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学校の怖い噂
学校の怖い噂3 幽霊のでる電話BOX
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学校近くの街道沿いに電話ボックスがある。
その公衆電話は幽霊が電話に出ると言われ、心霊スポットとして地元で有名であった。
夜も更けた頃、その公衆電話に地元の高校生が訪れる。
女生徒はメモを見ながら震える手でボタンを押す。
1236321369#9631111112233366321
ボタンを押し終わると受話器に耳を押し当てた。
「トュルルルル、トュルルルル、ガチャ」
繋がった。本当に繋がるとは思わなかった。
「もしもし…」震える声で少女は話す。
「あ、あー、こ、ここは…」
それは聞き覚えのある声だった。死んだ人の声。
「かあさん!母さん、わたし、」
「ああ、よかった。美香子かい。母さんいま、暗いところにいてね。暗くてなにも見えないの」
美香子は私の名前。そして間違いなかった。
去年他界したはずの母が電話の向こう口にいる。
「それに寒い、とても寒い…。さむくて…」
「どうして、こんなところにいるんだっけ、何でだろう、ああ、思い出してきた…あっ」
「熱い!熱い!あっあっあー!!!」
電話の向こうでは母の苦しみ、のたうちまわる音声が流れてくる。何が起きているか想像出来た。
母は火事が原因で死んだ。油ものをしている最中に火をつけっぱなしで、電話に出たのが原因だ。鍋から目を離してる間に油に引火し、燃え広がった。
家は全焼した。住まいも母も思い出も全て。灰になった。
私が電話をしたせいだ。私が忘れ物をして。
私のせいで。…母は死んだ。
電話の向こうでは母が燃えている。
「かあさん!かあさーん!!」
「プッ、ツー、ツー、ツー」
電話が切れた。
「ごめんなさい…」少女は泣き崩れた。
高梨さんは話を終えると咳払いをする。
吹奏楽部の先輩から聞いてきた怖い噂話。
とくに、かあさーん!!の部分は熱が入っていた。
褒めると高梨さんは少し恥ずかしそうにしている。
満更でもなさそうだ。
高梨さんは今回電話番号を入手していた。
その番号は吹奏楽部に代々伝わってきた番号だ。
「なんか番号長くない?」私の疑問に高梨さんは答える。
「霊界に繋げる為の儀式やパスワードなのかも知れない」
その番号に電話をかけると幽霊がでるとの噂だ。
今夜早速電話してみようという話しになった。
家に帰ると姉が化粧をしている。
これから何処かに出かけるらしい。念入りにしてるところをみると、男性に会いに行くのだろう。
私はいつも通り学校であったことを姉に話す。
「幽霊の電話BOX?知ってるよ。私の在学中にもそんな話あったなー」
「どうだった?」
「電話してみればわかるよ」
と笑うと鼻歌を歌いながら、口紅を塗る。
「教えて」と言ったが。
「これからデートだから!」と姉はそそくさと出かけていった。
高梨さんとは電話BOXで待ち合わせしていた。
私は暗い夜道を徒歩で向かう。
夜の街道は人通りも少なく車もあまり通らない。
近くの田んぼからは蛙の大合唱が聞こえた。
電話BOXに到着した。
外灯に照らされポツンと立つ電話BOXは、なんだか不気味であった。
まだ高梨さんの姿はなかった。
待ち合わせの時間を過ぎても、彼女は現れない。
1人で待っているのが心細くなってきた。
連絡を取ろうにも携帯電話の残りの電池が少ない。
私は仕方なく公衆電話を使って連絡をとることにした。
十円玉を入れる。
幽霊が出る公衆電話だ。使っても大丈夫なのだろうか…。
高梨さんの番号だし、普通に使う分には問題ないはず。
私は恐る恐るボタンを押す。
ピポパ。トュルルルル。カチャ。
「もしもし…」声をかける。
「はあ、はあ…」電話の向こうでは荒い息がする。
「バン!」と硝子扉を叩く音と共に
暗闇の中から、髪を振り乱した女性が現れる。
「ウワッ」私は思わず叫び声をあげた。
その女性は「遅れてごめん…」と顔を押し付けながら言った。
高梨さんは息を整えると、遅れたことを詫びた。
「全然いいよ。私もついたばかりだし…」
高梨さんが来ただけで、心細さが無くなった。
なんか安心する。
「それより、」
「そうだね。早速試そうか」
私は紙に書いてある番号を押す。
1236321369#963111111223366321
番号を押していて、違和感を感じる。
何処かで聞いたことがあるような、そんな音。
懐かしい感じ。
「これって…」
押し終わると私は受話器に耳を押し当てた。
「こちらはエヌティーティーどこもです。この電話番号は現在お取り扱いしておりません」
自動音声ガイダンスが流れる。
電話はどこにも繋がらなかった。
私はもう一度、今度はリズムに合わせて電話番号をおす。
高梨さんも感づいていたようだ。
私が押すボタンに合わせて歌う。
「か、え、る、の」1236
「う、た、がー、」321
「「き、こ、え、て、く、る、よー!」」369#963
途中から私も一緒に歌う。
「「ゲー、ゲー、ゲー、ゲー、」」1111
「「ゲロゲロゲロ、グワッ、グワッ、グワッ!」11223366321
プッシュ音が曲になっている。
私達は腹を抱えて笑った。吹奏楽部に騙された。
これは電話番号のプッシュ音を使った。プッシュ音楽だ。
番号通りに押せば音楽になる。曲名はカエルのうただ。
