11 / 46
10話 緊急事態※戦闘、流血有り
しおりを挟む
牛の正体は、城で見たことがある兵士だ。
ルカが何かを聞く前に、兵士は敬礼して声を張り上げた。
「ルカ様!ここにいらっしゃいましたか!」
「どうしたんだ、魔物のことか?」
「ご存知でしたか!実は魔物討伐師が檻の魔物を誤って逃がしてしまったようで......五匹、ただ今対処中です!」
報告内容に、ルカは全身から嫌な汗が吹き出すのを感じる。
さっきの魔物は、その内の一匹ということか。
ルカは先ほど倒した魔物を指差す。
「あいつはその内の一匹か?」
「ル、ルカ様、すでに......? お怪我はございませんか?」
「大丈夫だ。でも悪い。子どもたちがいたからちゃんと仕留めたか確認できてない」
「確認いたします!」
兵士はすぐに魔物へと駆けていった。
なんの躊躇もなく近づき、ルカの剣を引き抜いている。
それを見たルカは、戦大国の兵士は一味違うと感心してしまった。
魔物は問題なく絶命していたらしい。
戻ってきた兵士にそう報告を受け、ルカは剣を受け取りながら気を引き締める。
「じゃあ俺は街の様子を見に行くから、子どもたちの避難を頼む!」
「ルカ様も避難をなさった方が」
「ウルスス国の皇族は、こういう時は前線に出るって聞いたけど」
「......かしこまりました。くれぐれもご無理はなさらず」
兵士はうなずくと、再び大きな牛の姿になる。
彼が子どもたちを全員背中に乗せるのを確認して、ルカは走り出した。
(魔物討伐師が魔物を逃すなんて! 魔物が収まったら、ちゃんと状況確認して、再発防止策を練らないと......!)
魔物討伐師とは、その名の通り魔物を討伐する仕事をしている人たちのことだ。
彼らは国や民間の人々から依頼を受けて魔物を討伐したり、時には捕獲したりする。
今回は、捕獲した魔獣が檻から逃げてしまったということらしい。
息せき切って街に出たルカの目に、戦闘中の魔物と獣化した兵士たちが飛び込んできた。
「すごい......」
ルカや子ども達のところに来たのが目玉の魔物だったことは、不幸中の幸いだったようだ。
獣化した兵士たちが戦っているのは、もっと巨大で凶暴そうな魔物だ。
鍛えられた獣人は、普通の動物たちよりも身体が大きく圧倒的に強い。
その獣人の兵士たちが、数人がかりで一匹の魔物に当たっていた。
ルカの出る幕はなさそうだ。
戦闘の指示を出す立場になろうにも、人間だけの軍と獣人の軍では作戦の立て方も違う。
ルカは己の無力さに唇を噛む。
(新しく勉強しないといけないことばっかだな)
悔しがってばかりもいられない。
戦闘は兵士たちに任せ、ルカはこの騒ぎの元凶になった魔物討伐師を探すことにした。
対魔物戦闘の専門家である上、状況を一番把握してるはずだ。
事態を早く収める手助けをしてもらえるだろう。
そう考えたルカは、兵士たちに「戦闘に集中すること」「魔物討伐師を見つけたらルカに教えること」を伝えた。
ルカは街中を駆け回る。
戦闘の声は聞こえるが、街には一般市民は誰もいない。
魔物の巣窟に近い地域なだけあって、城下町の人々は訓練が行き届いている。
素早く避難できていたようだ。
「おかしいな......魔物討伐師なら率先して魔物を抑える手伝いをしてくれると思ったのに......どこにもいない......っ」
ルカは立ち止まって、大きく息を吐く。
肌を撫でる風は冷たいが、体の内側が熱い。
どうしたものかと頭を悩ませて、唸ったその時。
細い路地から、黒い影が飛び出してきた。
「......っ!」
迷いなくルカに向かってきた影を、ルカは咄嗟に剣で防ぐ。
が、力で押し負けた。
ルカは勢いよく雪の上に倒れ込む。
転けた衝撃よりも、雪の冷たさに刺される痛みが強い。
雪が頬に触れ、凍りつきそうだ。
すぐに顔を上げて相手の正体を見る。
ルカは背中に寒気が走った。
鋭く赤い瞳がこちらを睨んでいたのだ。
「狐......? いや、魔物......、か?」
氷に覆われたような硬そうな毛に覆われた狐のような生き物がいた。
