妾の子だった転生勇者~魔力ゼロだと冷遇され悪役貴族の兄弟から虐められたので前世の知識を活かして努力していたら、回復魔術がぶっ壊れ性能になった
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
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第二章
第56話 姉は心配性
しおりを挟む「ご飯はちゃんと食べてるかしら?」
「夫人のおかげで食べられています。姉さんには昔から迷惑をかけてばかりです」
「いいのよ。気にする必要はないわ」
昔から優しく俺のことを気にかけてくれていた。
馬鹿家族の決闘騒ぎの時は家におらず。つい最近まで婚約者の家にいたため守れなかったことを後悔しているのだろう。
「それでナオス。あなた学院には入るの?」
『学院』とは勇者達が作った教育機関で前世でいうと、大学のような研究機関と教育機関としての二面性を持っている。
魔王降臨前にはこの国には世界有数の学園都市があったそうなのだが、残念ながら衰退し各国に逃げたり帰った研究者によって現在の『学院』ができたのだと言う。
そしてこの世界において『学院』とは、領地を経営するための知識はもちろんのことサロンのような人脈形成の場であり、パーティーのような婚活会場でもある。
付け加えれば俺のような三男以下の子弟にとっては、将来の就活も兼ねている。
よほど隠したい子供か金のない貴族でもなければ、普通は通わせる。
かと言って自分一人が生きていくのに必要な武力はもっている。
魔術の知識が欲しいとは言え、それはあくまでも娯楽の範疇だ。
「どうでしょう。公爵閣下がお許しになられれば名誉ある学院の生徒として通うことも叶うでしょうが……」
「到着しました」
続く言葉を遮ったのは御者の声だった。
「オットー姉さんお仕事の時間のようです」
「そうね。私からお父様に学院に通えるよう進言しておきます」
一瞬余計なことを……なんて考えたけれど。
「……ありがとうございます」
と言って頭を下げる。
「腹は違うとは言え兄弟姉妹なのですから気にしないでください」
「姉さんばっかりナオス兄さんと話してずるい~」
「仕方がないでしょう? あまりワガママを言うと魔術の面倒を見ませんからね」
「そ、そんなぁ~」
目的地に着き馬車のドアが従者役のグレテル先生によって開かれ、泥除けの付いた昇降台に足を乗せ下車すると、俺達を迎えるために神殿の関係者使がズラリと整列していた。
槍や剣で武装した騎士の鎧や神官の服には、神殿関係者を意味する赤と白の十字紋様が描かれている。
これは自分達が信奉する神は異なれど善の陣営の一員であることを表しており、盟主である太陽神を意味している。
赤は血を白は善なる神々あるいは盟主たる太陽神を意味していると言われているが、異世界人である俺達からすれば赤十字か十字軍に見える。
ガチガチの戦乱の世だった昔とことなり、宗教の権威と言うモノは大分下がっているようで、病院と寺社仏閣を兼ねていると言った方が分かりやすいだろう。
この世界でも前世でも宗教関係者は貴族に教育を施す。教育が係りと研究者・専門家のような専門知識を有していたため、政教分離は難しく。
織田信長でさえも浄土真宗・石山本願寺や比叡山との宗教戦争には手を焼いていることからもコレは明らかだろう。
神殿は前世で言うゴシック様式によく似ていてるものの、比較的簡素でこの神殿は一帯の治療院としての側面が強いからだろう。
「みんな行くわよ」
オットー姉さんはそう言うと、慣れ様子で肩で風を切って俺達の先頭を歩いていく……。
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