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1話 ルカの事情
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ばふんっと乾いた音を立てて、ルカはベッドに倒れ込んだ。
ブーツは行儀悪く絨毯が敷き詰められた床に放り出す。革の手袋もごそごそと脱ぐと、手足が自由で軽くなった気がする。
服の汚れなど知らない、死にはしないさと外套を脱ぐこともせずに柔らかい布団に頬を擦り寄せた。くるりと巻いたまつ毛がシーツで押さえつけられるが気にしない。
もしここが祖国の城だったとしても、絶対に誰にも見せることのできない姿だ。
「魔術師いないのかなここ……建物の中まで寒いなんて……」
案内されたこの部屋はとても暖かい。
大きな暖炉の中でパチパチと火が焚かれているおかげだ。
だがついさっきまで、銀世界の外はもちろん、城内も極寒の中歩かなければならなかった。
魔術師がいれば城内を適温に保てるはずだ。ここまで寒いということは、この城に魔術師はいないのだろう。
かじかんだ指先に、じんわりと血液が通っていくのを感じてルカは大きく息を吐く。
「ううー! 出鼻を完全に挫かれたっ! シロクマに……!」
人心地ついた一人きりの部屋で、ルカはベッドを拳で叩きつけた。
ルカの祖国であるフィオレンテ王国から嫁ぎ先であるウルスス帝国に着くまでに、三回は日の出を見る必要がある。
今いるこの城は広大なウルスス帝国の中でも辺境の地で、国に入ってから更に二回の日の出を見ることになった。
「なんで皇子なのにこんな辺境にいるんだ!」
と文句を言いたかったほどだ。
だが魔物に睨みを利かせるため、皇子を魔物の巣窟の近くに配置していると言われたら仕方がない。
ウルスス帝国は圧倒的な武力で国土を広げた国だ。皇族が危険地帯にいかないなんて、示しがつかないのだろう。
(それならそうと国に来る前に教えて欲しかったけどな! 全く、こっちが小国だと思って適当に扱いやがって……っ文句を言えないのが悔しい!)
そういうわけで、とにかくルカは疲れている。というのに、だ。
城門ではシロクマに出迎えられた上、結婚相手のグンナルは結局城の中でもシロクマだった。
そして最初の会話以降ずっと無言だった。
二足歩行で歩く巨大なシロクマに理性があると知っていても、隣にいられたら恐怖以外の何者でもない。
「獣人って獣になれる人間なんじゃなくて獣の状態が普通で、たまに人間っていう種族なのか?」
などと思っていたが、部屋がまだ準備できてないから客室へと、今の部屋に案内されれば話が変わってくる。
この結婚は随分前から決まっていたのに、城主の伴侶の部屋が用意されていないことがあるだろうか。
もしかしたらグンナルはこの結婚を嫌がっていて、シロクマでいるのは威圧なのではないかとルカは疑っている。
ルカのことを「ビアンカ王女」と呼んだのも、知っているのにわざとやったのかもしれない。
あれが「政略結婚だから仕方がないが、男となんか結婚したくない」という意思表示だったとしたら、グンナルの態度も納得がいく。
シロクマが「困惑した表情」をしたと思ったのは、ルカの勘違いだったということだ。
「俺は国を守ってもらうためにここに来たのに……っ! 嫌がられてたら困る!」
ベッドの上で癖のある濃い茶髪をぐちゃぐちゃと掻き毟りながら、ルカはここに至るまでの成り行きを思い出す。
そもそもどうして王子のルカがウルスス帝国に嫁入り……いや、婿入りすることになったのか。
グンナルには「妹のビアンカが病弱だから」と言ったが違う。
本当は「妹のビアンカが頑なに寒国のクマ獣人に嫁ぐのを嫌がったから」だ。
父であるフィオレンテ国王が結婚の話をした時、国中にビアンカの声が響き渡っていたに違いない。
「ぜーったいに嫌! クマよ!? 想像するだけで怖いわ! それに寒い国なんて私、絶対に生きていけない!」
恐ろしい剣幕で捲し立てるビアンカを見たらクマ獣人の方が逃げ出すに違いない。
