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第64話:老婆の語り
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朽ち果てた皇城の庭園には、季節外れの桜が狂い咲いていた。 その花弁は白ではなく、血を吸ったかのようにどす黒い赤色をしていた。
「……終わったか」
グレンが大剣『岩砕き・改』についた腐肉を振り払う。 足元には、錆びた甲冑を纏った骸骨武者(スケルトン・サムライ)の残骸が散らばっていた。 かつてこの城を守っていた兵士たちの成れの果てだ。
「見事な腕前だ、グレン殿。……だが、悲しいな」
カエデが刀を納め、静かに目を伏せる。 彼女にとって、ここは生まれ育った故郷の中心地であり、誇りの象徴だった場所だ。それが今や魔物の巣窟となり、かつての同胞を斬らねばならない現実は、筆舌に尽くし難いだろう。
「湿っぽい顔すんな。俺が全部ぶっ飛ばしてやるって言っただろ」
「……ふん。野蛮人のくせに、口だけは達者だな」
カエデは憎まれ口を叩きつつも、その表情は少しだけ救われているように見えた。
「うぅ……オバケは嫌いですぅ……」
その横で、ティアが涙目でグレンの背中にへばりついていた。 聖女候補生のくせにアンデッドなどのホラー系が苦手らしく、先程の戦闘でも「ひいいい!」と叫びながら杖を振り回して(偶然)敵を粉砕していただけだった。
「ジン様……」
リリが俺の袖を掴む。その手は冷たく、震えていた。 城の奥へと進むにつれ、彼女の顔色は青ざめていく。 ここにある「何か」が、彼女の封印された記憶を無理やり抉じ開けようとしているのだ。
「無理はするな。辛くなったら戻ってもいい」
「いいえ……行きます。知らなければいけない気がするんです。私が、何者なのかを」
俺たちは瓦礫の山となった回廊を抜け、城の最奥にある『天守閣』の地下へと続く階段を降りた。 そこには、異質な空気が漂っていた。 淀んだ魔素とは違う、清浄で、それでいて張り詰めた結界の気配。
「誰じゃ……。わらわの眠りを妨げる者は」
地下空間の奥、祭壇の前で、一人の老婆が座り込んでいた。 身に纏うのは、ボロボロだが高貴な色合いを残した巫女装束。 顔は皺だらけで、目は白濁して見えていないようだが、その声には不思議な威厳があった。
「ひぃッ!? で、出ましたぁ!」
ティアが小さな悲鳴を上げて俺の背後に隠れる。
「……ババ様!?」
カエデが驚きの声を上げる。 知り合いか。
「カエデかえ? 生きておったか。……いや、それよりも」
老婆の白濁した瞳が、カエデを通り越し、俺の隣にいるリリへと向けられた。 見えていないはずの瞳が、確信を持ってリリを捉える。
「その禍々しくも懐かしい気配……。戻られたのですか、皇女様」
「……え?」
リリが息を呑む。 皇女。 その言葉が、リリの脳裏に激しい痛みを走らせたようだった。彼女は頭を押さえてよろめく。
「皇女だと? こいつがこの国の姫様だって言うのか?」
ヴォルグが驚いて声を上げる。
「……やはり、覚えてはおられぬか」
老婆は杖をついて立ち上がり、よろよろとリリの前に歩み寄った。 そして、震える手でリリの銀髪に触れ、その赤い瞳を覗き込む。
「なんと哀れな……。これほどまでに『呪い』に侵食されながら、まだ人の形を保っているとは」
老婆の顔に、深い慈悲と、それ以上の諦観が浮かぶ。
「語らねばなりますまい。貴方様がなぜ生まれ、なぜ捨てられ……そして、なぜ今ここに呼ばれたのかを」
老婆は一歩下がり、祭壇を背にして静かに告げた。
「リリ様。貴方様は、このヤマトの王家に連なる唯一の生き残り。そして――この国を滅ぼした『厄災』を封じるために造られた、生ける『器』でございます」
「う、つわ……?」
「このヤマトの地には、古より世界の『歪み』が吹き溜まる龍穴があります。放っておけば、その負のエネルギーは溢れ出し、世界を汚染してしまう。故に、王家は代々、その穢れを一身に引き受ける『人柱』を捧げることで、世界の均衡を保ってきました」
老婆の語り口は淡々としていた。それが余計に、内容の重さを際立たせる。
「ですが、先代の時に穢れの量が限界を超えました。もはや常人の魂では耐えきれない。そこで王たちは禁呪に手を染めたのです。……膨大な穢れに耐えうる、強靭で、空っぽな『器』を錬成することを」
