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第3章 高校1年生 2学期
第34話 過去の調べ。
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「どういうことですか?」
そろそろ練習があるから、とその場を辞したいつねを見送った後、誠が訝しげに問うた。
それはそうだろう。
誠の書いた曲はギターを主旋律にしたポップスなのだから。
ナキが参加する余地はどこにもない。
そもそも、なぜここでナキの名前が出てくるのか、誠にはわからないだろう。
「あぁ、説明がおろそかでしたね。ナキがバイオリニストだということは知っていますか?」
柴田先生の問に私たちは頷いた。
「彼は今、奏者としての目標を失っているのです」
先生は悲しそうに目を閉じた。
本当に不本意そうに。
「彼の目標はいつも僕の娘――詩織と競い合うことでした」
先の震災で亡くなったという柴田先生の娘さんもまた、バイオリニストだったのだ。
詩織さんは秀才型のバイオリニストで、それでも常に天才型バイオリニストのナキの常に一歩先を行く存在だったそうだ。
もちろん、この辺りの話は私だけは知っているが、曖昧になっている記憶を確認するためにも話はきちんと聞いておく。
「親バカと思われるかもしれませんが、詩織は優秀な奏者でした。しかしそれは、競いあう相手――ナキの存在なくしては語れなかったのです」
ナキもまた詩織さんを常に意識し、厳しい練習に励んだのだとか。
今の軟派なナキからは想像もつかないが、彼は元からああいう性格だった訳ではない。
練習嫌いではあったけれど、ちゃんと実行してはいたのだ。
そんなお互いに高め合う2人を、先生は微笑ましく見守っていたという。
「2人はいつしかライバルとなり、数々のコンクールで競い合いました。理論派で堅実な詩織が一歩リードしていましたが、ナキは時にプロの奏者もうならせるほどの表現力を発揮することもありました。2人はお互いを認め合っていました」
2人が惹かれ合うのに、それほど時間はかからなかった、と先生は言う。
「2人は正式に交際していた訳ではありませんが、お互い意識はしていたと思います。ナキは今のように女性関係がいい加減ではなく、常に娘だけを見ていました。娘も同年代の彼のことを憎からず思っていたようです」
関係はゆっくりと、でも着実に育まれていったようだ。
可愛い娘のことなので、柴田先生は複雑な心境だったようだけれど、人間としてもバイオリニストとしても2人の交際は有益だと判断したらしい。
付き合うことになったら、ダメな父親にはならず、素直に祝福しようと思っていたのだ、と先生は笑った。
しかし――。
「そんな中、あの震災が起きました」
そう口にする先生は本当にとてもとても辛そうで。
「娘が亡くなったことが、しばらくは信じられませんでした。今もまだ少し引きずっています。朝起きて食卓に妻と私2人分の食事しか用意されていないのを見ると、ああ、娘は本当に亡くなってしまったのだ、と毎日思います。今でもよく妻と2人で泣きます」
情けないことですが、と先生はひとりごちた。
私は身近な人を亡くしたことがない。
前世を含めても、親族・友人みんな健康だった。
だから、大切な人が亡くなるということが、どれほどの悲しみをもたらすのかは正直分からない。
でも、これだけは言える。
大切な人の死とは、大の男の人にここまで苦悩を露わにした表情をさせるのだ。
先生の表情は見ていられなかった。
思わず、目をそらしてしまった。
「でも、辛かったのは僕や妻だけではありませんでした。ナキもまた僕たち同様に傷ついていたのです。私はそれにしばらく気づいて上げられなかった」
詩織さんが亡くなって以来、ナキはコンクールにパタリと出なくなった。
練習もどれほどしているのやら、と先生は嘆く。
楽器演奏の腕というのは、1日練習しないとその何倍分も落ちる。
プロの演奏家なら、それこそ毎日の半分以上を練習に費やすのだ。
「百合ケ丘に受かったのは、ナキの腕からすれば当然です。全国規模のコンクールに入賞することに比べれば、一芸推薦など問題にならない」
それほどの腕を、ナキは腐らせようとしている、と先生は言う。
いくらナキが天才肌の演奏家であっても、練習しなければただの弾ける人に過ぎなくなってしまう。
同じ音楽家として、先生は見過ごすことは出来ない、という。
「ナキは詩織という目標を失って、音楽への情熱を失いかけています。何か、きっかけが必要です」
「それが、この曲だと?」
ここまで静かに先生の話に耳を傾けていた誠が口を開いた。
「自分ではよく出来たと思っていますが、正直、そんな全国レベル――下手をすれば世界レベルのバイオリニストの心を動かすことが出来るとは到底思えませんが……」
先程は素直に喜んでいたけれど、先生の話を聞いて自信が持てなくなったようだ。
無理もない。
全国レベルのコンクールに入賞していたナキや詩織さん、かつて天才と呼ばれた先生と違って、誠は音楽が好きなだけのただの高校生だ。
軽音楽部に所属しバンドを組んではいるものの、これまで何かのコンクールやオーディションに出た経験もない。
「確かに荒削りでは有ります。ですが、作曲に必要なのは小手先のテクニックではありません。抽象的な表現で恐縮ですが、大切なのは聴き手の心を揺さぶれるかどうか――いわば、魂です。この曲には、それが確かにあります」
誠の当惑を慮るように、しかし決しておべんちゃらではなく、先生は賛辞を口にした。
誠の作曲した曲――その名も『Change』は、本当にいい曲なのだ。
『チェンジ!』プレイヤーは誰もがと言っていいほどハマった。
数ある編曲の中で、学園祭アレンジは最も高い人気を博した一曲である。
「楽譜を少し私に預からせて下さい。ギターとバイオリンにアレンジして、更にブラッシュアップします。構いませんか?」
「ええ。それはいいですが……」
「もう1つ、3人にお願いがあります」
3人?
