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1章 出会い
3話 人と化モノ
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「(どうしてこんなところに独眼鬼がいるんだ!)」
以前見た本のなかに、サイクロプスという独眼の鬼について記してあったのを見たことが有る。
村の大人たちは、口を揃えてこういう。
「モンスターを見たら逃げろ。」
これは、絶対であり、小さい頃から村にいるすべての人間が聞かされていることである。
逃げ切れないで帰れる人となった人がいることも、僕は知っている。
そもそも、【疾風の加護】でさえ希少なのだ。この村にこんな強いモンスターを戦える戦力がいるはずもなく。
ぼくは、無我夢中で必死に立ち上がり、確かな痛みを感じながら、逃げた。
そんな僕に、
「待ってくれ少年!話がしたいんだ!」
という独眼鬼の叫び声であろう声は、気に余裕がなかった僕には届かなかった。
ここはどこだろう。まるで迷路のように入り組んでいる。
というかなんで独眼鬼が喋ってるんだろうか?そんなこと聞いたことが無い。
さきほど、独眼鬼に殺されると、いや、確実に殺すだろうと思って逃げようとした時に、1つの事象を思い出した。
――外へは出れない。
とっさのことだったがどうにか頭が働いていた。
幸い、洞窟内にも穴が2つあったので、ここまで逃げれたのだが。
さて・・・どうしたものか。
無我夢中にここまで走ってきたせいで、ここがどこだかさっぱりわからない。
なんとか独眼鬼は撒いたようだった。
今立っているのは広い空間だ。恐らく、人が50人は入れるだろう大きさを持っている。
ここは一体なにに使うところなんだろうか。
そんな僕の考えに反応するかのように、奥の置物の近くにある、両端のろうそくに、灯火がついた。
「汝。汝よ。聞き入れ給え。」
どこから声が聞こえているんだ!?
この不思議な事象に、僕は好奇心を向けるのを遮れない。
同時に、見えないものへの恐怖も感じていた。
「な・・・なんですか?」
「汝は、獣や化モノとの交流を望む者か。」
化物・・・つまりモンスターと交流を望むか、ということだろうか。
獣はそのままの意味と捉えていいだろう。
「モンスターとの交流・・・ですか?」
「そうだ。汝は120年まえの人間と化モノの関係性を知っているか。」
「関係・・・性?」
きっと粗悪だっただろう。いまもこうして、害を与える存在なのだ。
昔から、関係はひどかった。そう思っているはずなのに、奥の置物から聞こえてくるであろう言葉に考えさせられる。
「汝の考え、それは人すべての思想であるか。」
「・・・へ?」
考えを読まれているようだ。これでは嘘をついても意味が無いだろう。
「そう・・・ですね。人は、僕が生まれる前からモンスターから害を与えられている存在だと、いつもきかされています。
僕自身も、モンスターから害しか受けたことがありません。そのせいで、大切な人を失ったことも・・・あります。」
「そうか。それは済まなかった。私から、化モノ達を代表して謝罪しよう。すまない。」
謝罪・・・か。いまさらだなぁ。
「本当にすまない。遺憾に思う。そして汝に、すこし話を聞いてもらいたい。」
「話・・・?」
「そうだ。これは・・・数百年前の、人と化モノの、関係性、いや、
――友好的だったときの話だ。」
以前見た本のなかに、サイクロプスという独眼の鬼について記してあったのを見たことが有る。
村の大人たちは、口を揃えてこういう。
「モンスターを見たら逃げろ。」
これは、絶対であり、小さい頃から村にいるすべての人間が聞かされていることである。
逃げ切れないで帰れる人となった人がいることも、僕は知っている。
そもそも、【疾風の加護】でさえ希少なのだ。この村にこんな強いモンスターを戦える戦力がいるはずもなく。
ぼくは、無我夢中で必死に立ち上がり、確かな痛みを感じながら、逃げた。
そんな僕に、
「待ってくれ少年!話がしたいんだ!」
という独眼鬼の叫び声であろう声は、気に余裕がなかった僕には届かなかった。
ここはどこだろう。まるで迷路のように入り組んでいる。
というかなんで独眼鬼が喋ってるんだろうか?そんなこと聞いたことが無い。
さきほど、独眼鬼に殺されると、いや、確実に殺すだろうと思って逃げようとした時に、1つの事象を思い出した。
――外へは出れない。
とっさのことだったがどうにか頭が働いていた。
幸い、洞窟内にも穴が2つあったので、ここまで逃げれたのだが。
さて・・・どうしたものか。
無我夢中にここまで走ってきたせいで、ここがどこだかさっぱりわからない。
なんとか独眼鬼は撒いたようだった。
今立っているのは広い空間だ。恐らく、人が50人は入れるだろう大きさを持っている。
ここは一体なにに使うところなんだろうか。
そんな僕の考えに反応するかのように、奥の置物の近くにある、両端のろうそくに、灯火がついた。
「汝。汝よ。聞き入れ給え。」
どこから声が聞こえているんだ!?
この不思議な事象に、僕は好奇心を向けるのを遮れない。
同時に、見えないものへの恐怖も感じていた。
「な・・・なんですか?」
「汝は、獣や化モノとの交流を望む者か。」
化物・・・つまりモンスターと交流を望むか、ということだろうか。
獣はそのままの意味と捉えていいだろう。
「モンスターとの交流・・・ですか?」
「そうだ。汝は120年まえの人間と化モノの関係性を知っているか。」
「関係・・・性?」
きっと粗悪だっただろう。いまもこうして、害を与える存在なのだ。
昔から、関係はひどかった。そう思っているはずなのに、奥の置物から聞こえてくるであろう言葉に考えさせられる。
「汝の考え、それは人すべての思想であるか。」
「・・・へ?」
考えを読まれているようだ。これでは嘘をついても意味が無いだろう。
「そう・・・ですね。人は、僕が生まれる前からモンスターから害を与えられている存在だと、いつもきかされています。
僕自身も、モンスターから害しか受けたことがありません。そのせいで、大切な人を失ったことも・・・あります。」
「そうか。それは済まなかった。私から、化モノ達を代表して謝罪しよう。すまない。」
謝罪・・・か。いまさらだなぁ。
「本当にすまない。遺憾に思う。そして汝に、すこし話を聞いてもらいたい。」
「話・・・?」
「そうだ。これは・・・数百年前の、人と化モノの、関係性、いや、
――友好的だったときの話だ。」
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