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三章
69話 黄金
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ピングはすぐ近くに移動してティーグレの顔をじっと観察した。腕に大事そうに抱かれている自分のことは全く気に留めず、ティーグレだけを。
「良かった……あれ」
手を伸ばして触れようとすると、何かに阻まれて叶わない。床と同じく見えはしないのだが、壁のようなもので隔たれているらしい。
壁の向こう側からはピングは全く見えていないらしく、全員で結界内に集まって作戦会議をしていた。
「つまり、ピングは無事なんだね?」
目を閉じて完全に意識のないピングの体に、リョウイチは気遣わしげに視線を落とす。
ティーグレは深く頷いた。
「指輪の魔石にピング殿下の魔力の器を守る魔術をかけた。効果がきれるまでは大丈夫だ」
やはり、ティーグレがピングを守ってくれていた。
どうやらピングは魔力と精神だけの状態で体から隔離されているようだ。だから誰にも動いているピングは見えないし、肉体は深い眠りについているのだ。
ピングは自分の精神体を包む紫色の輝きが愛しくてたまらなくなった。
状況に納得している間にも、会話は続いている。
アトヴァルは眠っているピングの白い頬に手を添え、ティーグレを見やる。
「効果の続く時間は?」
「俺の魔力が尽きるまでです」
「急ぐに越したことはなさそうやな」
ローボは結界の外で好き勝手に暴れている怪鳥の方に体を向けていた。怪鳥が闘技場から出ようとしたら、すぐに動けるようにしていたのだ。
ティーグレはピングを抱きしめ直して、グッと顔を上げる。強い意志を持つ紫色の先にいるリョウイチが、息を飲むのが分かった。
「アレに対抗できるのはリョウイチのドラゴンだけだ。頼む、とにかくアレに魔力を出し切らせてくれ」
縋るようなティーグレの声に、リョウイチの黒い瞳は戸惑いに揺れる。
「でも、俺……」
ピングにはリョウイチの気持ちがよく分かった。
自信がないのだ。
リョウイチは強大な魔力を持っているが、まだそれを制御しきれていない。
魔力の塊に振り回されてばかりのピングと一緒だ。
入学当初より随分とドラゴンを上手く扱えるようになっている。しかし、目の前で暴れる怪鳥と渡り合い「魔力を出し切らせる」となれば、リョウイチも相当大きな魔力を行使することになる。
使う魔力量が多ければ多いほど、制御は難しい。
不安だと顔に書いてあるリョウイチの胸を、アトヴァルの白い拳がドンっと叩く。
「制御のサポートは私がする。リョウイチ、存分に暴れろ」
「アトヴァル……」
「私の兄弟を助けてくれ」
表情を歪めて懇願する淡青色の瞳を受け止めた黒い瞳から、迷いが消えた。
リョウイチは胸元の拳を大きな両手で包み込む。
ピングは迷惑をかけて申し訳ない気持ちと共に、やはり生きなくてはならないという気持ちが強くなる。
「お熱いなぁ。やったら俺は被害が外に行かんように結界張っとくわ」
手を握り合う2人を茶化す声が割り込む。
白い歯を見せているローボは、誰も返事をしていないのに地面に向かって指を動かした。地面に触れずとも、皆の足元に魔法陣が刻まれていく。
ティーグレは魔法陣の一部を指差した。
「もっとガチガチに頼む」
「……俺の魔力も無くなる前に終わってやー」
仕方がないという風に魔法陣を描き直すローボの隣で、ずっと黙っていたオルソの手に魔法陣が光る。再びピングの身長よりも高い大剣が姿を現した。
「では、リョウイチの準備が整うまで俺とティーグレ様で引きつけます」
「オルソ、悪いけど俺たちは怪物に挟まれる。五体満足で終われねぇかも」
眠っているピングの体をアトヴァルに預けた後、ティーグレがオルソを振り返る。覚悟を決めた紫の瞳を見て、精神体のピングは寒気がした。
脅しとも取れる台詞に対し、オルソは眉ひとつ動かさなかった。
「一国の皇太子の危機です。手足を失おうと物が見えなくなろうと、命を懸けろと仰ってください」
オルソは淡々と当然のように答えると、黒いローブを脱ぎ捨てる。改めて両手で大剣を構え、怪鳥に向かって走っていく。
その背中に、ローボが口笛を吹いた。
「カッコええなぁ。欠損しとってええから、この後も抱いてくれんかな」
「はは、俺も交ぜてくれよそれ」
