初夜の翌朝失踪する受けの話

春野ひより

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初夜の翌朝失踪する受けの話

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 そう言って恵さんは指を引き抜いて、もう一度ローションを纏わせると今度は人差し指と中指を揃えて俺のナカに入れた。ちゃんと準備はできていたみたいで俺の穴はさっきよりも太いものを難なく受け入れた。

「あッ、ま、めぐみさ、」

 ぞりぞりとイイ所を擦られて堪えきれない喘ぎ声が漏れる。

「なお?」

 ぐちぐちと卑猥な音がする。いやいやと首を振るとちゃんと答えて、というように動きが激しくなる。強すぎる快感は怖いくらいだった。

「んあっいじ、弄った、から!」

 それやめて、と涙目で懇願するとナカの指がゆっくりとした動作でナカをかき混ぜられる。彼の指を覚えさせようとするかのような動きにビクビクと腰が跳ねる。

「いけない子だね」
「んっ、め、恵さんとちゃんとしたかったんだよ」

 笑いを含んだ声でそう囁かれて、子ども扱いされたみたいで面白くなくてふい、と顔を逸らした。すぐにこういう所が子どもなんだと気づいてチラリと恵さんを伺う。
 恵さんは小さく微笑んで、そっか、と答えた。

「でも次からは全部俺にやらせてね」

 つぎ。
 目頭と喉の奥が熱くなって、俺はただこくんと頷いた。恵さんは俺が頷いたのを見て満足そうに笑った。
「後ろはともかく、こっちはどう?」
 そう言って恵さんが胸の飾りを擽った。ほとんど何も感じないけど、何となく擽ったく思えて小さく身を捩る。

「…こっち? ふっ、恵さんくすぐったいっ」
「そのうち好くなるよ」
「んんっ…ぁッ…?」

 よく分からないけど、恵さんに弄られていると思うだけで妙な感覚を覚えるから不思議だ。

「いっぱい気持ちよくなろうね」
 と、恵さん。再び後孔に指が差し込まれる。
「ひっあ、あぁッ…あ、あ、」

 ぐちゅぐちゅと慣らすようにナカをかき混ぜられる。気持ちよくするためじゃないのは分かっていても恵さんの指だと思うだけで勝手に感じてしまう俺はいちいち反応してその度に堪えきれなかった喘ぎ声が漏れる。どれくらい続いたのか、我慢できなくなったのは俺だった。

「ね、もっ、いいから」

 早く挿れて、と蚊の鳴くような声で言うと、恵さんは一瞬動きを止めて、それから大きなため息を吐いた。呆れられた? それともはしたないと思われた? 最悪だ、と俺の身体が強ばる。

「俺は今心の底から君より年上で良かったと思っているよ」
 絞り出すような声だった。
「…?」

 いつもよりぼんやりしている頭じゃ恵さんの言うことがイマイチよく分からなくて首を傾げると、誤魔化すように恵さんがごめんね、と言いながら啄むようなキスをくれた。それだけで強ばった身体の力が抜けていくから我ながらチョロすぎると思う。

「挿れるけど、痛かったら言うんだよ」
「ん」

 こくこくと一生懸命頷くと、あやす様に顔中にキスされる。ひたりと、孔に陰茎が宛てがわれる。無意識に俺の身体が強ばった。

「なお、なお、息して」
「んんっ…はっ…ふッ…」
「そう、上手…」

 ゆっくりと恵さんのものが挿ってくる。待ちに待ったそれは指とは比べ物にならないほど太くて少し苦しかった。

「はっ…挿ったけど、大丈夫?」
「だいじょうぶ」

 肩で息をしながら俺は応えた。俺、今恵さんとセックスしてる。熱に浮かされたみたいに無意識に下腹を触る。ここまで入っているかな、という所を撫でるとますます意識してしまってきゅうぅとナカが蠢いた。急な刺激に恵さんがぐぅと呻く。

「あーもう、なお、あんまり可愛いことしないで」

 ぐちゅん、とナカを一突きされる。

「ひっあぁッ、まっアッ、めぐみさんっ」
「動くよ」
「…? ~~~ッ! ッア、んああッ」
「ハァッ可愛い、なお」
「ああ、あんッあぁっ...あ、んぅ…」

 ごりごりとナカのイイ所を擦られて俺は身も世もなく喘いだ。強い快感から逃げるように身体を捩ると叱るように深いキスをされる。極めつけにぐちぐちと陰茎を擦られ俺はあっさり精を吐き出した。少し遅れて恵さんもゴム越しに精を吐き出した感覚がした。ずるりとペニスが引き抜かれる。俺はそれにすら感じてピクピクと小さく痙攣した。

「なお、起きてる?」

 そう言って恵さんは俺の顔にかかった髪を払い頬を撫でた。俺は彼の大きな掌に顔を埋めながら小さく唸った。

「んんん゛…起きてる…」
「半分寝てるね。いいよ、無理させたから」

 あとは俺がやっておくから、という恵さんの言葉に安心して、俺は幸せのうちに眠りに落ちた。
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