体長は一般的な狐よりも一回り大きい。
どう見ても普通の動物ではないその狐は、鋭い牙をむき、ジリジリとルカに近寄ってきている。
ルカはすぐに雪に手をつき、起き上がる。
だが、整える前に狐が飛びかかってきた。
「......ぐ、ぅ......!」
目眩がするほどの痛みがルカを襲った。
左肩に牙が食い込み骨が軋む。
ルカは右手に持った剣を振り上げ、なんとか大狐の背に突き刺す。
「ギぃ、......! クソが!」
狐が悪態をつく。
一瞬、狐の口が離れた隙に距離を取り、ルカは立って剣を構え直した。
「魔物じゃなくて、お前獣人か......!」
知っている狐と随分違ったから、てっきり魔物だと思ってしまった。
だが、魔物は人語を喋らない。
喋る動物は、獣化した獣人だけだ。
ルカの問いかけに、狐獣人は荒々しく吠えた。
「だったらどうした! お前には死んでもらう!」
「......っ! 獣人なら! 殺すわけにはいかないからっ! 捕まえさせてもらう!」
再び向かってきた狐獣人に向かって、ルカは鞘に戻した剣を振った。
避けて、避けられてを繰り返す。
互いに怪我が邪魔をして動きが鈍い。
だが、不意打ちでなければ力負けはしなかった。
ルカは渾身の力で狐の腹に剣を打ち込むことに成功する。
筋肉が軋み、痛む肩に歯を食いしばりながら、ルカは狐に覆い被さって剣で首を押さえ込んだ。
「俺に死ねって言ったな! 誰かに頼まれたのか!」
「言うわけねぇだろ! 殺される!」
「言わずとも、命の危険はあると思うが?」
「そうだぞ! 言わなくても............え?」
背後から聞こえてきた声に同調してから、ルカの体が萎縮した。
ただならぬ殺気がしたのだ。
雪の中に埋められてしまったかのような、底冷えする声。
しかし、ルカはこの声を知っている。
今ここにいるはずのないこの声は、グンナルだ。
振り返ることもできず固まったルカの目の前で、狐獣人の顔も恐怖で引き攣った。
ルカは震えそうになる唇をなんとか動かし、後ろに向かって問いかける。
「グン、ナル......?」
「ルカ」
名前を呼ばれた瞬間、ふわりと空気が和らぐ。同一人物に違いないのに、別人のような優しく深い声がした。
もふもふとした白い腕に、後ろから抱きしめられる。
「よく皆を守ってくれた。後は私に任せてくれ」
毎夜、ルカが寝る時に包み込んでくれるシロクマの腕だ。急激に緊張が解け、ルカは力が抜けてしまった。
狐獣人の首を抑えている剣は形だけになってしまったが、彼はグンナルの登場によって完全に戦意を喪失している。
そして、そうしている間にも兵士たちが集まってきてくれた。
もう狐獣人に逃げ場はない。
グンナルは、肉球のついた手でルカの頬を撫でた。
「さぁ、ルカ。すぐに怪我の手当てをしよう」
「あ、ありがとうグンナル......でも......」
ルカは怪我の痛みを忘れるほど、混乱中だ。
聞きたいことが山ほどある。
ようやく振り返って、シロクマ姿のグンナルを見上げた。
「えっと、城下町の魔物はもう大丈夫なのか?」
「ああ、殲滅したと報告を受けている。対応が早かったのが幸いだった。市民に怪我はなく、町の被害も少ない」
手短に説明してくれるグンナルを、ルカはじっと見つめた。
シロクマ姿では表情が読めないけれど、グンナルはいつもより早口で、焦っているのがよくわかる。
だから、本当に被害が少ないのか心配になってしまった。
「そうか、じゃあ今から......っわぁ」
「ルカ」
街の様子を確認させてくれ、と言おうとしたのに、体に浮遊感が襲う。地面から足が離れ、グンナルに抱き上げられた。
ふわふわの腕の中で、ルカがみじろぐ。
「な、なんだグンナル?」
「詳しい報告はまた後だ。とにかく、早く怪我の手当をさせてくれ」
「......っ」
グンナルが赤が滲んだ白いコートに鼻を寄せてくる。左腕が挙げられないほど鈍い痛みを、ルカの体が思い出してきた。
ルカが眉をひそめていると、白い腕が抱きしめ直してくれる。
(焦ってるの......俺の怪我のせいか......)
