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第一章 魔法士学校編
第九話 学校へ行こう
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「彼方さん、彼方さん! 起きてください!」
「……う、うぅ……な、なんか頭が痛い」
「もぉ彼方さん飲みすぎですよぉ! あの後十杯以上も飲んですぐに寝てしまったんですよ。頭だって痛くなりますよぉ」
そうか、そういえば昨日ミラさんとルナさんと三人で飲んだあとすぐに寝たから記憶がないのか。しかし、ルナさんのピンピンしている様子を見るに、同じ量を飲んでいたはずなのだが、どうやら酒に強いらしい。
女性と酒を飲んで先に潰れるなんて、なんだか男として情けないな……
「私はお酒に弱い男性は好きですよ! それに彼方さんが酔っていたおかげで潰れている彼方さんにあんな事やこんな事が出来ましたので、えへへー」
さらっと恐ろしいことを言われた気がするのだが、頭を締め付けられているような痛みが襲ってきていてツッコミを入れる余裕がない。
「な……何か薬とかないですか?」
「大丈夫ですよ、頭痛くらい私が治してあげます!
いきますよ、〈ルナ・ヒール〉」
ルナさんが唱えた魔法により、俺の頭から痛みが一瞬にして消え去っていった。この魔法はすごく実用的で、今後も使っていく場面は多いだろうし絶対に習得して飲み会でリベンジしよう。
「ありがとうございます。ところでミラさんが見当たりませんがどこにいるのでしょうか?」
ミラさんは俺より先に酔っ払って、一人でストリップショーを始めた挙句、ルナさんにより飲み会を強制退場させられたことは記憶にある。
だが、部屋を見渡してもミラさんどころか脱いでいた服すらない。
「ミラなら私が叩き起こして先に学校に行かせました。あれでも一応彼方さんがこれから通う学校の学校長なので」
忘れていたがあの人先生だった。嫌な一面を見てしまったせいで学校に行くのが気まずい。
「ということは、今日から俺も学校に通うということでしょうか?」
「はい、彼方さんには今日から学校で本格的に魔法を学んでいただきます! ミラには彼方さんに魔法について叩き込んでもらうように言っておきましたので楽しみにしていて下さいね」
余計なことを言いやがったな。ミラさんのスパルタ教育に耐えられる奴なんているのかよ。ドラゴンを相手にする女だぞ? 命足りるか?
「大丈夫ですよ。ミラはこの国の四大魔女の一人なので実力は私が保証します」
いやそんな事を心配しているのではない、自分の身の心配をしているのだ。
「四大魔女って何ですか?」
「四大魔女はですね、この国を守る程の結界を張る仕事を国から頼まれている魔法士のことです。常に結界を張り続ける仕事なので、もちろん大量の魔力を必要とするのですが、ミラは魔力容量が145万くらいあるので四大魔女を任されているのです」
ミラさんって国家レベルの仕事を任されるくらいすごい人だったのか。
「ちなみに魔力容量というのはですね、魔法を使うための魔力を体内に貯めておくことのできる容量のことです」
魔力容量なんて言われても、言葉に馴染みがなさすぎてよく分からないのだが多分その魔力容量とやらが高ければ高いほど、強力な魔法が使えるという事だろう。
「まさにその通りです、さすが彼方さん! これならすぐに卒業出来そうですね」
「ところで俺の魔力容量はどのくらいなのでしょうか?」
唐突に気になってしまい、聞いてみる事にした。さすがに145万はないにしても俺だってそれなりにあるのではないか。
「か、彼方さん、学校に遅れてしまいますよ。早く行きましょうさぁ行きましょう。私が転移魔法で送りますので」
「ありがとうございます」
急に目を逸らしたかと思えば、明らかに動揺しているルナさんに何かはぐらかされた様な気がしたが気にしないことにした。嫌な予感は的中するから無視するべきだろう。
「それでは彼方さん、はいっ」