あの時のルカはそう思った。
さらにビアンカはその場にいたルカに抱きつき、上目遣いで訴えてきたのだ。
「ルカお兄様! なんとかして!」
四人兄妹の末っ子で、たった一人の王女である可愛いビアンカ。
幼少期は本当に病弱で今にも儚くなりそうで、王も王妃もルカを含む兄たちもそれはそれは甘やかした。
成長につれて体調も安定し健康そのものになってもそれは変わらない。
まさに蝶よ花よと育ったのだ。
そして、世界が自分中心に回るかのような、意志の強い王女が爆誕してしまった。
まずいとはわかっている。
わかってはいるが、可愛い妹に逆らえない。
ビアンカという我儘王女を生み出した責任の一端を担うルカは、父に提案した。
「俺も丁度いい年だし、代わりに結婚するのはどうだ?」
これはルカがただビアンカを甘やかして、というだけの話ではない。
一応、考えがあった。
ウルスス帝国はクマ獣人が治める国だ。
皇族もクマ獣人ばかりで、それをビアンカは怖がっている。
だがまぁ、それはともかく、だ。
フィオレンテ王国という常春の過ごしやすい環境で育ったビアンカが、寒冷地で耐えられるのかが心配だったのが一点。
もう一点は、気の強い妹を嫁にやることが果たして大国との友好の証になるのか、という懸念だ。
ウルスス帝国は大国である。
小国のフィオレンテ王国は、庇護を受けるためにウルスス帝国と同盟を結んだ。
その証として皇子と王女を政略結婚させようというのだ。
それなのに、ビアンカがあちらで我儘を炸裂させて関係を悪化させたら元も子もない。
「家の繋がりのためだけなら、同性婚だってよくあることだしさ」
ビアンカのいない場所で話し合った時、父はルカに対して申し訳なさそうに、しかしホッとした顔で頷いた。
実は父も同じことを心配していたのだ。
結婚相手は皇太子ではなかったため、王子のルカでもなんとかなるかもしれない。
ビアンカは病弱ということにしてウルスス帝国に掛け合った。
結果は見ての通りだ。
ウルスス帝国第五皇子のグンナルと、フィオレンテ王国第三王子のルカが結婚することになったのだ。
なったはずなのだ。
しかし、グンナルは結婚相手が王子のルカに変わっていることを知らなかった。
少なくともルカにはそう言っている。
そしてグンナルは、
「帝都に確認する。ルカ王子は部屋で休んでいてくれ」
と素っ気なく告げたかと思うと、ルカが案内されるのとは反対側の塔へ行ってしまった。
おそらく執務室がある塔なのだろう。
帝都への確認というのが本当なのか嘘なのかはさておき。
グンナルがルカを受け入れてくれなかった時のことを考えると、ルカは気が重かった。
「夫婦関係はともかく、人としては気に入ってもらわないとまずい……!」
祖国を守ってもらわねばならないのだ。できる限り友好な関係を築きたい。
それでなくとも、男同士とはいえ一生共に過ごすのだ。
ルカは唸りながらゴロンと仰向けになる。
窓の外と同じく真っ白な天井を見て、ここは他国の城なのだと実感する。
改めて見ると、この部屋は来客用だというのに飾り気がない。
お国柄なのか煉瓦造りの暖炉以外の壁は全て白く、カーペットもカーテンも灰色一色だ。
色とりどりに趣向を凝らした壁紙やカーテン、天井まで華やかだったルカの国の城とは大違いである。
それは少し寂しさも感じたが、落ち着く空間だとも感じて、ルカは大きく息を吐いた。体からスーッと力が抜けていく。
「でも本当にビアンカじゃなくて良かったぁ。シロクマに出迎えられたら、あいつ発狂してるって……部屋も、もっとかわいく……とか……」
どんどん瞼が重くなり、身体がベッドに吸い付いていくようだ。頭もぼんやりと心地よくなっていく。
(ダメだ……このまま寝たら、誰か来た時にびっくりする……)
外套を着たままベッドに身を投げ出している状態を、帝国の人たちに見られるわけにはいかない。
自分は国の代表でここに来たのだからしゃんとしなければ。
結婚とはいえ相手に舐められてはいけないのだ。