私にも?
「ナキの説得をお願いしたいのです」
それか……。
「今のナキは音楽から逃げたがっています。恐らく、娘との記憶が辛いのでしょう。たとえ私が学園祭に出て欲しいと言った所で、聞いてはくれないと思います。でも、仲の良いあなた達ならあるいは」
やはり、時系列が早まっている。
本来であれば、このイベントは2年生の学園祭、すなわち主人公が入学してきてから起こるものだ。
そして説得も誠と主人公が行う。
主人公は実は詩織さんにそっくりな容姿をしている、という設定があるのだ。
その辺りがナキと先生攻略のきっかけになったりするのだけれど……。
赤の他人である私に、あの一癖も二癖もあるナキの説得など出来るのだろうか。
「分かりました」
「誠くん?」
「同じ音楽に携わるものとして、ナキのことは放ってはおけん。和泉も手伝え」
逡巡する私をよそに、誠は決然とした顔でそう言った。
迷いないその表情に、私も思わず頷いてしまった。
「ありがとう」
ここまで苦悩がにじみ出る顔が多かった先生の顔に、ようやく柔和な笑顔が戻った。
やはり柴田先生はにこにこしているのがいいと思う。
「では先生、編曲の方はお願いします」
「任せて下さい。ナキにも真島君にも恥ずかしくない曲に仕上げてみせますよ」
「いえ、もう1人」
「?」
「和泉にもバンドに参加してもらいます」
……え?
そろそろ練習があるから、とその場を辞したいつねを見送った後、誠が訝しげに問うた。
それはそうだろう。
誠の書いた曲はギターを主旋律にしたポップスなのだから。
ナキが参加する余地はどこにもない。
そもそも、なぜここでナキの名前が出てくるのか、誠にはわからないだろう。
「あぁ、説明がおろそかでしたね。ナキがバイオリニストだということは知っていますか?」
柴田先生の問に私たちは頷いた。
「彼は今、奏者としての目標を失っているのです」
先生は悲しそうに目を閉じた。
本当に不本意そうに。
「彼の目標はいつも僕の娘――詩織と競い合うことでした」
先の震災で亡くなったという柴田先生の娘さんもまた、バイオリニストだったのだ。
詩織さんは秀才型のバイオリニストで、それでも常に天才型バイオリニストのナキの常に一歩先を行く存在だったそうだ。
もちろん、この辺りの話は私だけは知っているが、曖昧になっている記憶を確認するためにも話はきちんと聞いておく。
「親バカと思われるかもしれませんが、詩織は優秀な奏者でした。しかしそれは、競いあう相手――ナキの存在なくしては語れなかったのです」
ナキもまた詩織さんを常に意識し、厳しい練習に励んだのだとか。
今の軟派なナキからは想像もつかないが、彼は元からああいう性格だった訳ではない。
練習嫌いではあったけれど、ちゃんと実行してはいたのだ。
そんなお互いに高め合う2人を、先生は微笑ましく見守っていたという。
「2人はいつしかライバルとなり、数々のコンクールで競い合いました。理論派で堅実な詩織が一歩リードしていましたが、ナキは時にプロの奏者もうならせるほどの表現力を発揮することもありました。2人はお互いを認め合っていました」
2人が惹かれ合うのに、それほど時間はかからなかった、と先生は言う。
「2人は正式に交際していた訳ではありませんが、お互い意識はしていたと思います。ナキは今のように女性関係がいい加減ではなく、常に娘だけを見ていました。娘も同年代の彼のことを憎からず思っていたようです」
関係はゆっくりと、でも着実に育まれていったようだ。
可愛い娘のことなので、柴田先生は複雑な心境だったようだけれど、人間としてもバイオリニストとしても2人の交際は有益だと判断したらしい。
付き合うことになったら、ダメな父親にはならず、素直に祝福しようと思っていたのだ、と先生は笑った。
しかし――。
「そんな中、あの震災が起きました」
そう口にする先生は本当にとてもとても辛そうで。
「娘が亡くなったことが、しばらくは信じられませんでした。今もまだ少し引きずっています。朝起きて食卓に妻と私2人分の食事しか用意されていないのを見ると、ああ、娘は本当に亡くなってしまったのだ、と毎日思います。今でもよく妻と2人で泣きます」
情けないことですが、と先生はひとりごちた。
私は身近な人を亡くしたことがない。