ルナさんが手を出しながらじっと見つめている。
「え、何ですか?」
「何ですかじゃないですよ! 手を繋ぐんですよぉ! ミラの転移魔法でここにきた時にミラとは手を繋いでいたじゃないですかぁ!」
確かにそんなこともあったな。しかも恋人繋ぎ、思い出すと恥ずかしい……
「で、でも手を繋がなくても転移魔法は使えるって言ってたじゃないですか」
「いいじゃないですか手を繋ぐくらい、ミラとは繋いでたくせに私とは嫌なんですか?」
そう言いながら床でジタバタしながら駄々をこねるルナさん。神様のこの様な姿は見ていられない。
「……分かりましたよ、はい」
手を差し出すと、床で悔しそうにしていたルナさんは急に跳び上がり、嬉しそうに俺の手を握った。やはり恋人繋ぎなのか。しかしこの神は表情が豊かで見ていて飽きないな、疲れるけど。
「それでは彼方さん、今から学校まで転移させます。が、転移先で何が起こるかは神のみぞ知ることができます」
「え、それってどういうーー」
「ごめんなさい、〈ルナ・テレポート〉」
まずい、これは死亡フラグというやつか。口振りから察するにこれから起こる事を知っているルナさんと、これから起こることの被害者である俺の構図だろう。
そんな不安を抱きながらすぐに学校に到着したかと思った。だが、そこが学校かどうか判断できない場所に到着した。
何故ならそこは大浴場の様な場所であったからだ。しかしそんなことはどうでもいい状況に直面している。
ルナさんはこうなる未来を知っていたのか。俺の目の前には大浴場で体を洗っているミラさんがいた。
「……お、おはようございます……先生……」
「おはよう彼方、遺言はそれだけか?」
ドラゴンの目の前に転移させられた時の方がマシだと思えるくらい空気が凍りつき、体の芯から震えているのは、裸のミラさんが体を洗っているだけなのにドラゴンよりも怖い生物に見えたからだろう。
今度こそ死んだな俺。
「……う、うぅ……な、なんか頭が痛い」
「もぉ彼方さん飲みすぎですよぉ! あの後十杯以上も飲んですぐに寝てしまったんですよ。頭だって痛くなりますよぉ」
そうか、そういえば昨日ミラさんとルナさんと三人で飲んだあとすぐに寝たから記憶がないのか。しかし、ルナさんのピンピンしている様子を見るに、同じ量を飲んでいたはずなのだが、どうやら酒に強いらしい。
女性と酒を飲んで先に潰れるなんて、なんだか男として情けないな……
「私はお酒に弱い男性は好きですよ! それに彼方さんが酔っていたおかげで潰れている彼方さんにあんな事やこんな事が出来ましたので、えへへー」
さらっと恐ろしいことを言われた気がするのだが、頭を締め付けられているような痛みが襲ってきていてツッコミを入れる余裕がない。
「な……何か薬とかないですか?」
「大丈夫ですよ、頭痛くらい私が治してあげます!
いきますよ、〈ルナ・ヒール〉」
ルナさんが唱えた魔法により、俺の頭から痛みが一瞬にして消え去っていった。この魔法はすごく実用的で、今後も使っていく場面は多いだろうし絶対に習得して飲み会でリベンジしよう。
「ありがとうございます。ところでミラさんが見当たりませんがどこにいるのでしょうか?」
ミラさんは俺より先に酔っ払って、一人でストリップショーを始めた挙句、ルナさんにより飲み会を強制退場させられたことは記憶にある。
だが、部屋を見渡してもミラさんどころか脱いでいた服すらない。
「ミラなら私が叩き起こして先に学校に行かせました。あれでも一応彼方さんがこれから通う学校の学校長なので」
忘れていたがあの人先生だった。嫌な一面を見てしまったせいで学校に行くのが気まずい。
「ということは、今日から俺も学校に通うということでしょうか?」
「はい、彼方さんには今日から学校で本格的に魔法を学んでいただきます! ミラには彼方さんに魔法について叩き込んでもらうように言っておきましたので楽しみにしていて下さいね」
余計なことを言いやがったな。ミラさんのスパルタ教育に耐えられる奴なんているのかよ。ドラゴンを相手にする女だぞ? 命足りるか?