ルカは気合を入れて起き上がる。
しかし動けない。再び扉の方へ頭を向けて、パタンと仰向けに倒れてしまった。
ブーツは行儀悪く絨毯が敷き詰められた床に放り出す。革の手袋もごそごそと脱ぐと、手足が自由で軽くなった気がする。
服の汚れなど知らない、死にはしないさと外套を脱ぐこともせずに柔らかい布団に頬を擦り寄せた。くるりと巻いたまつ毛がシーツで押さえつけられるが気にしない。
もしここが祖国の城だったとしても、絶対に誰にも見せることのできない姿だ。
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人心地ついた一人きりの部屋で、ルカはベッドを拳で叩きつけた。
ルカの祖国であるフィオレンテ王国から嫁ぎ先であるウルスス帝国に着くまでに、三回は日の出を見る必要がある。
今いるこの城は広大なウルスス帝国の中でも辺境の地で、国に入ってから更に二回の日の出を見ることになった。
「なんで皇子なのにこんな辺境にいるんだ!」
と文句を言いたかったほどだ。
だが魔物に睨みを利かせるため、皇子を魔物の巣窟の近くに配置していると言われたら仕方がない。
ウルスス帝国は圧倒的な武力で国土を広げた国だ。皇族が危険地帯にいかないなんて、示しがつかないのだろう。
(それならそうと国に来る前に教えて欲しかったけどな! 全く、こっちが小国だと思って適当に扱いやがって……っ文句を言えないのが悔しい!)
そういうわけで、とにかくルカは疲れている。というのに、だ。
城門ではシロクマに出迎えられた上、結婚相手のグンナルは結局城の中でもシロクマだった。
そして最初の会話以降ずっと無言だった。
二足歩行で歩く巨大なシロクマに理性があると知っていても、隣にいられたら恐怖以外の何者でもない。
「獣人って獣になれる人間なんじゃなくて獣の状態が普通で、たまに人間っていう種族なのか?」
などと思っていたが、部屋がまだ準備できてないから客室へと、今の部屋に案内されれば話が変わってくる。
この結婚は随分前から決まっていたのに、城主の伴侶の部屋が用意されていないことがあるだろうか。
もしかしたらグンナルはこの結婚を嫌がっていて、シロクマでいるのは威圧なのではないかとルカは疑っている。
ルカのことを「ビアンカ王女」と呼んだのも、知っているのにわざとやったのかもしれない。
あれが「政略結婚だから仕方がないが、男となんか結婚したくない」という意思表示だったとしたら、グンナルの態度も納得がいく。
シロクマが「困惑した表情」をしたと思ったのは、ルカの勘違いだったということだ。
「俺は国を守ってもらうためにここに来たのに……っ! 嫌がられてたら困る!」
ベッドの上で癖のある濃い茶髪をぐちゃぐちゃと掻き毟りながら、ルカはここに至るまでの成り行きを思い出す。
そもそもどうして王子のルカがウルスス帝国に嫁入り……いや、婿入りすることになったのか。
グンナルには「妹のビアンカが病弱だから」と言ったが違う。
本当は「妹のビアンカが頑なに寒国のクマ獣人に嫁ぐのを嫌がったから」だ。
父であるフィオレンテ国王が結婚の話をした時、国中にビアンカの声が響き渡っていたに違いない。
「ぜーったいに嫌! クマよ!? 想像するだけで怖いわ! それに寒い国なんて私、絶対に生きていけない!」
恐ろしい剣幕で捲し立てるビアンカを見たらクマ獣人の方が逃げ出すに違いない。
あの時のルカはそう思った。
さらにビアンカはその場にいたルカに抱きつき、上目遣いで訴えてきたのだ。
「ルカお兄様! なんとかして!」
四人兄妹の末っ子で、たった一人の王女である可愛いビアンカ。
幼少期は本当に病弱で今にも儚くなりそうで、王も王妃もルカを含む兄たちもそれはそれは甘やかした。
成長につれて体調も安定し健康そのものになってもそれは変わらない。
まさに蝶よ花よと育ったのだ。
そして、世界が自分中心に回るかのような、意志の強い王女が爆誕してしまった。
まずいとはわかっている。
わかってはいるが、可愛い妹に逆らえない。
