なんだよ。行くぞスバル。」


スバルがそろそろ泣き出しそうなので、
ここらで引いてくれ。
というか、ほっといてくれ。



「なっ!?僕に向かってその態度はなんだ!!!おい、待て!くそ‥」


俺は里見の声を無視し、スバルの腕を引いて歩き続けた。
里見も諦めたようで、後ろからそれ以上の声はしなくなった。


入学式に再開したと思ったら、このザマだ。
なにがこいつを変えたのか、なんとなく察しはつくが、

一つ言いたい




あぁ、俺の初恋を返せ。 
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