「大丈夫ですよ。ミラはこの国の四大魔女の一人なので実力は私が保証します」
いやそんな事を心配しているのではない、自分の身の心配をしているのだ。
「四大魔女って何ですか?」
「四大魔女はですね、この国を守る程の結界を張る仕事を国から頼まれている魔法士のことです。常に結界を張り続ける仕事なので、もちろん大量の魔力を必要とするのですが、ミラは魔力容量が145万くらいあるので四大魔女を任されているのです」
ミラさんって国家レベルの仕事を任されるくらいすごい人だったのか。
「ちなみに魔力容量というのはですね、魔法を使うための魔力を体内に貯めておくことのできる容量のことです」
魔力容量なんて言われても、言葉に馴染みがなさすぎてよく分からないのだが多分その魔力容量とやらが高ければ高いほど、強力な魔法が使えるという事だろう。
「まさにその通りです、さすが彼方さん! これならすぐに卒業出来そうですね」
「ところで俺の魔力容量はどのくらいなのでしょうか?」
唐突に気になってしまい、聞いてみる事にした。さすがに145万はないにしても俺だってそれなりにあるのではないか。
「か、彼方さん、学校に遅れてしまいますよ。早く行きましょうさぁ行きましょう。私が転移魔法で送りますので」
「ありがとうございます」
急に目を逸らしたかと思えば、明らかに動揺しているルナさんに何かはぐらかされた様な気がしたが気にしないことにした。嫌な予感は的中するから無視するべきだろう。
「それでは彼方さん、はいっ」
ルナさんが手を出しながらじっと見つめている。
「え、何ですか?」
「何ですかじゃないですよ! 手を繋ぐんですよぉ! ミラの転移魔法でここにきた時にミラとは手を繋いでいたじゃないですかぁ!」
確かにそんなこともあったな。しかも恋人繋ぎ、思い出すと恥ずかしい……
「で、でも手を繋がなくても転移魔法は使えるって言ってたじゃないですか」
「いいじゃないですか手を繋ぐくらい、ミラとは繋いでたくせに私とは嫌なんですか?」
そう言いながら床でジタバタしながら駄々をこねるルナさん。神様のこの様な姿は見ていられない。
「……分かりましたよ、はい」
手を差し出すと、床で悔しそうにしていたルナさんは急に跳び上がり、嬉しそうに俺の手を握った。やはり恋人繋ぎなのか。しかしこの神は表情が豊かで見ていて飽きないな、疲れるけど。
「それでは彼方さん、今から学校まで転移させます。が、転移先で何が起こるかは神のみぞ知ることができます」
「え、それってどういうーー」
「ごめんなさい、〈ルナ・テレポート〉」
まずい、これは死亡フラグというやつか。口振りから察するにこれから起こる事を知っているルナさんと、これから起こることの被害者である俺の構図だろう。
そんな不安を抱きながらすぐに学校に到着したかと思った。だが、そこが学校かどうか判断できない場所に到着した。
何故ならそこは大浴場の様な場所であったからだ。しかしそんなことはどうでもいい状況に直面している。
ルナさんはこうなる未来を知っていたのか。俺の目の前には大浴場で体を洗っているミラさんがいた。
「……お、おはようございます……先生……」
「おはよう彼方、遺言はそれだけか?」
ドラゴンの目の前に転移させられた時の方がマシだと思えるくらい空気が凍りつき、体の芯から震えているのは、裸のミラさんが体を洗っているだけなのにドラゴンよりも怖い生物に見えたからだろう。
今度こそ死んだな俺。
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