ビアンカという我儘王女を生み出した責任の一端を担うルカは、父に提案した。
「俺も丁度いい年だし、代わりに結婚するのはどうだ?」
これはルカがただビアンカを甘やかして、というだけの話ではない。
一応、考えがあった。
ウルスス帝国はクマ獣人が治める国だ。
皇族もクマ獣人ばかりで、それをビアンカは怖がっている。
だがまぁ、それはともかく、だ。
フィオレンテ王国という常春の過ごしやすい環境で育ったビアンカが、寒冷地で耐えられるのかが心配だったのが一点。
もう一点は、気の強い妹を嫁にやることが果たして大国との友好の証になるのか、という懸念だ。
ウルスス帝国は大国である。
小国のフィオレンテ王国は、庇護を受けるためにウルスス帝国と同盟を結んだ。
その証として皇子と王女を政略結婚させようというのだ。
それなのに、ビアンカがあちらで我儘を炸裂させて関係を悪化させたら元も子もない。
「家の繋がりのためだけなら、同性婚だってよくあることだしさ」
ビアンカのいない場所で話し合った時、父はルカに対して申し訳なさそうに、しかしホッとした顔で頷いた。
実は父も同じことを心配していたのだ。
結婚相手は皇太子ではなかったため、王子のルカでもなんとかなるかもしれない。
ビアンカは病弱ということにしてウルスス帝国に掛け合った。
結果は見ての通りだ。
ウルスス帝国第五皇子のグンナルと、フィオレンテ王国第三王子のルカが結婚することになったのだ。
なったはずなのだ。
しかし、グンナルは結婚相手が王子のルカに変わっていることを知らなかった。
少なくともルカにはそう言っている。
そしてグンナルは、
「帝都に確認する。ルカ王子は部屋で休んでいてくれ」
と素っ気なく告げたかと思うと、ルカが案内されるのとは反対側の塔へ行ってしまった。
おそらく執務室がある塔なのだろう。
帝都への確認というのが本当なのか嘘なのかはさておき。
グンナルがルカを受け入れてくれなかった時のことを考えると、ルカは気が重かった。
「夫婦関係はともかく、人としては気に入ってもらわないとまずい……!」
祖国を守ってもらわねばならないのだ。できる限り友好な関係を築きたい。
それでなくとも、男同士とはいえ一生共に過ごすのだ。
ルカは唸りながらゴロンと仰向けになる。
窓の外と同じく真っ白な天井を見て、ここは他国の城なのだと実感する。
改めて見ると、この部屋は来客用だというのに飾り気がない。
お国柄なのか煉瓦造りの暖炉以外の壁は全て白く、カーペットもカーテンも灰色一色だ。
色とりどりに趣向を凝らした壁紙やカーテン、天井まで華やかだったルカの国の城とは大違いである。
それは少し寂しさも感じたが、落ち着く空間だとも感じて、ルカは大きく息を吐いた。体からスーッと力が抜けていく。
「でも本当にビアンカじゃなくて良かったぁ。シロクマに出迎えられたら、あいつ発狂してるって……部屋も、もっとかわいく……とか……」
どんどん瞼が重くなり、身体がベッドに吸い付いていくようだ。頭もぼんやりと心地よくなっていく。
(ダメだ……このまま寝たら、誰か来た時にびっくりする……)
外套を着たままベッドに身を投げ出している状態を、帝国の人たちに見られるわけにはいかない。
自分は国の代表でここに来たのだからしゃんとしなければ。
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第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。
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名前が * ゆるゆ になりました。
これからもどうぞよろしくお願い致します!
表紙や動画はAIを使用していますが、文章にはAIを一切使用しておりません。校正も自力です!(笑)
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