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出会ってびっくり
イチャイチャ※
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情炎の燃える赤い瞳を改めて近くで見ると、これ以上何をされるのかと身がすくむ。
まるで肉食獣に狩られる草食獣だ、と内心で自嘲しながら観念して目を閉じた。
そして、されるがままにただ嗚咽を漏らす唇に柔らかい口付けが落とされる。
「大好きなんだ」
いつもの優しく静かな声が囁いた。
「ぁ……」
身を固くしていたタイガの口からは、力の抜けた音がでた。
タイガは目を開くと、元気をなくしていた両手を持ち上げ、ラビの薄く色付いた頬をぱちんと挟む。
鼻を啜りながら口を開いた。
「このっあほぼけぇ……っ言うん遅いわ! まずそれやろ! どう考えてもそれを一番初めに言わなあかんかったやろ!! 何が後ろでイッたらや! 俺がイけへんかったらどうするつも」
安堵から止まらなくなった言葉は、途中で熱い唇に遮られる。
怒っている最中だったにも関わらず、タイガはしっかりとラビを感じるために目を伏せ、腕を首に絡めた。
唇を啄みながら、ラビは合間に答えた。
「そしたらイくまでやるだけだった」
本気そのものの強い瞳と声にタイガの胸は高く鳴る。
腹部に熱が溜まるのを感じながらも、タイガはキスを止めて顔を離す。
そして笑いながら呆れた声を出した。
「俺の、拒否権どこいった……」
「拒否?」
「そんな顔せんでええ」
強気の態度を見せていたくせに、単語ひとつで眉を下げて自信が揺らぐ様子を見せたラビの後頭部を撫でる。
「俺も好きやで、うさちゃん」
頭を浮かせて、自らキスをする。
ラビのほんのり染まった頬の色が、濃くなった。
嬉しそうに口付けを返し、閉じるのを忘れた赤い瞳が輝く。
つられてタイガも目を開け、これ以上ない近距離でぼやけた色を愛おしげに見つめ合う。
「……っ! なんかデカなった気が」
ずっと胎内に入ったままだったラビのモノの異変に、タイガが息を飲んだ。
「タイガ、かわいいから」
「アッ! やぁあっ」
言葉を受けたラビが欲望を奥にグイと押しつける。それだけでタイガは軽い絶頂を迎えた。ラビの筋肉質な白い背中に、長めの爪が食い込む。
しかしそんな痛みすらラビを煽り、そのまま腰を振って振動を与えてきた。
「タイガ、すごいな? そんなにイって大丈夫か?」
「誰のせいや誰のぉ……! もぅ動かんといて……体がおかしぃっひゃぁっ」
「無理、だろ」
しがみつくように抱きしめて、想いを確認し合う前よりも甘い啼き声を上げるタイガ。余裕のないラビの掠れた声を聞くと、自然と胸が熱くなり腰が揺れる。
「あっあっ……! またイクぅ……前、触らせてぇ」
「触らなくても、さっきからずっとイけてるだろ?」
片腕を解いて肩を押すが、離れてくれずに自身に触れることが出来ない。
腕を体で抑えられたまま、耳の付け根を唇で喰み強く吸われた。
「んぅ、いけず……! こんな、雌みたいなぁっ……んぁああ!」
「っ、雌になってくれ。オレの」
自分では何度達したかもう分からない状態で、ナカを休みなく抉られる。しかしそれで昇り詰めることを学習した体の熱は収まることは無かった。まさに、雌のように。
「なんや、それぇ……っ」
快楽の涙でぐちゃぐちゃになった蕩けた表情と声で、なんとか舌を回すタイガの頬を指先が拭う。
「オレ、初めて雌と長くいるとマズいって言ってた人たちの気持ちが分かった。タイガを見てるだけで、体が熱くなるんだ」
頭の片隅で、兎獣人の雄が雌と同じ空間にいることで発情することがあることを思い出す。
ラビにとってタイガは、そういった対象になっているということだ。
雄としてのプライドと、好いた相手に本能レベルで求められている喜びがタイガの中で鬩ぎ合う。
「あ、んゥ、……! そんなん、うそや、……っ、」
しかし、それも一瞬のことだった。
一度の交わりで、すでにタイガの良いところを覚えたラビの動きに翻弄されて、見栄など打ち砕かれている。
「ッァアっ……、ソコっ」
「ココ?」
「ひぁあああ!」
頭が痛くなるほどの快楽の波に溺れながら、タイガはラビの腰に脚を巻き付け更に深く繋がろうとする。
「もぉ……俺ばっか……! お前は、どうなん? 気持ち、ええ?」
意図的に腹部に力を入れると、ナカのものが締め付けられてラビが眉根を寄せた。
「っ、気持ち、いい……っイきそう」
