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第20話四歳の誕生日下

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「ありがとうございます。その際は是非父上も連れて行って下さい」
  俺は何も知らない、気づいていないていで祖父におねだりをする。
 
「うむ。そうであるな……」
 祖父の語気は弱まってしまった。

「それでお爺様は、私の誕生祝いとして何を下さるのですか?」
 俺は場の空気を変えるために、そんな事を言ってみた。

「おお、そうであった。そうであった。ワシからのプレゼントと、パウル達からのプレゼントがある」

 お爺様がそう言うと大きな木箱が二つ運ばれてくる。

「ユーサーの欲しいモノが分からなかったから、王都で友人に聞いてみたんだ」

「開けても良いですか?」

「もちろんだとも……先ずはこっちから開けた方が良い」

 俺は許諾を得て先ずは父母からのプレゼントを開ける。子供の大きさでは開けるのに難儀するので、子守女中ナースメイドのシャルティーナが開けるのを補助してくれる。

「犬だ――――!!」

 中には生後数か月ほどの可愛らしい子犬が入っていおり、箱が開いたためか、尻尾をブンブンと力強く振って興奮している。
 ペットショップなどで、子犬がはしゃいでいるのを見た事があるが、ソレに類する可愛さだ。

「ワン!」

 俺は持ち上げようと手を伸ばすが、箱の底に手が届かない。よしんば手が届いたとしても、今の俺の筋力では持ち上げる事は難しい。子供と言うのはどうしても頭が大きくて、バランスが取りずらいからだ。

 頭よりも低い位置に手を差し出す。
 するとスンスンと鼻を鳴らし、手の匂いを嗅いでペロペロと指を舐めている。花束で着いた花の匂いがするのだろう。

 前世でも犬を飼っていたが、柴犬と洋犬の雑種ミックスだった。見た目はほぼ柴犬。しかし胴体がやや長く耳はペタリと折れ曲がり尻尾は巻尾でもないと言う、柴のアイデンティティを喪失した奴だった。

 比べてコイツはどうだろう? 洋犬に詳しくないが間違いなくクリーム色の短毛の犬は可愛らしい。

 まっいっか犬種なんて……異世界だし……

「名前は決まっているんですか?」

「調教師が仮の名前と言う子で、【ジョン】と名付ているが……子犬の間なら名前を変えても問題はないそうだ」

「ユーサーが育てる子で友達なのよ? 自分で名付けた方が良いと思うわ」

 ――――と母。
 流石にジョンは無いよ。失地しそうで水死体のデフォルトネームみたいな名前はペットの名前とは言え流石に遠慮したい。ユダやブルートゥス、ラスプーチン辺りも同じ理由で遠慮する。

「では強くたくましい雄犬になって欲しいので【リオン】と名付けたいと思います」

「隣国の言葉で獅子ライオンを意味する言葉だったな。犬に付けるのは少し過剰だとは思うが……良い名前だと思うぞ……」

 そう言ったのはお爺様だった。

「ありがとうございます」

「さて……ワシのプレゼントだったな。ワシからはコレだ!!」

 そう言って大きな木箱にかかった布を剥がした。
 中から現れたのは白い馬だった。

 厳密に言えば馬とポニーの違いは、血統登録による品種の分類が確立するまでは、鬐甲きっこう(両肩の間の背にある隆起部分)までの高さが、14ハンド2インチ(147㎝)以下の馬の事をポニーと呼んでいるだけだ。

「馬ですか?」

 この世界に馬とポニーの区別があるのかは分からないが、もし区別があった場合恥ずかしいので一応確認をする。

「あぁ。少し早いが乗馬の訓練用にと思ってな、鷹狩でも移動手段として、馬車や鳥車とりくるまを使わず馬を使う事が多い無論。走鳥でもいいが……やはり貴族としては馬に乗るべきだと思ってな」

「なるほどそう言う事ですか。ではこの馬で乗馬の練習をさせて頂きます。馬に名前は付いていますか?」

「あぁミークと言う」

 危ない名前だなぁ! 

 白っぽい毛の馬なら【黄金の浮沈船】とか【葦毛の怪物】、【砂のサイレン〇スズカ】、【逃げの固有継承の決定版】、【頭がデカい姉】、【パクパクですわ(言ってない)】、【濁声で背の小さい関西人】とか一杯いるのに……

「名前の通り大人しく我慢強いから、荒事には向いていないが若いのに練習用に向いている珍しい馬だそうだ」

 葦毛や白馬って言うと、どうしても気性に難があるイメージあるんだが、全ては某ソシャゲの宣伝担当のせいだろう……

「そうですか……父上の御兄弟の子供……従妹達にも馬を送られたのですか?」

「あぁココンとグラッセと言う馬を送ったな……」

 多分栗毛と鹿毛の馬なんだろうな……

「それはさぞ立派な馬何でしょう……ミークは厩舎の馬房へ、リオンは庭に面した屋敷の一室へ運んでおいてくれ」

 ――――と俺が命令を女中メイドに告げる。

「「畏まりました」」

 そう言って一人の女中メイドは子犬を抱え、一人のメイドは馬の手綱を引いてホールを後にする。
 
「流石。3歳で既に家庭教師ガヴァネスの施す教育課程を修了しているだけはあるな……ワシは初めて聞いた時は何かの冗談かと思っていたが……事実であると改めて知って自分の目と耳を疑ったモノだ」

 祖父の言葉に取り巻きの貴族や騎士は、口々に肯定の意思を表明している。

家庭教師ガヴァネスが優秀だったのでしょう……お陰で早くも魔法の習得に力を入れる事が出来ています。父は武芸の先生を探して貰っているのですが、今だに見つかっていない様子……お爺様も相談に乗っていただけませんか?」

「無論だ」

「ありがとうございます」

 こうして四歳で行われる。お披露目会の前の誕生日は、様々な思惑をユーサーに身を持って感じさせ終了したのだった。



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