それが、リリだと言うのか。 生まれつきの銀髪赤目。そして、常軌を逸した不運体質。 あれは偶然や突然変異ではない。 最初から「不幸を引き受けるゴミ箱」として設計され、産み落とされた存在だったのだ。
老婆の言葉を聞いた瞬間、リリの呼吸が乱れた。 ヒュー、ヒューと喉を鳴らし、虚空を見つめて後ずさる。 焦点が定まっていない。俺たちのことなど見えていないようだった。
「……くらい……」
リリがうわ言のように呟く。
「暗い、石の部屋……。出して……父様、母様……どうして……?」
彼女の手が宙を彷徨う。 そこにいない誰かに縋ろうとして、拒絶されたかのように力が抜けていく。
「……あ……」
その瞳から、光が消えた。 俺には彼女の記憶は見えない。だが、彼女の様子から痛いほどに伝わってくる。 封印されていた記憶の扉が開き、そこにあった残酷な真実――両親からの冷徹な拒絶と、自分が「処理すべき危険物」として扱われていた事実を、思い出してしまったのだ。
「そんな……。じゃあ、お父様やお母様が私を地下牢に閉じ込めていたのは……私を守るためじゃなくて……」
リリの声が震える。 信じていたかった最後の希望が、音を立てて崩れ去っていく。 自分は愛されていたわけではない。ただ、管理されていたのだ。
「愛などありませぬ。貴方様は道具。世界を救うための、貴い生贄(スケープゴート)に過ぎないのですから」
老婆は悪びれもせず言い放った。 それがこの国の「正義」であり、「天理」――神が定めた絶対の理なのだと信じて疑わない口調で。 個人の意思や感情など歯牙にもかけない、残酷で無慈悲な世界の決定事項。それに従うことこそが善であると、彼女は本気で思っているのだ。
「……ふざけるな」
俺は低い声で遮った。 体中の血液が沸騰するような怒りを感じる。 リリがどれだけ苦しんできたか。どれだけ自分の存在を呪ってきたか。 それを「貴い犠牲」の一言で片付けるなど、許されるはずがない。
「天理だと? ふざけた仕組みだ。誰かが不幸にならなきゃ回らない世界なんざ、欠陥品だろ」
「異邦人よ。貴殿にはわかるまい。これは『天』が定めた筋書きなのじゃ」
老婆は虚空を見上げた。
「本来ならば、溢れ出た穢れは『魔王』という形を取り、それを西から来る『勇者』が討ち滅ぼすことで浄化される……。それが天の与えた救済の円環(えんかん)。だが、今の世は狂っておる。勇者は堕ち、魔王の座は空席。……もはや、この娘を完全に生贄として捧げ、穢れを永久に封じるしか手はないのじゃ」
勇者と魔王。 それすらも、天が仕組んだ自作自演の舞台装置に過ぎないと言うのか。 そしてアルスが堕ちた今、天理はリリを「使い潰す」ことで帳尻を合わせようとしている。
「嫌だ……」
リリが膝から崩れ落ちた。 絶望に染まった瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「私……望まれて生まれたわけじゃなかったんですね。……ただの、ゴミ箱だったんですね……」
彼女がずっと求めていた「自分が生きている意味」。 その答えは、あまりにも残酷で、救いのないものだった。
「みゅう……」
ラクが悲しげに鳴き、リリの頬を舐める。だが、リリの反応はない。心が、壊れかけている。
老婆は懐から一本の短剣を取り出し、リリの前に差し出した。
「さあ、皇女様。その身を祭壇に捧げなさい。それで全ての穢れは封じられ、貴方様もその呪われた運命から解放されます」
それは救済ではない。死への誘いだ。 リリの震える手が、短剣へと伸びる。 自分の存在意義を否定され、生きる気力を失った彼女は、言われるがままに――
「――させるかよ」
俺はリリの手を掴み、短剣を蹴り飛ばした。 カラン、と乾いた音が響く。
「ジ、ジン様……?」
「リリ。そのババアの世迷言を聞くな」
俺は彼女の肩を強く掴み、無理やり顔を上げさせた。 その瞳に、俺の顔を焼き付けるように。
「お前が何のために造られたかなんて、どうでもいい。重要なのは、今お前が誰の隣にいるかだ」
俺は老婆を睨みつけた。 世界の理? 天の筋書き? 上等だ。 俺は軍師だ。不利な盤面、理不尽なルール、それら全てをひっくり返して勝利をもぎ取るのが仕事だ。
「この世界がリリを『ゴミ箱』だと定義するなら……俺がその定義ごと書き換えてやる」
