子持ち専業主婦のアラサー腐女子が異世界でチートイケメン貴族になって元の世界に戻るために青春を謳歌する話

虎ノ威きよひ

文字の大きさ
66 / 134
第二章

『ルース・コロニラ』

しおりを挟む
 主な登場人物

 主人公の「ルース王子」
 婚約者の「隣の国の王女」
 王子の幼なじみで親友の「魔術師」
 王国最強の男、「剣の騎士」
 忠誠心篤い若き騎士団長、「盾の騎士」
 明晰な頭脳で王子を生涯導くことになる「賢者」
 そして、副題にもある「魔族の王」
 
 あらすじ

 昔々ある国に、優しくて賢い王子さまが住んでいました。
 隣の国の美しい王女さまとは婚約者同士です。
 ある嵐の日、王女さまが魔王に連れ去られてしまいました。
 王子さまは王女さまを助けるために、魔王の住む鬼ヶし……魔王の城のある山に向かいます。

 王子さまのお供は3人。
 魔術師と剣の騎士と盾の騎士です。
 3人はとても強いので、王子さまは安心です。

 道中、森に住んでいた賢者さまも仲間になってくれました。
 山を越え谷を越え海を渡り、雨の中風の中、数々の困難を乗り越えて魔王の城までやってきました。

 城の扉を開いたその時です。
 盾の騎士が賢者の背中を切りつけました!
 なんと、盾の騎士は魔王の手先だったのです!

 すぐに剣の騎士が応戦しましたが、盾の騎士は賢者の怪我を治そうとした魔術師を攫って魔王の城に逃げていきました。
 王子さまたちは慌てて追いかけます。

 城の中にはたくさんの魔族たちがいて、王子さまたちを襲います。

 しかし、剣の騎士は最強です。
 賢者を負ぶった王子を守ってどんどん魔族を倒していきます。

 ようやく、魔王の部屋にやってきました。
 そこにいたのは盾の騎士と、連れ去られた魔術師と、檻に入れられた王女さま。

「魔王はどこだ?」

 王子さまが呟くのとほぼ同時に、お城に雷が落ちてきました。
 大きな音と強い光にみんな目を閉ざします。
 そして次に目を開いた時。
 魔術師が魔王の姿になっていたのです!

 魔王は言いました。

「王子よ、貴様とのお友達ごっこもここまでだ! この国を魔族の国に変えてやる!」

 王子さまはショックで動けません。
 魔術師は、小さい頃からずっとずっと一緒にいた、王子さまの1番のお友達だったのですから。

 しかし魔王は待ってはくれません。
 盾の騎士に命令をして攻撃してきます。
 剣の騎士が盾の騎士の剣を受けました。
 王子におんぶされていた賢者が小さな声で言いました。

「王子、お気持ちは分かりますが、あなたに悲しむ暇はございません。私が王女を助けます。あなたは魔王を倒してください」

 魔王の力を少しの間だけ無力化する薬を王子に渡します。
 王子は薬を懐に入れ、腰の剣を抜きました。
 王子は善戦しますが、魔王の圧倒的な力に追い詰められてしまいます。

 もうダメだ!

 そう思ったその時、剣の騎士と戦っていたはずの盾の騎士が魔王と王子の間に立ちはだかります。

 魔王の刃は盾の騎士を貫きました。

 王子と魔王が驚いている隙に、剣の騎士は後ろから魔王を切りつけます。

 魔王は倒れ、傷をすぐに回復しようとしましたが、王子は賢者から貰った薬をふりかけそれを阻止しました。
 痛みに苦しみながら魔王は言います。

「私はまたこの地に生まれ、貴様の子孫を根絶やしにしてやる」

 呪いの言葉を聞いて王子は言いました。

「その時にはまた、私の子孫はお前を殺すだろう」

 王子の剣が魔王の胸を貫くと、砂のように消えていってしまいました。

 戦いが終わった後、賢者に檻から出してもらった王女が王子のところへやってきて、抱きしめあってめでたしめでたし。
 

 いやめでたくねぇよ。
 親友をなくした王子の気持ちは?
 盾の騎士どうなった??
 賢者の背中の傷はどうした??
 
 と、思うでしょう。
 その他ツッコミどころ満載。
 なんで魔王は王女攫ったんよ。とか。

 でも伝承なんてこんなもんで。
 そこを埋めるのが作家の想像力の見せどころだった。

 例えば、盾の騎士は魔王に洗脳されてたパターンと自分の意志パターンがある。
 それによって台詞とか剣の騎士との関係性も変わる。どちらにせよ最後は剣の騎士に自分の盾を預けて99%死んでしまうんだけども。

 今回の演劇でもそうだった。
 仲間が死んだ方が物語が盛りあがるからだろうか。
 ラナージュはこの辺りから泣いている気配があった。

 しかし今回の劇の泣きどころはそのあと、魔王が消えるシーンだ。
 通常、この物語の魔王は「なんでかわからんけどとにかく人類を滅ぼしたくて世界征服したい」タイプの悪役である。

 が、この劇では王子との友情を相当重視していた。
 魔王の最後の言葉は呪いの言葉ではなく。

「私のいない世界で、お前は世界一の王になれ」

 と伝え、王子の剣を握って自分で胸を貫き消えていく。

「魔王が消えると魔族も消えます。魔王は王子の治世で魔族が暗躍しないために消えることを選んだのです」

 と賢者が王子に伝え、王子は涙を堪えて立ち上がる。
 場面切り替えで数年後に戴冠式をして幕。
 
 魔族はとにかく忌み嫌われているので、この手の終わりはありそうでなかった。
 おそらくこの世界の人には斬新だったはず。
 受け入れられるかは謎だが隣でラナージュが号泣しているところを見ると大丈夫なのだろう。
 
 あとは演技力がものを言ったなー!
 アクションも迫力があったし顔が良かったし声は良かったし楽しかったー!
 
 いやそれにしても隣の子は泣きすぎだ。
 そろそろ会場を出たいんですけども。
 
 私はラナージュの背中を摩りながら振り返っていく周りの人たちにニコニコする係になっていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?

浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。 「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」 ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...