「っん、イッて……!」
一際強く最奥を突かれ、熱を受け止めたとき。
多幸感と共にタイガの目の前が真っ白になった。
まるで肉食獣に狩られる草食獣だ、と内心で自嘲しながら観念して目を閉じた。
そして、されるがままにただ嗚咽を漏らす唇に柔らかい口付けが落とされる。
「大好きなんだ」
いつもの優しく静かな声が囁いた。
「ぁ……」
身を固くしていたタイガの口からは、力の抜けた音がでた。
タイガは目を開くと、元気をなくしていた両手を持ち上げ、ラビの薄く色付いた頬をぱちんと挟む。
鼻を啜りながら口を開いた。
「このっあほぼけぇ……っ言うん遅いわ! まずそれやろ! どう考えてもそれを一番初めに言わなあかんかったやろ!! 何が後ろでイッたらや! 俺がイけへんかったらどうするつも」
安堵から止まらなくなった言葉は、途中で熱い唇に遮られる。
怒っている最中だったにも関わらず、タイガはしっかりとラビを感じるために目を伏せ、腕を首に絡めた。
唇を啄みながら、ラビは合間に答えた。
「そしたらイくまでやるだけだった」
本気そのものの強い瞳と声にタイガの胸は高く鳴る。
腹部に熱が溜まるのを感じながらも、タイガはキスを止めて顔を離す。
そして笑いながら呆れた声を出した。
「俺の、拒否権どこいった……」
「拒否?」
「そんな顔せんでええ」
強気の態度を見せていたくせに、単語ひとつで眉を下げて自信が揺らぐ様子を見せたラビの後頭部を撫でる。
「俺も好きやで、うさちゃん」
頭を浮かせて、自らキスをする。
ラビのほんのり染まった頬の色が、濃くなった。
嬉しそうに口付けを返し、閉じるのを忘れた赤い瞳が輝く。
つられてタイガも目を開け、これ以上ない近距離でぼやけた色を愛おしげに見つめ合う。
「……っ! なんかデカなった気が」
ずっと胎内に入ったままだったラビのモノの異変に、タイガが息を飲んだ。
「タイガ、かわいいから」
「アッ! やぁあっ」
言葉を受けたラビが欲望を奥にグイと押しつける。それだけでタイガは軽い絶頂を迎えた。ラビの筋肉質な白い背中に、長めの爪が食い込む。
しかしそんな痛みすらラビを煽り、そのまま腰を振って振動を与えてきた。
「タイガ、すごいな? そんなにイって大丈夫か?」
「誰のせいや誰のぉ……! もぅ動かんといて……体がおかしぃっひゃぁっ」
「無理、だろ」
しがみつくように抱きしめて、想いを確認し合う前よりも甘い啼き声を上げるタイガ。余裕のないラビの掠れた声を聞くと、自然と胸が熱くなり腰が揺れる。
「あっあっ……! またイクぅ……前、触らせてぇ」
「触らなくても、さっきからずっとイけてるだろ?」
片腕を解いて肩を押すが、離れてくれずに自身に触れることが出来ない。
腕を体で抑えられたまま、耳の付け根を唇で喰み強く吸われた。
「んぅ、いけず……! こんな、雌みたいなぁっ……んぁああ!」
「っ、雌になってくれ。オレの」
自分では何度達したかもう分からない状態で、ナカを休みなく抉られる。しかしそれで昇り詰めることを学習した体の熱は収まることは無かった。まさに、雌のように。
「なんや、それぇ……っ」
快楽の涙でぐちゃぐちゃになった蕩けた表情と声で、なんとか舌を回すタイガの頬を指先が拭う。
「オレ、初めて雌と長くいるとマズいって言ってた人たちの気持ちが分かった。タイガを見てるだけで、体が熱くなるんだ」
頭の片隅で、兎獣人の雄が雌と同じ空間にいることで発情することがあることを思い出す。
ラビにとってタイガは、そういった対象になっているということだ。
雄としてのプライドと、好いた相手に本能レベルで求められている喜びがタイガの中で鬩ぎ合う。
「あ、んゥ、……! そんなん、うそや、……っ、」
しかし、それも一瞬のことだった。
一度の交わりで、すでにタイガの良いところを覚えたラビの動きに翻弄されて、見栄など打ち砕かれている。
「ッァアっ……、ソコっ」
「ココ?」
「ひぁあああ!」
頭が痛くなるほどの快楽の波に溺れながら、タイガはラビの腰に脚を巻き付け更に深く繋がろうとする。
「もぉ……俺ばっか……! お前は、どうなん? 気持ち、ええ?」
意図的に腹部に力を入れると、ナカのものが締め付けられてラビが眉根を寄せた。
「っ、気持ち、いい……っイきそう」
「っん、イッて……!」
一際強く最奥を突かれ、熱を受け止めたとき。
多幸感と共にタイガの目の前が真っ白になった。
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