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第41話 転生陰陽師と三人娘の本性②
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「三人ともお疲れ」
変身を解除した三人に俺は労いの言葉をかけた。
「三人で戦ったからへっちゃらよ」
「そうそう。もう少し歯ごたえのある敵が良かったわ」
「大技もっと撃ちたかったぁ~」
と、婚約者達はご不満のようだ。
「あれだけの大禍津日が存在しているってことは、ここに潜伏している犯罪者と支援組織の連中は死んだのかしら?」
湊の言葉は俺は否定する。
「三体も鬼が居るからといって全員が死んだとも限らない。むしろあの鬼を使役できる鬼が居ると考えた方が良いと思う」
「それって……受肉した大禍津日がいるってことかしら?」
「徳を欠くような行為をする人間は魔道に落ちやすい。赤子のように最善でなくとも“受肉”するには適した器だ。霧島与一はまず間違いなく鬼になっている」
「輪蔵弾の使用許可は?」
「既に降りています」
伊吹の質問に表情一つ変えず答えると、アタッシュケースに収められた拳銃を見せて答えた。
人とは言っても精神的には死んでいるを、殺すと言っているのに、普通に返事ができるこの女性《ヒト》は一体何者なのだろうか?
「銀製で聖別済みの輪蔵弾なんて高級品をポンとくれるなんて流石ね」
「時間稼ぎにも有効なハズです。特にお三方は……」
金気の扱いを得意とする狐二匹と空を飛ぶモノの女王にとって確かに便利な武器だ。
一般的なマニ弾は鉛製で魔術師によって言葉を刻まれた『金属製の呪符』だ。
しかし素材や外付けの強化を行うことで効果を底上げできる。それが銀や聖別なのだ。
「いかなる理由があろうとも禍津日に味方するモノは人類の敵です。それをお忘れなく……」
「分ってる……」
一般人には鬼と人間の区別が付かない。
もし人権団体が鬼を匿っている場合には実力行使を行い、抵抗が酷ければ殺せと言っているのだ。
「あ、殺しなら俺がやるので……」
俺はそう言って腰の刀に手をかける。
「しかしいつも吉田さまがいらっしゃるとは限りません。日本魔術界に君臨する三人にも必要な経験であると考えていらっしゃる方が多いのです」
肝が据わってると思っていたがよほど上層部の事情に詳しいようだ。
上層部の使い走りか、しかし俺の機嫌を損ねて何になるというのだろう……
「俺は必要ないと考えている。と上層部には伝えてくれ俺は婚約者を大事にしているからな」
「……お伝えしておきます」
力の強い禍津日に吸い寄せられてか禍津日の数が多い。
「任せていいか?」
「任せて頂戴」
彼女達は式神を呼び出すと露払いを命じた。
陰陽道では『式神』や『式王子』、『呪禁道』では『式』、仏教では『童子』、西洋……とりわけアブラハムの宗教では『ゴーレム』、魔女の『使い魔』など様々な名で呼ばれる。
式神は大まかに三種類に別けられる。
①『使役式』(『調伏式』)
禍津日を降し使役している状態。実態と非実態を自由自在に行き来できる。
②『人造式』(『簡易式』)
魔力や浮遊霊を用いて作り出した人造あるいは簡易的な禍津日
③『召喚式』
異界より呼び出す。
三人の式神は①『使役式』と③『召喚式』であり②『人造式』に比べて強く、そして三人とも神との契約『神契《しんけい》』を結び使役する式神の数に上限を設けることで大幅に強化している。
「中鬼までなら一撃よ!」
神あるいは神の使いが使役する式神は『神契《しんけい》』と合わせることで各段に強くなっている。
「親会社の威光を借りる孫会社」なんて伊吹は例えていたけど言い得て妙だと思う。
平安時代も「ウチのボス〇〇だから! 喧嘩売っていいの?」「お前の家めっちゃ傍流だし当主に嫌われてるじゃねぇか!」とヤンキーのように喧嘩を売り合うことなんて日常茶飯事だったし、呪術戦(殺し合い)も珍しいものではなかった。
貴族なんて血統書付きの賊だ。
ずんずんと村を探索していくと禍津日が出てくる。
「ビレッジって感じね……」
「私好きだよビレッジ。ただしVRは二度と付けない!!」
「凄く怖がってたものね」
ボスっぽい奴も問題なく祓っていく。
「強さは中々……確かに私達を動かすのがコスト的にも安いわね……」
現代の魔術師は道具を全て自前で揃えることは珍しく、呪符を買うことも別に珍しくはない。
それに武器は消耗品だ。
高位の魔術師を複数人動かすとバカにならないコストがかかる。
それに比べ俺達はコストが殆どかからない。
式神は魔力を食うものの費用はかからない。
三人が使える化身化も同様にコストがかからない。
俺を除く三人の力量は平時でも十二分に高く、化身化すれば世界でも有数の魔術師になる。
同等の戦力を用意するには金が掛かりすぎるのだ。
「東京とは言え僻地なんだから禍津日の領域になっても俺は困らないんだけど……」
「まあ結界にも殆ど影響はないでしょうね……」
古い村や都市には結界が敷かれている。
現代では、東京スカイタワーを始めとする電波塔が主ではあるものの、江戸時代や明治、大正に作られた結界は現役である。
禍津日の陰の気によって誤作動を起こすような軟な作りではないが、もしものことを考えてもできるだけ取り除いておくに越したことはない。
変身を解除した三人に俺は労いの言葉をかけた。
「三人で戦ったからへっちゃらよ」
「そうそう。もう少し歯ごたえのある敵が良かったわ」
「大技もっと撃ちたかったぁ~」
と、婚約者達はご不満のようだ。
「あれだけの大禍津日が存在しているってことは、ここに潜伏している犯罪者と支援組織の連中は死んだのかしら?」
湊の言葉は俺は否定する。
「三体も鬼が居るからといって全員が死んだとも限らない。むしろあの鬼を使役できる鬼が居ると考えた方が良いと思う」
「それって……受肉した大禍津日がいるってことかしら?」
「徳を欠くような行為をする人間は魔道に落ちやすい。赤子のように最善でなくとも“受肉”するには適した器だ。霧島与一はまず間違いなく鬼になっている」
「輪蔵弾の使用許可は?」
「既に降りています」
伊吹の質問に表情一つ変えず答えると、アタッシュケースに収められた拳銃を見せて答えた。
人とは言っても精神的には死んでいるを、殺すと言っているのに、普通に返事ができるこの女性《ヒト》は一体何者なのだろうか?