緊迫した空気を和ませる明るさの声を聞き、ティーグレが軽口を放り投げる。ローボの赤い目が細まって、銀色の髪に手を伸ばした。
「ティーグレ様は交ざっとる場合とちゃうやろ。ちゃんとしぃや色々と」
ぐしゃぐしゃと褐色の手が銀色を混ぜる。揶揄うような、応援するような、温かい赤色の瞳。
ティーグレは心得た様子で、力なく眠るピングの手をとった。
「もちろん、そのつもりだ」
低く深い声に、ピングの心は熱くなる。
ピングが精神体となって見ていることをティーグレは知らない。悪いことをしているような気持ちになりながらも、自分の手に顔を近づけるティーグレから目が離せなかった。
「約束したからな」
皆の目の前で、ティーグレは白い手のひらに口付ける。存在を確かめるように、離れるのを惜しむように。
ピングは自分の手のひらに思わず唇を触れさせた。精神体であることを残念に思う。あの口付けを、肌で感じたい。
しかし今のピングには何もできない。
離れたティーグレはホワイトタイガーに飛び乗ってオルソを追う。
ティーグレのホワイトタイガーもオルソの熊も、最大限巨大化して怪鳥に牙を向く。初めて見たら恐怖で場を支配することのできる猛獣たちだ。
それでも、闘技場を覆うほど巨大すぎる怪鳥と比べると、半分くらいの大きさにしかならない。
リョウイチとアトヴァルは、魔術の制御を共有するために手を取り合って呪文を唱えている。
まだ習っていない複雑な魔術だ。もう少し時間がかかるだろう。
『ティーグレ……!』
何も出来ないのが歯痒い。どんなに気が急いても、ピングの肉体は全く動く気配はない。
なんとかならないかと近づいてみたけれども、肉体に戻ることはなかった。
ピングが手をこまねいている内に、リョウイチとアトヴァルを囲む魔法陣が魔術の完成を告げる光を放つ。
闘技場が空まで明るく輝き、流星の光が消える。
「あれ……」
その場の全員が思い思いの驚愕の顔になる。
とぐろを巻いている長い体は、黄金に艶めく鱗に覆われている。鹿のようなツノも瞳も、全てが同じ色。
まばゆく神々しい姿は、いつもの闇色の龍ではない。
だが、リョウイチの使い魔のドラゴンには間違いない。リョウイチとアトヴァルの魔力が重なることで変質したのだろう。
黒と白の怪鳥と黄金のドラゴンが、互いを感知した瞬間に魔力の炎を放ち合った。
「良かった……あれ」
手を伸ばして触れようとすると、何かに阻まれて叶わない。床と同じく見えはしないのだが、壁のようなもので隔たれているらしい。
壁の向こう側からはピングは全く見えていないらしく、全員で結界内に集まって作戦会議をしていた。
「つまり、ピングは無事なんだね?」
目を閉じて完全に意識のないピングの体に、リョウイチは気遣わしげに視線を落とす。
ティーグレは深く頷いた。
「指輪の魔石にピング殿下の魔力の器を守る魔術をかけた。効果がきれるまでは大丈夫だ」
やはり、ティーグレがピングを守ってくれていた。
どうやらピングは魔力と精神だけの状態で体から隔離されているようだ。だから誰にも動いているピングは見えないし、肉体は深い眠りについているのだ。
ピングは自分の精神体を包む紫色の輝きが愛しくてたまらなくなった。
状況に納得している間にも、会話は続いている。
アトヴァルは眠っているピングの白い頬に手を添え、ティーグレを見やる。
「効果の続く時間は?」
「俺の魔力が尽きるまでです」
「急ぐに越したことはなさそうやな」
ローボは結界の外で好き勝手に暴れている怪鳥の方に体を向けていた。怪鳥が闘技場から出ようとしたら、すぐに動けるようにしていたのだ。
ティーグレはピングを抱きしめ直して、グッと顔を上げる。強い意志を持つ紫色の先にいるリョウイチが、息を飲むのが分かった。
「アレに対抗できるのはリョウイチのドラゴンだけだ。頼む、とにかくアレに魔力を出し切らせてくれ」
縋るようなティーグレの声に、リョウイチの黒い瞳は戸惑いに揺れる。
「でも、俺……」
ピングにはリョウイチの気持ちがよく分かった。
自信がないのだ。
リョウイチは強大な魔力を持っているが、まだそれを制御しきれていない。
魔力の塊に振り回されてばかりのピングと一緒だ。
入学当初より随分とドラゴンを上手く扱えるようになっている。しかし、目の前で暴れる怪鳥と渡り合い「魔力を出し切らせる」となれば、リョウイチも相当大きな魔力を行使することになる。