いつも以上に気遣って触れられているのを感じながら、ルカはグンナルにうなずいた。
ルカが何かを聞く前に、兵士は敬礼して声を張り上げた。
「ルカ様!ここにいらっしゃいましたか!」
「どうしたんだ、魔物のことか?」
「ご存知でしたか!実は魔物討伐師が檻の魔物を誤って逃がしてしまったようで......五匹、ただ今対処中です!」
報告内容に、ルカは全身から嫌な汗が吹き出すのを感じる。
さっきの魔物は、その内の一匹ということか。
ルカは先ほど倒した魔物を指差す。
「あいつはその内の一匹か?」
「ル、ルカ様、すでに......? お怪我はございませんか?」
「大丈夫だ。でも悪い。子どもたちがいたからちゃんと仕留めたか確認できてない」
「確認いたします!」
兵士はすぐに魔物へと駆けていった。
なんの躊躇もなく近づき、ルカの剣を引き抜いている。
それを見たルカは、戦大国の兵士は一味違うと感心してしまった。
魔物は問題なく絶命していたらしい。
戻ってきた兵士にそう報告を受け、ルカは剣を受け取りながら気を引き締める。
「じゃあ俺は街の様子を見に行くから、子どもたちの避難を頼む!」
「ルカ様も避難をなさった方が」
「ウルスス国の皇族は、こういう時は前線に出るって聞いたけど」
「......かしこまりました。くれぐれもご無理はなさらず」
兵士はうなずくと、再び大きな牛の姿になる。
彼が子どもたちを全員背中に乗せるのを確認して、ルカは走り出した。
(魔物討伐師が魔物を逃すなんて! 魔物が収まったら、ちゃんと状況確認して、再発防止策を練らないと......!)
魔物討伐師とは、その名の通り魔物を討伐する仕事をしている人たちのことだ。
彼らは国や民間の人々から依頼を受けて魔物を討伐したり、時には捕獲したりする。
今回は、捕獲した魔獣が檻から逃げてしまったということらしい。
息せき切って街に出たルカの目に、戦闘中の魔物と獣化した兵士たちが飛び込んできた。
「すごい......」
ルカや子ども達のところに来たのが目玉の魔物だったことは、不幸中の幸いだったようだ。
獣化した兵士たちが戦っているのは、もっと巨大で凶暴そうな魔物だ。
鍛えられた獣人は、普通の動物たちよりも身体が大きく圧倒的に強い。
その獣人の兵士たちが、数人がかりで一匹の魔物に当たっていた。
ルカの出る幕はなさそうだ。
戦闘の指示を出す立場になろうにも、人間だけの軍と獣人の軍では作戦の立て方も違う。
ルカは己の無力さに唇を噛む。
(新しく勉強しないといけないことばっかだな)
悔しがってばかりもいられない。
戦闘は兵士たちに任せ、ルカはこの騒ぎの元凶になった魔物討伐師を探すことにした。
対魔物戦闘の専門家である上、状況を一番把握してるはずだ。
事態を早く収める手助けをしてもらえるだろう。
そう考えたルカは、兵士たちに「戦闘に集中すること」「魔物討伐師を見つけたらルカに教えること」を伝えた。
ルカは街中を駆け回る。
戦闘の声は聞こえるが、街には一般市民は誰もいない。
魔物の巣窟に近い地域なだけあって、城下町の人々は訓練が行き届いている。
素早く避難できていたようだ。
「おかしいな......魔物討伐師なら率先して魔物を抑える手伝いをしてくれると思ったのに......どこにもいない......っ」
ルカは立ち止まって、大きく息を吐く。
肌を撫でる風は冷たいが、体の内側が熱い。
どうしたものかと頭を悩ませて、唸ったその時。
細い路地から、黒い影が飛び出してきた。
「......っ!」
迷いなくルカに向かってきた影を、ルカは咄嗟に剣で防ぐ。
が、力で押し負けた。
ルカは勢いよく雪の上に倒れ込む。
転けた衝撃よりも、雪の冷たさに刺される痛みが強い。
雪が頬に触れ、凍りつきそうだ。
すぐに顔を上げて相手の正体を見る。
ルカは背中に寒気が走った。
鋭く赤い瞳がこちらを睨んでいたのだ。
「狐......? いや、魔物......、か?」
氷に覆われたような硬そうな毛に覆われた狐のような生き物がいた。
体長は一般的な狐よりも一回り大きい。
どう見ても普通の動物ではないその狐は、鋭い牙をむき、ジリジリとルカに近寄ってきている。
ルカはすぐに雪に手をつき、起き上がる。
だが、整える前に狐が飛びかかってきた。
「......ぐ、ぅ......!」
目眩がするほどの痛みがルカを襲った。
左肩に牙が食い込み骨が軋む。
ルカは右手に持った剣を振り上げ、なんとか大狐の背に突き刺す。
「ギぃ、......! クソが!」
狐が悪態をつく。
一瞬、狐の口が離れた隙に距離を取り、ルカは立って剣を構え直した。
「魔物じゃなくて、お前獣人か......!」
知っている狐と随分違ったから、てっきり魔物だと思ってしまった。
だが、魔物は人語を喋らない。
喋る動物は、獣化した獣人だけだ。
ルカの問いかけに、狐獣人は荒々しく吠えた。
「だったらどうした! お前には死んでもらう!」
「......っ! 獣人なら! 殺すわけにはいかないからっ! 捕まえさせてもらう!」
再び向かってきた狐獣人に向かって、ルカは鞘に戻した剣を振った。
避けて、避けられてを繰り返す。
互いに怪我が邪魔をして動きが鈍い。
だが、不意打ちでなければ力負けはしなかった。
ルカは渾身の力で狐の腹に剣を打ち込むことに成功する。
