12 / 30
初夜の翌朝失踪する受けの話
1-11
しおりを挟む
パチ、と目を覚ました。枕元の時計は6時を指している。いつも起きる時間より30分遅いけど、まあ許容範囲だろう。
横を見ると当然のように恵さんが眠っていた。穏やかに背中が上下している。忘れないように目に焼き付けていると喉に熱いものが競り上がってきて俺はゆっくり深呼吸を一つした。
最後だし顔が見たかったけど、覗き込んで恵さんが起きたら大変だからグッと我慢する。綺麗に筋肉のついた背中をしばらくぼんやり眺めた後、俺はそっとベッドを抜け出した。
ベッドの脇に立って恵さんが起きていないことを確認した俺はさっさと着替えを済ませて出ていく準備をする。そこでふと、リビングルームにある婚姻届の存在を思い出した。
手櫛で髪を整えながらリビングルームに向かった俺は、テーブルの上に置いてある2人の名前が記入された婚姻届の前に立った。置いて行こうか迷って、持っていくことに決めた。役所に出す気はサラサラなかったけど欲が出たのだ。こんなものあっても恵さんだって困るだろうし、といもしない誰かに言い訳しながら俺は婚姻届を四つ折りにしてポケットの中に仕舞った。
隠していたスニーカーを履く。そういえばこれも恵さんから貰ったものだと気づいて、俺はギュッと目を閉じた。未練がましく振り返りそうな自分を振り切って俺はドアを開けた。
服とか必要なものを詰めたボストンバッグは駅のコインロッカーの中だ。まずはそこに向かわないと。
エレベーターの中で、彼が、恵さんが好きな人と幸せになれるといいなと思った。
横を見ると当然のように恵さんが眠っていた。穏やかに背中が上下している。忘れないように目に焼き付けていると喉に熱いものが競り上がってきて俺はゆっくり深呼吸を一つした。
最後だし顔が見たかったけど、覗き込んで恵さんが起きたら大変だからグッと我慢する。綺麗に筋肉のついた背中をしばらくぼんやり眺めた後、俺はそっとベッドを抜け出した。
ベッドの脇に立って恵さんが起きていないことを確認した俺はさっさと着替えを済ませて出ていく準備をする。そこでふと、リビングルームにある婚姻届の存在を思い出した。
手櫛で髪を整えながらリビングルームに向かった俺は、テーブルの上に置いてある2人の名前が記入された婚姻届の前に立った。置いて行こうか迷って、持っていくことに決めた。役所に出す気はサラサラなかったけど欲が出たのだ。こんなものあっても恵さんだって困るだろうし、といもしない誰かに言い訳しながら俺は婚姻届を四つ折りにしてポケットの中に仕舞った。
隠していたスニーカーを履く。そういえばこれも恵さんから貰ったものだと気づいて、俺はギュッと目を閉じた。未練がましく振り返りそうな自分を振り切って俺はドアを開けた。
服とか必要なものを詰めたボストンバッグは駅のコインロッカーの中だ。まずはそこに向かわないと。
エレベーターの中で、彼が、恵さんが好きな人と幸せになれるといいなと思った。
396
あなたにおすすめの小説
【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。
志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。
美形×平凡。
乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。
崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。
転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。
そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。
え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
【完結】それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる