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事件
第1の事件
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数字と睨めっこするのは、本当に疲れる。これだけ数字を見ていると、数字が怖くなる。
警視庁捜査二課では、賄賂や粉飾など、金の動きに関わる犯罪を取り扱っている。そのなかでも僕たちは、パソコンを見つめ、そして、数字を見る。パソコンのデスクトップの右下部には12月25日、午後6時30分と書いてあった。パパとママが結婚したのもあの日だ。今は離婚しているが。
そこで僕は今日、プロポーズをしようと思っている。大学で知り合い、3年間交際して、今は彼女が25歳の僕が24歳だ。だから今日は、今日こそは仕事を早く切り上げるつもりだったのだが、なかなか一区切りつかない。事件が佳境を迎えているからだ。
約束の時間まであと1時間。でも、そこに行くのに30分かかるから、実質あと30分しか時間はない。
そんなときは、僕は見つけてしまった。脱税の疑いがかかっていた、IT企業ガリメゾンは収入を偽って脱税をしており、その金がどこに動いているのかずっとわからなかった。でも、やっとわかった。
パソコンには「廣田守」と書いてあった。
しかし、これだけでは情報が足りない。口座の名義が「廣田守」であるだけで、それがどんな人物なのかは全くわからない。
「係長、見つけました、脱税後の金の動き先」大きな仕事を成し遂げた達成感と興奮から、声が落ち着かない。そして続ける。
「ホントか、よくやったな。それでどこだったんだ、大木」係長である青木の声にも興奮が滲み出ている。
「それが、個人だったんです。ネットとか前歴者リストとか、いろんなデータベースに検索をかけてみたんですけど、どこにも引っかかりませんでした。」
「じゃあ、ガリメゾンの社長に聞いてみるしかない、ここまで証拠が揃ったんだ。逮捕状を請求する。」
「お願いします。」今、達成感で満たされている。こんな時、数字はとても気持ちがいい。
こうして約束の時間にはほとんど間に合った。楽しい夜を過ごした。そして3ヶ月分の給料、100万円程で買った、ティファニーは値段じゃない、別格で特別なものだ。プラチナとダイヤで出できたそれは永遠の愛を誓うに相応しい輝きを放っていた。
次の日、ガリメゾンの本社に訪れた。流石にIT企業の中でも国内トップクラスの規模を誇るため本社の構えも大きい。既に在宅勤務の従業員も3割を超えているようで、いろいろな社員がいるのもこの会社の特徴だそうだ。
10名ほどの捜査員と共に入った瞬間に異変を感じた。
隣のビルで窓拭きの業務に当たる人の姿がよく見える。そして、下の階に入っている弁護士事務所での話し合いに声さえ聞こえてくる。何もない。誰もいない。
驚いて立ち尽くしていると、もう一つ新しいことに気がついた。人がいる。手に持っているのはUSBメモリーか。
声をかけようとした時、後ろのエレベーターが開き、瞬きもできない程にスピードで、後ろから頭を割るような衝撃が走った。
最後に聞こえたのは少年の「びっくりさせんな」という落ち着いた声だった。
警視庁捜査二課では、賄賂や粉飾など、金の動きに関わる犯罪を取り扱っている。そのなかでも僕たちは、パソコンを見つめ、そして、数字を見る。パソコンのデスクトップの右下部には12月25日、午後6時30分と書いてあった。パパとママが結婚したのもあの日だ。今は離婚しているが。
そこで僕は今日、プロポーズをしようと思っている。大学で知り合い、3年間交際して、今は彼女が25歳の僕が24歳だ。だから今日は、今日こそは仕事を早く切り上げるつもりだったのだが、なかなか一区切りつかない。事件が佳境を迎えているからだ。
約束の時間まであと1時間。でも、そこに行くのに30分かかるから、実質あと30分しか時間はない。
そんなときは、僕は見つけてしまった。脱税の疑いがかかっていた、IT企業ガリメゾンは収入を偽って脱税をしており、その金がどこに動いているのかずっとわからなかった。でも、やっとわかった。
パソコンには「廣田守」と書いてあった。
しかし、これだけでは情報が足りない。口座の名義が「廣田守」であるだけで、それがどんな人物なのかは全くわからない。
「係長、見つけました、脱税後の金の動き先」大きな仕事を成し遂げた達成感と興奮から、声が落ち着かない。そして続ける。
「ホントか、よくやったな。それでどこだったんだ、大木」係長である青木の声にも興奮が滲み出ている。
「それが、個人だったんです。ネットとか前歴者リストとか、いろんなデータベースに検索をかけてみたんですけど、どこにも引っかかりませんでした。」
「じゃあ、ガリメゾンの社長に聞いてみるしかない、ここまで証拠が揃ったんだ。逮捕状を請求する。」
「お願いします。」今、達成感で満たされている。こんな時、数字はとても気持ちがいい。
こうして約束の時間にはほとんど間に合った。楽しい夜を過ごした。そして3ヶ月分の給料、100万円程で買った、ティファニーは値段じゃない、別格で特別なものだ。プラチナとダイヤで出できたそれは永遠の愛を誓うに相応しい輝きを放っていた。
次の日、ガリメゾンの本社に訪れた。流石にIT企業の中でも国内トップクラスの規模を誇るため本社の構えも大きい。既に在宅勤務の従業員も3割を超えているようで、いろいろな社員がいるのもこの会社の特徴だそうだ。
10名ほどの捜査員と共に入った瞬間に異変を感じた。
隣のビルで窓拭きの業務に当たる人の姿がよく見える。そして、下の階に入っている弁護士事務所での話し合いに声さえ聞こえてくる。何もない。誰もいない。
驚いて立ち尽くしていると、もう一つ新しいことに気がついた。人がいる。手に持っているのはUSBメモリーか。
声をかけようとした時、後ろのエレベーターが開き、瞬きもできない程にスピードで、後ろから頭を割るような衝撃が走った。
最後に聞こえたのは少年の「びっくりさせんな」という落ち着いた声だった。
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