聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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 信用がないな~、解ってるよ。これでも『治癒』の使い方をちょっとは積んだんだよ? ちゃんと小っちゃく絞っていくよ?ぺぺぺんと出来るよ?花も咲かないよ‥‥‥‥あれ?

「‥‥‥‥どうしようか」

「どうした?嬢ちゃん」

「え~と、おっさんの時のとは違うんだけど。腹部に黒い疾患があるんだよね‥‥‥‥」  
 おっさんの時は、どす黒いタールの様な感じだったが、これはそれとは違う霞の様な感じだ。‥‥‥‥癌みたいなものかな‥‥‥‥問題はコレをどうするか。
 おっさん達の時は遠慮なく腹に手をツッコんだんだよね。まあ、あの時は気分がハイだったしな~。
 冷静になれば、躊躇なく腹に手を突っこむ所業はではできんよな。
 断末魔をあげていた隊員は、きっとトラウマが残っただろうしな~。

「おお、そうかそうか─────どれ、ワシが手伝ってやろう!」

 ドルクのおっさんは、ギルドの長が座っている椅子の後ろに回った。

「な、なんだ!?何をするんだ!?」

「なに、ワシもやられたんじゃ。大丈夫じゃ、心配なぞないぞ。すぐに終わるからな」

 パツパツの筋肉でにぃ~っこり笑顔を添えながら、長をがっつり背後から羽交い締めにした。

 ─────あ~そうですか。
 それしかレパートリーがないから、しょうがないよね。─────うんうん。

 その日、ギルド内に恐怖の叫び声が響き渡った。


「‥‥‥‥『仙桃』美味しかった」

 晴天の中クリスティーナは、中庭でお茶を頂いていた。
 思いがけず前世の同郷と出会って、気を抜いていたが、今は市女笠風の帽子を被っている。日よけの意味もあるので、ある意味丁度いい。

「‥‥‥‥本当に美味かったですけど、レアアイテムですよね?あの人どこで採ってきたんでしょう?」

「『深淵の森』の中で採取したって聞いたわ」

「「『深淵の森』‥‥‥‥」」

 護衛二人はわかり易く震え出した。

「あの人マジであの森抜けて来たんっすね‥‥‥‥」
「マジパねぇ‥‥‥‥」

 下世話な下町言葉を呟く二人は、礼儀作法に厳しいサラにじろりと睨まれる。
 
「─────ん゛ん。 あの人異国から来たって聞いたんですけど、どこの出身なんでしょう?」

「そうですよね?なんか見慣れない服装でしたし。姫様は聞かれました?」

 ハァ─────い。来たよ~リオさん。ここは一つ私がリオさんの裏設定を確率しなければ。

「聞いたわよ?リオさんはね、海を越えたここから遠い、名もない『東の島国』からここにたどり着いたのよ」

「‥‥‥‥」

「‥‥‥‥」

「‥‥‥‥」

 ‥‥‥‥あれ?皆の反応がない。 おかしいな?遠い島国から来たって事にすれば「なるほど~」「そうなんですね~」で終わる予定なのに。

「‥‥‥‥姫様‥‥‥‥それって‥‥‥‥」

「‥‥‥‥え、マジなの‥‥‥‥?」

「‥‥‥‥白いフェンリルいたよ‥‥‥‥」

 ───── 何?私が何かマズい事言った?

「ど、どうしたの、皆?」

「ひ、姫様。お忘れですか?あの、─────『言い伝え』」

「‥‥‥‥『言い伝え』」

 ‥‥‥‥あっ!─────あっ!あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーっ!!
 
 忘れてたっ!!─────ごめんリオさんっ!この世界では裏設定にならなかったっ!
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