2 / 7
2
しおりを挟む
ここはどこだ?
学校が終わって、一人で家まで帰ったはずだ。
…違う。一人じゃない。後ろから誰か……
「俺のこと?」
!
びっ、くりした。さっきの…さっきの男だ。僕のあとをついてきていた人。
「……!?…!…!!」
口が、塞がれている。ガムテープ?手も後ろで縛られて、足も。椅子に固定されている。
「ふふふ。話せないねぇ。」
男はにこにこしながらこちらを見ている。
年齢は…20代、くらいだろうか。スーツを着ている。
この人が…僕をゆう……
いや、遭難と同じ理論だ。考えなきゃ現実じゃない。
ともかくこの場所に見覚えはないし、この人に会ったこともない。
不満を露わに睨みつけてみる。
「怖いなぁ。縄、痛い?」
…そうじゃない。絶対に僕をからかっている。ずっとにこにこしやがって。
「まだ解きたくないんだよなぁ。もうちょっと我慢して?」
いや別に痛くないし。
そんなことより話したい。このままじゃ、埒が明かない。
「んー?話したいの?取ってあげようか。」
ベリッ
俺の口に貼ってあったガムテープを優しく引き剥がした。
「……あんた、誰。」
「あ、自己紹介?まだだったね!」
「違う。そういうことじゃなくて…」
僕が聞きたいのはそうじゃない。
目的と、理由。
「わぁかってるよ。圭一郎くん。」
「俺の名前は佐藤。君を誘拐しました。」
……やっぱり…
そう、だよな。この状況は誘拐としか言いようがないもんなぁ。
つか分かってないじゃん。自己紹介じゃねーよ。
「…うち裕福じゃないよ。」
身代金なら出せないと思う。
キョトンとした後、急に笑いだした。
…なんだ?
「お金目的なんかで誘拐しないよー!」
…確かに、この部屋、かなり広い。ベッドも大きいし。
「じ、じゃあ、体…とか。」
…言ってて自分で恥ずかしくなってきた。
まだ体を震わせて笑っている。
「もう、違うってば。」
それなら他に何があるって言うんだ。
「君が幸せになるお手伝いがしたい。」
幸せ…?
なんで?僕今、十分幸せだよ。
日々を当たり前に過ごせている。これは幸せなこと。
他に何も求めなくていい。
「圭一郎くんの幸せはね、一般的には違うんだ。普通の幸せ、知りたくない?」
普通。僕の愛するもの。みんなにとってそれが当たり前なら、非日常の期間中に済ませてしまうのはありだ。
「…知りたい、かも。」
「良かったぁ。拒否されたらどうしようかと思ったよ。」
……どうするつもりだったんだろう…
「おし、じゃあ縄解こうか。」
そう言って僕の手足を縛っていた縄を解きはじめた。
優しい手だ。温かい。
かつて、こんなに優しく触れられたことがあっただろうか。
少し頑張れば自力で抜け出せそうな縄は、彼の人柄を表していた。
学校が終わって、一人で家まで帰ったはずだ。
…違う。一人じゃない。後ろから誰か……
「俺のこと?」
!
びっ、くりした。さっきの…さっきの男だ。僕のあとをついてきていた人。
「……!?…!…!!」
口が、塞がれている。ガムテープ?手も後ろで縛られて、足も。椅子に固定されている。
「ふふふ。話せないねぇ。」
男はにこにこしながらこちらを見ている。
年齢は…20代、くらいだろうか。スーツを着ている。
この人が…僕をゆう……
いや、遭難と同じ理論だ。考えなきゃ現実じゃない。
ともかくこの場所に見覚えはないし、この人に会ったこともない。
不満を露わに睨みつけてみる。
「怖いなぁ。縄、痛い?」
…そうじゃない。絶対に僕をからかっている。ずっとにこにこしやがって。
「まだ解きたくないんだよなぁ。もうちょっと我慢して?」
いや別に痛くないし。
そんなことより話したい。このままじゃ、埒が明かない。
「んー?話したいの?取ってあげようか。」
ベリッ
俺の口に貼ってあったガムテープを優しく引き剥がした。
「……あんた、誰。」
「あ、自己紹介?まだだったね!」
「違う。そういうことじゃなくて…」
僕が聞きたいのはそうじゃない。
目的と、理由。
「わぁかってるよ。圭一郎くん。」
「俺の名前は佐藤。君を誘拐しました。」
……やっぱり…
そう、だよな。この状況は誘拐としか言いようがないもんなぁ。
つか分かってないじゃん。自己紹介じゃねーよ。
「…うち裕福じゃないよ。」
身代金なら出せないと思う。
キョトンとした後、急に笑いだした。
…なんだ?
「お金目的なんかで誘拐しないよー!」
…確かに、この部屋、かなり広い。ベッドも大きいし。
「じ、じゃあ、体…とか。」
…言ってて自分で恥ずかしくなってきた。
まだ体を震わせて笑っている。
「もう、違うってば。」
それなら他に何があるって言うんだ。
「君が幸せになるお手伝いがしたい。」
幸せ…?
なんで?僕今、十分幸せだよ。
日々を当たり前に過ごせている。これは幸せなこと。
他に何も求めなくていい。
「圭一郎くんの幸せはね、一般的には違うんだ。普通の幸せ、知りたくない?」
普通。僕の愛するもの。みんなにとってそれが当たり前なら、非日常の期間中に済ませてしまうのはありだ。
「…知りたい、かも。」
「良かったぁ。拒否されたらどうしようかと思ったよ。」
……どうするつもりだったんだろう…
「おし、じゃあ縄解こうか。」
そう言って僕の手足を縛っていた縄を解きはじめた。
優しい手だ。温かい。
かつて、こんなに優しく触れられたことがあっただろうか。
少し頑張れば自力で抜け出せそうな縄は、彼の人柄を表していた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる