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1章 出会い
2話 介抱
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「ッ!」
痛みで目が覚めた。どうやら、今僕は洞窟のような場所にいるらしい。
確か、ぼくは崖から足を滑らせて落ちたから...
「誰かが介抱してくれたのだろうか?」
そう思わざるをえなかった。
足を動かすと、痛みが走った。そこで、僕は足の状態に気づいた。
包帯――どうやら葉にぬるぬるとした液体がついたもの――が足についていた。
不意に周りを見てみると、どうやらここは薄暗い不気味な暗さを持った洞窟だと分かった。
「誰かいますかー・・・?」
僕のことを介抱してくれた人がいると思ったから、小さな声、だが十分に洞窟内に聞こえるような声で呼びかけてみた。
返事はない。静寂にこだまする僕の声が聞こえるだけだ。
正直、すでに僕の好奇心は止まらなかった。この洞窟がまずどんなものなのか、外から調べてみたかったのだ。
ただし、一つだけ気がかりがあった。
こんなところで、そして1人でいて自給自足などできるのだろうか。
だが、その疑問は僕を止めるには至らなかった。
「痛ッ!」
立とうとした僕の足に、激痛が走った。
仕様がないから、引きずっていこう。壁に手をついて、今いる洞窟の出口へ向かった。
かなり移動したはずなのに、まだ出口につかない。出口は目と鼻の先にあるのに、まるで引き戻されているようだ。
いま、加護の力は使えない。さきほど、ベルの実を獲りに行くのに使ってしまったからだ。
もうすこしだけ、歩いてみよう。歩いてもつかないようであれば、諦めて別の方法を探そう。
そう思いつつ、足取りを一歩、一歩と進めていた僕の背後から、聞いたことのないような深い声が響いた。
「少年よ、どこへ行く。」
不気味だった。とてもそれが人間のあるべき声だとは、思えなかったからである。
振り向きたい衝動と同時に、振り向きたくない、という恐怖の感情が芽生えていた。
だが、やはり好奇心があった。
――そこには、強大な巨躯の、そして1つ目の独眼鬼がいた。
痛みで目が覚めた。どうやら、今僕は洞窟のような場所にいるらしい。
確か、ぼくは崖から足を滑らせて落ちたから...
「誰かが介抱してくれたのだろうか?」
そう思わざるをえなかった。
足を動かすと、痛みが走った。そこで、僕は足の状態に気づいた。
包帯――どうやら葉にぬるぬるとした液体がついたもの――が足についていた。
不意に周りを見てみると、どうやらここは薄暗い不気味な暗さを持った洞窟だと分かった。
「誰かいますかー・・・?」
僕のことを介抱してくれた人がいると思ったから、小さな声、だが十分に洞窟内に聞こえるような声で呼びかけてみた。
返事はない。静寂にこだまする僕の声が聞こえるだけだ。
正直、すでに僕の好奇心は止まらなかった。この洞窟がまずどんなものなのか、外から調べてみたかったのだ。
ただし、一つだけ気がかりがあった。
こんなところで、そして1人でいて自給自足などできるのだろうか。
だが、その疑問は僕を止めるには至らなかった。
「痛ッ!」
立とうとした僕の足に、激痛が走った。
仕様がないから、引きずっていこう。壁に手をついて、今いる洞窟の出口へ向かった。
かなり移動したはずなのに、まだ出口につかない。出口は目と鼻の先にあるのに、まるで引き戻されているようだ。
いま、加護の力は使えない。さきほど、ベルの実を獲りに行くのに使ってしまったからだ。
もうすこしだけ、歩いてみよう。歩いてもつかないようであれば、諦めて別の方法を探そう。
そう思いつつ、足取りを一歩、一歩と進めていた僕の背後から、聞いたことのないような深い声が響いた。
「少年よ、どこへ行く。」
不気味だった。とてもそれが人間のあるべき声だとは、思えなかったからである。
振り向きたい衝動と同時に、振り向きたくない、という恐怖の感情が芽生えていた。
だが、やはり好奇心があった。
――そこには、強大な巨躯の、そして1つ目の独眼鬼がいた。
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