「はぁー、吹奏楽部め。許さん!」
笑いが落ち着き一息つくと、高梨さんは楽しそうにいった。
その公衆電話は幽霊が電話に出ると言われ、心霊スポットとして地元で有名であった。
夜も更けた頃、その公衆電話に地元の高校生が訪れる。
女生徒はメモを見ながら震える手でボタンを押す。
1236321369#9631111112233366321
ボタンを押し終わると受話器に耳を押し当てた。
「トュルルルル、トュルルルル、ガチャ」
繋がった。本当に繋がるとは思わなかった。
「もしもし…」震える声で少女は話す。
「あ、あー、こ、ここは…」
それは聞き覚えのある声だった。死んだ人の声。
「かあさん!母さん、わたし、」
「ああ、よかった。美香子かい。母さんいま、暗いところにいてね。暗くてなにも見えないの」
美香子は私の名前。そして間違いなかった。
去年他界したはずの母が電話の向こう口にいる。
「それに寒い、とても寒い…。さむくて…」
「どうして、こんなところにいるんだっけ、何でだろう、ああ、思い出してきた…あっ」
「熱い!熱い!あっあっあー!!!」
電話の向こうでは母の苦しみ、のたうちまわる音声が流れてくる。何が起きているか想像出来た。
母は火事が原因で死んだ。油ものをしている最中に火をつけっぱなしで、電話に出たのが原因だ。鍋から目を離してる間に油に引火し、燃え広がった。
家は全焼した。住まいも母も思い出も全て。灰になった。
私が電話をしたせいだ。私が忘れ物をして。
私のせいで。…母は死んだ。
電話の向こうでは母が燃えている。
「かあさん!かあさーん!!」
「プッ、ツー、ツー、ツー」
電話が切れた。
「ごめんなさい…」少女は泣き崩れた。
高梨さんは話を終えると咳払いをする。
吹奏楽部の先輩から聞いてきた怖い噂話。
とくに、かあさーん!!の部分は熱が入っていた。
褒めると高梨さんは少し恥ずかしそうにしている。
満更でもなさそうだ。
高梨さんは今回電話番号を入手していた。
その番号は吹奏楽部に代々伝わってきた番号だ。
「なんか番号長くない?」私の疑問に高梨さんは答える。
「霊界に繋げる為の儀式やパスワードなのかも知れない」
その番号に電話をかけると幽霊がでるとの噂だ。
今夜早速電話してみようという話しになった。
家に帰ると姉が化粧をしている。
これから何処かに出かけるらしい。念入りにしてるところをみると、男性に会いに行くのだろう。
私はいつも通り学校であったことを姉に話す。
「幽霊の電話BOX?知ってるよ。私の在学中にもそんな話あったなー」
「どうだった?」
「電話してみればわかるよ」
と笑うと鼻歌を歌いながら、口紅を塗る。
「教えて」と言ったが。
「これからデートだから!」と姉はそそくさと出かけていった。
高梨さんとは電話BOXで待ち合わせしていた。
私は暗い夜道を徒歩で向かう。
夜の街道は人通りも少なく車もあまり通らない。
近くの田んぼからは蛙の大合唱が聞こえた。
電話BOXに到着した。
外灯に照らされポツンと立つ電話BOXは、なんだか不気味であった。
まだ高梨さんの姿はなかった。
待ち合わせの時間を過ぎても、彼女は現れない。
1人で待っているのが心細くなってきた。
連絡を取ろうにも携帯電話の残りの電池が少ない。
私は仕方なく公衆電話を使って連絡をとることにした。
十円玉を入れる。
幽霊が出る公衆電話だ。使っても大丈夫なのだろうか…。
高梨さんの番号だし、普通に使う分には問題ないはず。
私は恐る恐るボタンを押す。
ピポパ。トュルルルル。カチャ。
「もしもし…」声をかける。
「はあ、はあ…」電話の向こうでは荒い息がする。
「バン!」と硝子扉を叩く音と共に
暗闇の中から、髪を振り乱した女性が現れる。
「ウワッ」私は思わず叫び声をあげた。
その女性は「遅れてごめん…」と顔を押し付けながら言った。
高梨さんは息を整えると、遅れたことを詫びた。
「全然いいよ。私もついたばかりだし…」
高梨さんが来ただけで、心細さが無くなった。
なんか安心する。
「それより、」
「そうだね。早速試そうか」
私は紙に書いてある番号を押す。
1236321369#963111111223366321
番号を押していて、違和感を感じる。
何処かで聞いたことがあるような、そんな音。
懐かしい感じ。
「これって…」
押し終わると私は受話器に耳を押し当てた。
「こちらはエヌティーティーどこもです。この電話番号は現在お取り扱いしておりません」
自動音声ガイダンスが流れる。
電話はどこにも繋がらなかった。
私はもう一度、今度はリズムに合わせて電話番号をおす。
高梨さんも感づいていたようだ。
私が押すボタンに合わせて歌う。
「か、え、る、の」1236
「う、た、がー、」321
「「き、こ、え、て、く、る、よー!」」369#963
途中から私も一緒に歌う。
「「ゲー、ゲー、ゲー、ゲー、」」1111
「「ゲロゲロゲロ、グワッ、グワッ、グワッ!」11223366321
プッシュ音が曲になっている。
私達は腹を抱えて笑った。吹奏楽部に騙された。
これは電話番号のプッシュ音を使った。プッシュ音楽だ。
番号通りに押せば音楽になる。曲名はカエルのうただ。
「はぁー、吹奏楽部め。許さん!」
笑いが落ち着き一息つくと、高梨さんは楽しそうにいった。
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