使う魔力量が多ければ多いほど、制御は難しい。
不安だと顔に書いてあるリョウイチの胸を、アトヴァルの白い拳がドンっと叩く。
「制御のサポートは私がする。リョウイチ、存分に暴れろ」
「アトヴァル……」
「私の兄弟を助けてくれ」
表情を歪めて懇願する淡青色の瞳を受け止めた黒い瞳から、迷いが消えた。
リョウイチは胸元の拳を大きな両手で包み込む。
ピングは迷惑をかけて申し訳ない気持ちと共に、やはり生きなくてはならないという気持ちが強くなる。
「お熱いなぁ。やったら俺は被害が外に行かんように結界張っとくわ」
手を握り合う2人を茶化す声が割り込む。
白い歯を見せているローボは、誰も返事をしていないのに地面に向かって指を動かした。地面に触れずとも、皆の足元に魔法陣が刻まれていく。
ティーグレは魔法陣の一部を指差した。
「もっとガチガチに頼む」
「……俺の魔力も無くなる前に終わってやー」
仕方がないという風に魔法陣を描き直すローボの隣で、ずっと黙っていたオルソの手に魔法陣が光る。再びピングの身長よりも高い大剣が姿を現した。
「では、リョウイチの準備が整うまで俺とティーグレ様で引きつけます」
「オルソ、悪いけど俺たちは怪物に挟まれる。五体満足で終われねぇかも」
眠っているピングの体をアトヴァルに預けた後、ティーグレがオルソを振り返る。覚悟を決めた紫の瞳を見て、精神体のピングは寒気がした。
脅しとも取れる台詞に対し、オルソは眉ひとつ動かさなかった。
「一国の皇太子の危機です。手足を失おうと物が見えなくなろうと、命を懸けろと仰ってください」
オルソは淡々と当然のように答えると、黒いローブを脱ぎ捨てる。改めて両手で大剣を構え、怪鳥に向かって走っていく。
その背中に、ローボが口笛を吹いた。
「カッコええなぁ。欠損しとってええから、この後も抱いてくれんかな」
「はは、俺も交ぜてくれよそれ」
緊迫した空気を和ませる明るさの声を聞き、ティーグレが軽口を放り投げる。ローボの赤い目が細まって、銀色の髪に手を伸ばした。
「ティーグレ様は交ざっとる場合とちゃうやろ。ちゃんとしぃや色々と」
ぐしゃぐしゃと褐色の手が銀色を混ぜる。揶揄うような、応援するような、温かい赤色の瞳。
ティーグレは心得た様子で、力なく眠るピングの手をとった。
「もちろん、そのつもりだ」
低く深い声に、ピングの心は熱くなる。
ピングが精神体となって見ていることをティーグレは知らない。悪いことをしているような気持ちになりながらも、自分の手に顔を近づけるティーグレから目が離せなかった。
「約束したからな」
皆の目の前で、ティーグレは白い手のひらに口付ける。存在を確かめるように、離れるのを惜しむように。
ピングは自分の手のひらに思わず唇を触れさせた。精神体であることを残念に思う。あの口付けを、肌で感じたい。
しかし今のピングには何もできない。
離れたティーグレはホワイトタイガーに飛び乗ってオルソを追う。
ティーグレのホワイトタイガーもオルソの熊も、最大限巨大化して怪鳥に牙を向く。初めて見たら恐怖で場を支配することのできる猛獣たちだ。
それでも、闘技場を覆うほど巨大すぎる怪鳥と比べると、半分くらいの大きさにしかならない。
リョウイチとアトヴァルは、魔術の制御を共有するために手を取り合って呪文を唱えている。
まだ習っていない複雑な魔術だ。もう少し時間がかかるだろう。
『ティーグレ……!』
何も出来ないのが歯痒い。どんなに気が急いても、ピングの肉体は全く動く気配はない。
なんとかならないかと近づいてみたけれども、肉体に戻ることはなかった。
ピングが手をこまねいている内に、リョウイチとアトヴァルを囲む魔法陣が魔術の完成を告げる光を放つ。
闘技場が空まで明るく輝き、流星の光が消える。
「あれ……」
その場の全員が思い思いの驚愕の顔になる。
とぐろを巻いている長い体は、黄金に艶めく鱗に覆われている。鹿のようなツノも瞳も、全てが同じ色。
まばゆく神々しい姿は、いつもの闇色の龍ではない。
だが、リョウイチの使い魔のドラゴンには間違いない。リョウイチとアトヴァルの魔力が重なることで変質したのだろう。
黒と白の怪鳥と黄金のドラゴンが、互いを感知した瞬間に魔力の炎を放ち合った。
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