「銀製で聖別済みの輪蔵弾なんて高級品をポンとくれるなんて流石ね」
「時間稼ぎにも有効なハズです。特にお三方は……」
金気の扱いを得意とする狐二匹と空を飛ぶモノの女王にとって確かに便利な武器だ。
一般的なマニ弾は鉛製で魔術師によって言葉を刻まれた『金属製の呪符』だ。
しかし素材や外付けの強化を行うことで効果を底上げできる。それが銀や聖別なのだ。
「いかなる理由があろうとも禍津日に味方するモノは人類の敵です。それをお忘れなく……」
「分ってる……」
一般人には鬼と人間の区別が付かない。
もし人権団体が鬼を匿っている場合には実力行使を行い、抵抗が酷ければ殺せと言っているのだ。
「あ、殺しなら俺がやるので……」
俺はそう言って腰の刀に手をかける。
「しかしいつも吉田さまがいらっしゃるとは限りません。日本魔術界に君臨する三人にも必要な経験であると考えていらっしゃる方が多いのです」
肝が据わってると思っていたがよほど上層部の事情に詳しいようだ。
上層部の使い走りか、しかし俺の機嫌を損ねて何になるというのだろう……
「俺は必要ないと考えている。と上層部には伝えてくれ俺は婚約者を大事にしているからな」
「……お伝えしておきます」
力の強い禍津日に吸い寄せられてか禍津日の数が多い。
「任せていいか?」
「任せて頂戴」
彼女達は式神を呼び出すと露払いを命じた。
陰陽道では『式神』や『式王子』、『呪禁道』では『式』、仏教では『童子』、西洋……とりわけアブラハムの宗教では『ゴーレム』、魔女の『使い魔』など様々な名で呼ばれる。
式神は大まかに三種類に別けられる。
①『使役式』(『調伏式』)
禍津日を降し使役している状態。実態と非実態を自由自在に行き来できる。
②『人造式』(『簡易式』)
魔力や浮遊霊を用いて作り出した人造あるいは簡易的な禍津日
③『召喚式』
異界より呼び出す。
三人の式神は①『使役式』と③『召喚式』であり②『人造式』に比べて強く、そして三人とも神との契約『神契《しんけい》』を結び使役する式神の数に上限を設けることで大幅に強化している。
「中鬼までなら一撃よ!」
神あるいは神の使いが使役する式神は『神契《しんけい》』と合わせることで各段に強くなっている。
「親会社の威光を借りる孫会社」なんて伊吹は例えていたけど言い得て妙だと思う。
平安時代も「ウチのボス〇〇だから! 喧嘩売っていいの?」「お前の家めっちゃ傍流だし当主に嫌われてるじゃねぇか!」とヤンキーのように喧嘩を売り合うことなんて日常茶飯事だったし、呪術戦(殺し合い)も珍しいものではなかった。
貴族なんて血統書付きの賊だ。
ずんずんと村を探索していくと禍津日が出てくる。
「ビレッジって感じね……」
「私好きだよビレッジ。ただしVRは二度と付けない!!」
「凄く怖がってたものね」
ボスっぽい奴も問題なく祓っていく。
「強さは中々……確かに私達を動かすのがコスト的にも安いわね……」
現代の魔術師は道具を全て自前で揃えることは珍しく、呪符を買うことも別に珍しくはない。
それに武器は消耗品だ。
高位の魔術師を複数人動かすとバカにならないコストがかかる。
それに比べ俺達はコストが殆どかからない。
式神は魔力を食うものの費用はかからない。
三人が使える化身化も同様にコストがかからない。
俺を除く三人の力量は平時でも十二分に高く、化身化すれば世界でも有数の魔術師になる。
同等の戦力を用意するには金が掛かりすぎるのだ。
「東京とは言え僻地なんだから禍津日の領域になっても俺は困らないんだけど……」
「まあ結界にも殆ど影響はないでしょうね……」
古い村や都市には結界が敷かれている。
現代では、東京スカイタワーを始めとする電波塔が主ではあるものの、江戸時代や明治、大正に作られた結界は現役である。
禍津日の陰の気によって誤作動を起こすような軟な作りではないが、もしものことを考えてもできるだけ取り除いておくに越したことはない。
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