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緑と悪と遊び心
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「つまり、俺達はずっと同じところをぐるぐると回っていたわけか」
階段から下を見て、俺はどうしていくら歩いても崖にたどり着かなかったかを察した。
崖の下に流れている川は、実は川ではなく池だったのだ。円形の池の中央には陸地があり、ドーナツのような形になっている。本来ならそのことにすぐ気づきそうなものだが、流れがあり、向こう岸があって、なおかつ夜の上に木が生い茂って視界が悪いとなれば、気づかないのも無理ないだろう。
「それにしても、何で池にあんな早い流れが出来てたんだ?」
「………………あっ」
俺の口にした疑問に、態度で答えを示したのは、隣にいる『やっちまった』という顔をしているココア・ブラウンであった。
……なるほど、こいつが犯人か。
「ほら、きりきり吐け」
今にも逃げ出しそうなココア・ブラウンをアイアンクローで捕まえる。
「痛い痛い痛い話す話す話す! 話すから先におぬしがその手を離すのだ!」
どうやら観念したようで、ココア・ブラウンは涙目になりながら白状し始めた。
「ええと、そもそもわれがこの公園に来た理由なのだがな」
「そういえばこの公園には、お前に関係する何かがあるんだったか?」
通普がそう推理し、俺は公園に来たんだ。洗脳機こそ見つからなかったが、それでもココア・ブラウンが現れたということは、やはり何かがあるのだろう。
「元々あの池は、ただのドーナツ状の池での。それをわれが流れるプールのように改造してな? 今日はその調整に来てたのだ。さすがに流れを早くしすぎたからの」
思った以上にくだらない事情がそこにあった。
何だよ流れるプールって。遊び心満載過ぎるだろ。
「この街中で圏外になった理由は?」
「流れを発生させる装置はデリケートでな。電子機器の発する電波でも不調になるから、そう言った電波を遮断する装置も設置したのだ」
そこまでデリケートだと、あの流れの速さは変態タイツの洗脳機を壊す電波でおかしくなったからっていう理由もありそうだ。ああいや、それは電波を遮断する装置で無効になってるのか。
「あんなジャングルみたいになってたのは?」
「景観を良くしようとしてやりすぎたのだ」
途中でおかしいと気づけ。
「じゃあ何だ? お前が作った流れるプールと電波を遮断する装置のせいで、俺達はあのジャングルで死にかけたってことか?」
「そうなのだっ!」
「そうなのだじゃねぇ!」
「あいだっ!?」
とてもいい笑顔で親指をぐっとしてきたココア・ブラウンにチョップする。
「それにしても、自分で作っておいてそれを忘れて死にかけるなんて……一言いいか?」
「言うな」
「お前バカだろ」
「言うなっ!」
何はともあれ、一件落着である。
助かったという喜びよりも、今までの苦労はなんだったんだという脱力感と疲労感が勝った俺とココア・ブラウンは、満場一致で帰宅することに決まった。
「これに懲りて、俺を巻き込むのは勘弁してくれよ?」
「約束は出来んが善処するように努力する所存だ」
「それ絶対聞く気ないだろ!」
軽口を言い合いながら公園を後にする。
「じゃあな、ココア・ブラウン」
「うむ、またの緑」
そう言って、俺はココア・ブラウンに別れを告げる。
少し歩いて振り返ると、彼女ももう帰ったようで、そこには誰もいなかった。
階段から下を見て、俺はどうしていくら歩いても崖にたどり着かなかったかを察した。
崖の下に流れている川は、実は川ではなく池だったのだ。円形の池の中央には陸地があり、ドーナツのような形になっている。本来ならそのことにすぐ気づきそうなものだが、流れがあり、向こう岸があって、なおかつ夜の上に木が生い茂って視界が悪いとなれば、気づかないのも無理ないだろう。
「それにしても、何で池にあんな早い流れが出来てたんだ?」
「………………あっ」
俺の口にした疑問に、態度で答えを示したのは、隣にいる『やっちまった』という顔をしているココア・ブラウンであった。
……なるほど、こいつが犯人か。
「ほら、きりきり吐け」
今にも逃げ出しそうなココア・ブラウンをアイアンクローで捕まえる。
「痛い痛い痛い話す話す話す! 話すから先におぬしがその手を離すのだ!」
どうやら観念したようで、ココア・ブラウンは涙目になりながら白状し始めた。
「ええと、そもそもわれがこの公園に来た理由なのだがな」
「そういえばこの公園には、お前に関係する何かがあるんだったか?」
通普がそう推理し、俺は公園に来たんだ。洗脳機こそ見つからなかったが、それでもココア・ブラウンが現れたということは、やはり何かがあるのだろう。
「元々あの池は、ただのドーナツ状の池での。それをわれが流れるプールのように改造してな? 今日はその調整に来てたのだ。さすがに流れを早くしすぎたからの」
思った以上にくだらない事情がそこにあった。
何だよ流れるプールって。遊び心満載過ぎるだろ。
「この街中で圏外になった理由は?」
「流れを発生させる装置はデリケートでな。電子機器の発する電波でも不調になるから、そう言った電波を遮断する装置も設置したのだ」
そこまでデリケートだと、あの流れの速さは変態タイツの洗脳機を壊す電波でおかしくなったからっていう理由もありそうだ。ああいや、それは電波を遮断する装置で無効になってるのか。
「あんなジャングルみたいになってたのは?」
「景観を良くしようとしてやりすぎたのだ」
途中でおかしいと気づけ。
「じゃあ何だ? お前が作った流れるプールと電波を遮断する装置のせいで、俺達はあのジャングルで死にかけたってことか?」
「そうなのだっ!」
「そうなのだじゃねぇ!」
「あいだっ!?」
とてもいい笑顔で親指をぐっとしてきたココア・ブラウンにチョップする。
「それにしても、自分で作っておいてそれを忘れて死にかけるなんて……一言いいか?」
「言うな」
「お前バカだろ」
「言うなっ!」
何はともあれ、一件落着である。
助かったという喜びよりも、今までの苦労はなんだったんだという脱力感と疲労感が勝った俺とココア・ブラウンは、満場一致で帰宅することに決まった。
「これに懲りて、俺を巻き込むのは勘弁してくれよ?」
「約束は出来んが善処するように努力する所存だ」
「それ絶対聞く気ないだろ!」
軽口を言い合いながら公園を後にする。
「じゃあな、ココア・ブラウン」
「うむ、またの緑」
そう言って、俺はココア・ブラウンに別れを告げる。
少し歩いて振り返ると、彼女ももう帰ったようで、そこには誰もいなかった。
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