俺の言葉に、リリの瞳が揺れた。 まだ絶望は晴れない。だが、その深淵に一筋の光が差し込んだように見えた。
「行くぞ、リリ。こんなカビ臭い場所には長居無用だ」
俺はリリの手を引き、祭壇を背にした。 老婆が何か叫んでいたが、無視だ。 まずはリリの心をケアし、それから――このふざけた「天理」とやらをぶち壊す算段を立てる。
ヤマトの風は、血の匂いと、来るべき決戦の予感を孕んで吹き抜けていった。
「……終わったか」
グレンが大剣『岩砕き・改』についた腐肉を振り払う。 足元には、錆びた甲冑を纏った骸骨武者(スケルトン・サムライ)の残骸が散らばっていた。 かつてこの城を守っていた兵士たちの成れの果てだ。
「見事な腕前だ、グレン殿。……だが、悲しいな」
カエデが刀を納め、静かに目を伏せる。 彼女にとって、ここは生まれ育った故郷の中心地であり、誇りの象徴だった場所だ。それが今や魔物の巣窟となり、かつての同胞を斬らねばならない現実は、筆舌に尽くし難いだろう。
「湿っぽい顔すんな。俺が全部ぶっ飛ばしてやるって言っただろ」
「……ふん。野蛮人のくせに、口だけは達者だな」
カエデは憎まれ口を叩きつつも、その表情は少しだけ救われているように見えた。
「うぅ……オバケは嫌いですぅ……」
その横で、ティアが涙目でグレンの背中にへばりついていた。 聖女候補生のくせにアンデッドなどのホラー系が苦手らしく、先程の戦闘でも「ひいいい!」と叫びながら杖を振り回して(偶然)敵を粉砕していただけだった。
「ジン様……」
リリが俺の袖を掴む。その手は冷たく、震えていた。 城の奥へと進むにつれ、彼女の顔色は青ざめていく。 ここにある「何か」が、彼女の封印された記憶を無理やり抉じ開けようとしているのだ。
「無理はするな。辛くなったら戻ってもいい」
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俺たちは瓦礫の山となった回廊を抜け、城の最奥にある『天守閣』の地下へと続く階段を降りた。 そこには、異質な空気が漂っていた。 淀んだ魔素とは違う、清浄で、それでいて張り詰めた結界の気配。
「誰じゃ……。わらわの眠りを妨げる者は」
地下空間の奥、祭壇の前で、一人の老婆が座り込んでいた。 身に纏うのは、ボロボロだが高貴な色合いを残した巫女装束。 顔は皺だらけで、目は白濁して見えていないようだが、その声には不思議な威厳があった。
「ひぃッ!? で、出ましたぁ!」
ティアが小さな悲鳴を上げて俺の背後に隠れる。
「……ババ様!?」
カエデが驚きの声を上げる。 知り合いか。
「カエデかえ? 生きておったか。……いや、それよりも」
老婆の白濁した瞳が、カエデを通り越し、俺の隣にいるリリへと向けられた。 見えていないはずの瞳が、確信を持ってリリを捉える。
「その禍々しくも懐かしい気配……。戻られたのですか、皇女様」
「……え?」
リリが息を呑む。 皇女。 その言葉が、リリの脳裏に激しい痛みを走らせたようだった。彼女は頭を押さえてよろめく。
「皇女だと? こいつがこの国の姫様だって言うのか?」
ヴォルグが驚いて声を上げる。
「……やはり、覚えてはおられぬか」
老婆は杖をついて立ち上がり、よろよろとリリの前に歩み寄った。 そして、震える手でリリの銀髪に触れ、その赤い瞳を覗き込む。
「なんと哀れな……。これほどまでに『呪い』に侵食されながら、まだ人の形を保っているとは」
老婆の顔に、深い慈悲と、それ以上の諦観が浮かぶ。
「語らねばなりますまい。貴方様がなぜ生まれ、なぜ捨てられ……そして、なぜ今ここに呼ばれたのかを」
老婆は一歩下がり、祭壇を背にして静かに告げた。
「リリ様。貴方様は、このヤマトの王家に連なる唯一の生き残り。そして――この国を滅ぼした『厄災』を封じるために造られた、生ける『器』でございます」
「う、つわ……?」
「このヤマトの地には、古より世界の『歪み』が吹き溜まる龍穴があります。放っておけば、その負のエネルギーは溢れ出し、世界を汚染してしまう。故に、王家は代々、その穢れを一身に引き受ける『人柱』を捧げることで、世界の均衡を保ってきました」
老婆の語り口は淡々としていた。それが余計に、内容の重さを際立たせる。
