86 / 124
第三章

第83話 神気

しおりを挟む
 実験とレポート二つ共に評価が付いていたため、CとCで「CCレ〇ン」などのように評価で駄弁ったものだ。
 なんとも懐かしい気分だ。

 しかし『薬草をポーション漬け』にするのと同じく時間が掛かる方法に落ち着いてしまった。
 インスタントに出来る方法は何かないだろうか?

 うんうんと唸る。
 
 水や空間に魔力を込め間接的に薬草に魔力を含ませることが出来るのなら、どうにかして直接薬草に魔力を含ませることが出来るのではないだろうか? 

 とりあえずもう一反の畑で実験をすることにした。
 『結界』や回復魔術をかけるイメージから離れ、入れ物に水を注ぐイメージで薬草に魔力を込める。

バチン。

 突如、静電気のような痛みが指先に響いた。
 薬草に目を向けると急速にかれてしまう。
 どうやら失敗したようだ。
 “注ぐ” イメージはどうやら間違いではないようなので、今度は中の魔力を交換するイメージで魔力を送る。

 一定の魔力を送ると一瞬魔力が途切れ、その後一気に帰ってくる魔力の量が一定になる。
 そのタイミングで魔力を流すのを辞める。

「成功だな……」

 しかし結構難しく二回連続失敗と結果は芳しくない。
 どうやら個体差が激しいらしく許容する魔力量にも違いがあるようだ。
 何度か試す内に失敗率は段々と低下する。

「俺レベルの魔力操作技術をもってしても成功率三割って低すぎだろ……個体差によるもんだいもあるだろうから、品種改良や選別をすればある程度は簡易にできるかな?」

 女神由来の【ヒール】を用いれば簡単にできるのではないだろうか? と好奇心が溢れて来る。

「【ヒール】」

 金色の粒子が混ざった魔力は薬草に良くなじむようで、薬草は見るからに最高にハイって状態に見える。
 何というか薬草なのにオーラがある。
 試しに通常の魔力を注いだポーションと、【ヒール】経由で魔力を注いだ二つのーションを作ることにした。

 ワクワクしながら作業をしていると、魔力を注ぐ段階で明確な違いを感じた。
 まず許容魔力量が少なくそれ単独で完成している状態と言っていい。

 通常のポーションと異なり最初から魔力が籠っているのだから後から魔力を足す必要はないのだろう。ということで一応の納得は出来る。
 そして最大の問題は……

「何か混入してるんだけど……」

 ポーションの中に金色の結晶が混ざっているのだ。
 恐らく濃度が濃すぎて魔力が結晶化したのだろう。
 【鑑定スキル】で鑑定してみると『神気』と結果が出た。

 『神気』ねぇ……勇者時代にもそんな不思議パワーに触れた記憶はない。
 やはり転生したことで女神の力の一部が混ざっているor使えると言う考察が間違っては居なさそうなことが証明されてしまった。


 『神気』が込められたポーション。
 『神気ポーション』の性能は、回復魔術をかけたポーション(封印済み)の五割増し……伝説の回復アイテムかなにかかな? ラストエリクサーよろしく、君にはもしものために【アイテムボックス】の肥やしになってくれ……南無三。

 ポーション内でも余りにも濃度が高い場合には、魔力が結晶化することが判明したためそれを逆手に取ることにした。
 簡単に言えばモンスターから採れる魔石を粉々に砕いてポーションに混ぜるのだ。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...