前世を含めても、親族・友人みんな健康だった。
だから、大切な人が亡くなるということが、どれほどの悲しみをもたらすのかは正直分からない。
でも、これだけは言える。
大切な人の死とは、大の男の人にここまで苦悩を露わにした表情をさせるのだ。
先生の表情は見ていられなかった。
思わず、目をそらしてしまった。
「でも、辛かったのは僕や妻だけではありませんでした。ナキもまた僕たち同様に傷ついていたのです。私はそれにしばらく気づいて上げられなかった」
詩織さんが亡くなって以来、ナキはコンクールにパタリと出なくなった。
練習もどれほどしているのやら、と先生は嘆く。
楽器演奏の腕というのは、1日練習しないとその何倍分も落ちる。
プロの演奏家なら、それこそ毎日の半分以上を練習に費やすのだ。
「百合ケ丘に受かったのは、ナキの腕からすれば当然です。全国規模のコンクールに入賞することに比べれば、一芸推薦など問題にならない」
それほどの腕を、ナキは腐らせようとしている、と先生は言う。
いくらナキが天才肌の演奏家であっても、練習しなければただの弾ける人に過ぎなくなってしまう。
同じ音楽家として、先生は見過ごすことは出来ない、という。
「ナキは詩織という目標を失って、音楽への情熱を失いかけています。何か、きっかけが必要です」
「それが、この曲だと?」
ここまで静かに先生の話に耳を傾けていた誠が口を開いた。
「自分ではよく出来たと思っていますが、正直、そんな全国レベル――下手をすれば世界レベルのバイオリニストの心を動かすことが出来るとは到底思えませんが……」
先程は素直に喜んでいたけれど、先生の話を聞いて自信が持てなくなったようだ。
無理もない。
全国レベルのコンクールに入賞していたナキや詩織さん、かつて天才と呼ばれた先生と違って、誠は音楽が好きなだけのただの高校生だ。
軽音楽部に所属しバンドを組んではいるものの、これまで何かのコンクールやオーディションに出た経験もない。
「確かに荒削りでは有ります。ですが、作曲に必要なのは小手先のテクニックではありません。抽象的な表現で恐縮ですが、大切なのは聴き手の心を揺さぶれるかどうか――いわば、魂です。この曲には、それが確かにあります」
誠の当惑を慮るように、しかし決しておべんちゃらではなく、先生は賛辞を口にした。
誠の作曲した曲――その名も『Change』は、本当にいい曲なのだ。
『チェンジ!』プレイヤーは誰もがと言っていいほどハマった。
数ある編曲の中で、学園祭アレンジは最も高い人気を博した一曲である。
「楽譜を少し私に預からせて下さい。ギターとバイオリンにアレンジして、更にブラッシュアップします。構いませんか?」
「ええ。それはいいですが……」
「もう1つ、3人にお願いがあります」
3人?
私にも?
「ナキの説得をお願いしたいのです」
それか……。
「今のナキは音楽から逃げたがっています。恐らく、娘との記憶が辛いのでしょう。たとえ私が学園祭に出て欲しいと言った所で、聞いてはくれないと思います。でも、仲の良いあなた達ならあるいは」
やはり、時系列が早まっている。
本来であれば、このイベントは2年生の学園祭、すなわち主人公が入学してきてから起こるものだ。
そして説得も誠と主人公が行う。
主人公は実は詩織さんにそっくりな容姿をしている、という設定があるのだ。
その辺りがナキと先生攻略のきっかけになったりするのだけれど……。
赤の他人である私に、あの一癖も二癖もあるナキの説得など出来るのだろうか。
「分かりました」
「誠くん?」
「同じ音楽に携わるものとして、ナキのことは放ってはおけん。和泉も手伝え」
逡巡する私をよそに、誠は決然とした顔でそう言った。
迷いないその表情に、私も思わず頷いてしまった。
「ありがとう」
ここまで苦悩がにじみ出る顔が多かった先生の顔に、ようやく柔和な笑顔が戻った。
やはり柴田先生はにこにこしているのがいいと思う。
「では先生、編曲の方はお願いします」
「任せて下さい。ナキにも真島君にも恥ずかしくない曲に仕上げてみせますよ」
「いえ、もう1人」
「?」
「和泉にもバンドに参加してもらいます」
……え?
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