「ですが、先代の時に穢れの量が限界を超えました。もはや常人の魂では耐えきれない。そこで王たちは禁呪に手を染めたのです。……膨大な穢れに耐えうる、強靭で、空っぽな『器』を錬成することを」
それが、リリだと言うのか。 生まれつきの銀髪赤目。そして、常軌を逸した不運体質。 あれは偶然や突然変異ではない。 最初から「不幸を引き受けるゴミ箱」として設計され、産み落とされた存在だったのだ。
老婆の言葉を聞いた瞬間、リリの呼吸が乱れた。 ヒュー、ヒューと喉を鳴らし、虚空を見つめて後ずさる。 焦点が定まっていない。俺たちのことなど見えていないようだった。
「……くらい……」
リリがうわ言のように呟く。
「暗い、石の部屋……。出して……父様、母様……どうして……?」
彼女の手が宙を彷徨う。 そこにいない誰かに縋ろうとして、拒絶されたかのように力が抜けていく。
「……あ……」
その瞳から、光が消えた。 俺には彼女の記憶は見えない。だが、彼女の様子から痛いほどに伝わってくる。 封印されていた記憶の扉が開き、そこにあった残酷な真実――両親からの冷徹な拒絶と、自分が「処理すべき危険物」として扱われていた事実を、思い出してしまったのだ。
「そんな……。じゃあ、お父様やお母様が私を地下牢に閉じ込めていたのは……私を守るためじゃなくて……」
リリの声が震える。 信じていたかった最後の希望が、音を立てて崩れ去っていく。 自分は愛されていたわけではない。ただ、管理されていたのだ。
「愛などありませぬ。貴方様は道具。世界を救うための、貴い生贄(スケープゴート)に過ぎないのですから」
老婆は悪びれもせず言い放った。 それがこの国の「正義」であり、「天理」――神が定めた絶対の理なのだと信じて疑わない口調で。 個人の意思や感情など歯牙にもかけない、残酷で無慈悲な世界の決定事項。それに従うことこそが善であると、彼女は本気で思っているのだ。
「……ふざけるな」
俺は低い声で遮った。 体中の血液が沸騰するような怒りを感じる。 リリがどれだけ苦しんできたか。どれだけ自分の存在を呪ってきたか。 それを「貴い犠牲」の一言で片付けるなど、許されるはずがない。
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「嫌だ……」
リリが膝から崩れ落ちた。 絶望に染まった瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「私……望まれて生まれたわけじゃなかったんですね。……ただの、ゴミ箱だったんですね……」
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「みゅう……」
ラクが悲しげに鳴き、リリの頬を舐める。だが、リリの反応はない。心が、壊れかけている。
老婆は懐から一本の短剣を取り出し、リリの前に差し出した。
「さあ、皇女様。その身を祭壇に捧げなさい。それで全ての穢れは封じられ、貴方様もその呪われた運命から解放されます」
それは救済ではない。死への誘いだ。 リリの震える手が、短剣へと伸びる。 自分の存在意義を否定され、生きる気力を失った彼女は、言われるがままに――
「――させるかよ」
俺はリリの手を掴み、短剣を蹴り飛ばした。 カラン、と乾いた音が響く。
「ジ、ジン様……?」
「リリ。そのババアの世迷言を聞くな」
俺は彼女の肩を強く掴み、無理やり顔を上げさせた。 その瞳に、俺の顔を焼き付けるように。
「お前が何のために造られたかなんて、どうでもいい。重要なのは、今お前が誰の隣にいるかだ」
俺は老婆を睨みつけた。 世界の理? 天の筋書き? 上等だ。 俺は軍師だ。不利な盤面、理不尽なルール、それら全てをひっくり返して勝利をもぎ取るのが仕事だ。
「この世界がリリを『ゴミ箱』だと定義するなら……俺がその定義ごと書き換えてやる」
俺の言葉に、リリの瞳が揺れた。 まだ絶望は晴れない。だが、その深淵に一筋の光が差し込んだように見えた。
「行くぞ、リリ。こんなカビ臭い場所には長居無用だ」
俺はリリの手を引き、祭壇を背にした。 老婆が何か叫んでいたが、無視だ。 まずはリリの心をケアし、それから――このふざけた「天理」とやらをぶち壊す算段を立てる。
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