筋肉が軋み、痛む肩に歯を食いしばりながら、ルカは狐に覆い被さって剣で首を押さえ込んだ。
「俺に死ねって言ったな! 誰かに頼まれたのか!」
「言うわけねぇだろ! 殺される!」
「言わずとも、命の危険はあると思うが?」
「そうだぞ! 言わなくても............え?」
背後から聞こえてきた声に同調してから、ルカの体が萎縮した。
ただならぬ殺気がしたのだ。
雪の中に埋められてしまったかのような、底冷えする声。
しかし、ルカはこの声を知っている。
今ここにいるはずのないこの声は、グンナルだ。
振り返ることもできず固まったルカの目の前で、狐獣人の顔も恐怖で引き攣った。
ルカは震えそうになる唇をなんとか動かし、後ろに向かって問いかける。
「グン、ナル......?」
「ルカ」
名前を呼ばれた瞬間、ふわりと空気が和らぐ。同一人物に違いないのに、別人のような優しく深い声がした。
もふもふとした白い腕に、後ろから抱きしめられる。
「よく皆を守ってくれた。後は私に任せてくれ」
毎夜、ルカが寝る時に包み込んでくれるシロクマの腕だ。急激に緊張が解け、ルカは力が抜けてしまった。
狐獣人の首を抑えている剣は形だけになってしまったが、彼はグンナルの登場によって完全に戦意を喪失している。
そして、そうしている間にも兵士たちが集まってきてくれた。
もう狐獣人に逃げ場はない。
グンナルは、肉球のついた手でルカの頬を撫でた。
「さぁ、ルカ。すぐに怪我の手当てをしよう」
「あ、ありがとうグンナル......でも......」
ルカは怪我の痛みを忘れるほど、混乱中だ。
聞きたいことが山ほどある。
ようやく振り返って、シロクマ姿のグンナルを見上げた。
「えっと、城下町の魔物はもう大丈夫なのか?」
「ああ、殲滅したと報告を受けている。対応が早かったのが幸いだった。市民に怪我はなく、町の被害も少ない」
手短に説明してくれるグンナルを、ルカはじっと見つめた。
シロクマ姿では表情が読めないけれど、グンナルはいつもより早口で、焦っているのがよくわかる。
だから、本当に被害が少ないのか心配になってしまった。
「そうか、じゃあ今から......っわぁ」
「ルカ」
街の様子を確認させてくれ、と言おうとしたのに、体に浮遊感が襲う。地面から足が離れ、グンナルに抱き上げられた。
ふわふわの腕の中で、ルカがみじろぐ。
「な、なんだグンナル?」
「詳しい報告はまた後だ。とにかく、早く怪我の手当をさせてくれ」
「......っ」
グンナルが赤が滲んだ白いコートに鼻を寄せてくる。左腕が挙げられないほど鈍い痛みを、ルカの体が思い出してきた。
ルカが眉をひそめていると、白い腕が抱きしめ直してくれる。
(焦ってるの......俺の怪我のせいか......)
いつも以上に気遣って触れられているのを感じながら、ルカはグンナルにうなずいた。
903
あなたにおすすめの小説
塩対応の同室αが実は俺の番を狙っていた
雪兎
BL
あらすじ
全寮制の名門学園に入学したΩの俺は、入寮初日から最悪の同室相手に当たった。
相手は学年でも有名な優等生α。
成績優秀、運動もできる、顔もいい。なのに——
めちゃくちゃ塩対応。
挨拶しても「……ああ」。
話しかけても「別に」。
距離も近づけないし、なぜか妙に警戒されている気がする。
(俺、そんなに嫌われてる……?)
同室なのに会話は最低限。
むしろ避けられている気さえある。
けれどある日、発情期トラブルで倒れた俺を助けてくれたのは、
その塩対応αだった。
しかも普段とは違い、必死な顔で言われる。
「……他のαに近づくな」
「お前は俺の……」
そこで言葉を飲み込む彼。
それ以来、少しずつ態度が変わり始める。
距離は相変わらず近くない。
口数も少ない。
だけど――
他のαが近づくと、さりげなく間に入る。
発情期が近いと察すると、さりげなく世話を焼く。
そして時々、独占欲を隠しきれない視線。
実は彼はずっと前から知っていた。
俺が、
自分の運命の番かもしれないΩだということを。
だからこそ距離を取っていた。
触れたら、もう止まれなくなるから。
だけど同室生活の中で、
少しずつ、確実に距離は変わっていく。
塩対応の裏に隠されていたのは――
重すぎるほどの独占欲だった。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています
* ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました!
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
本編、完結済です。
魔法学校編、はじめました!
リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。
リトとジゼの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。
読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。校正も自力です!(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる