聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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アウト!

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『日記』が『呪いの書』だった件。

─────おいクソ和也っ!なんてモノを見せてくれるんだっ!
変な声でたじゃないか。

 しかもご丁寧に、さっきまでの文字の大きさが半角になったように、細かくビチビチに文字が敷き詰めてある。マジ呪いじゃね?‥‥‥‥細かすぎて見にくい‥‥‥‥。
 しかし、よくよく見れば『はあ、メッチャ尊い』『笑顔最高』『お手てかわゆい』なんて文字がチョイチョイ隠れている。

 ─────間違い探しかよ‥‥‥‥。

 ─────勇者ヤバい奴だったんじゃ‥‥‥‥。

 そしてまた、違う一文が紛れ込んでいるのに気付く。『ユーリックのくそ野郎ムカつく』『俺の天使に気安く触るんじゃねぇ』『アイツまじ○そうかな‥‥‥‥』
 触っただけで○されそうな人がいる‥‥‥‥。

「─────ねえ、ユーリックって知ってる?」

「勇者の仲間の一人ですね。魔導士です。─────ちなみに私の先祖にあたる方ですね」

 ユーリック○されてなかった!─────たぶん!
 てゆうか和也貴様、仲間を○す気だったんかっ!

「カタリーナって子は‥‥‥‥」

「 ユーリックの妹君ですね。当時五歳か六歳ぐらいだったと‥‥‥‥」

 アウトだ─────っ! アウトなやつだ─────!!
 和也貴様~カタリーナちゃんとやらに、お触りしてないだろうな!どうりで『お手てかわゆい』が出るわけだよっ!『イエスロリータ ノータッチ』だぞっ!

「私の先祖の事が記してあるのですか!?」

「え‥‥‥‥いや、名前ぐらいかなぁ~」

 公然猥褻男が前のめりに聞いてくるが、さすがに言えないわ。アンタのご先祖様、勇者に命を狙われていたなんて。

「そんな事は、あの聖女も言ってませんでしたね。というか読んでいる気配がありませんでした。主に最後の方ばかり見てましたし」

─────最後?

 忍者男の言葉に乗って、今度は後ろ表紙からめくってみる。

 『俺様閃いちゃったもんね!』

 ─────わかったよ。はいはい。

 後ろのページには、文字はそれほど書いてなく、あるのは手書きの『魔法陣』だった。 なるほど、これか。奴が見ていたのは。
 『魔法陣』なる物は、一つではなく複数書き連ねてあった。

『火炎旋風』『トルネード』『クエイト』‥‥‥‥ふんふん。なるほどなるほど、なるほどね。─────たぶん自分は『陣』無しにいけると思う‥‥‥‥。

『 一応 スキャンしておきます 』

─────はい。

 ちろっと出てきた『ナビ』ちゃんが、仕事をはじめる。いやぁ、優秀優秀。

 てろっと次のページをめくると、そこには『ドレイン』の文字が。

─────あ、これだ。この感じ、姫さんの部屋にあったヤツと同じ『匂い』がする。

『アイツからかすめ盗ってやる』

─────おい、やめときなよ‥‥‥‥。
 これがあるということは‥‥‥‥あった。『解呪』の陣。

『呪われた美女を救う俺様』

─────駄目だ、こいつ。

 よし、やっぱコイツは信用出来ないから、自分オリジナルの『陣』でいこう。

 『ナビ』ちゃんのスキャンが終了したところで、─────ぱんっとノートを閉じた。
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