聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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しょうがないなぁ~

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 リオが創り出した火柱が五本あったものが三本に減り、やがて残り一本となった頃。

「やれやれ、やっと落ち着いてきたって所か」

「きゅ~ん(まだ、あちゅい~)」

「なんで彼奴は平気なんじゃ‥‥‥‥」

「それ聞きます?‥‥‥‥」

  もっさりと生い茂る下木の間から、いい大人二人の顔が覗く。
 とても部下達に見せられる姿ではないが、ここには自分よりも年配の人間もいるし、フェンリルも同じように顔だけ出して覗いているので問題ないと納得している。
  フェンリル頭の上には小さな毛玉も二つ一緒乗っているので、ほのぼの感が半端ない。
 
 熱風が通り過ぎる中、そんな光景にほのぼのしていると、コツン、コツンと音を立てて何かが大量に降り注いてきた。

「─────なんだ?霰か?」

「そんな季節じゃないですよ」

 言いながら自分の目の前にころころ転がってきた小石の様な物体を、一つつまみとってマジマジと観察してみる。─────途端、小石を持っている手が小刻みにプルプルと震え出した。

「こ、─────これって‥‥‥‥もしかして」

「んん?なんじゃ『アレ』の魔石じゃな。嬢ちゃんの風で上空に打ち上げられたヤツが、時間差で落ちてきたんじゃな」

─────無言で投げ飛ばした。
  
 つまんでしまった指を払っていると、いつの間か二匹の毛玉が地上に飛び降りており、大量に降ってきた魔石をまるで飴玉のように口に含んでいる。
 それを止めさせようとしているのか、二匹相手に兄フェンリルが前足でワタワタ慌てている。

「こらこら、食べるでない。兄者が困っておろう」

 ドルクが毛玉の小さな口から魔石を取り出して、遠くに投げる。 
 魔獣は魔石を食べる習慣があると耳にしたことはあるが、この兄妹の中で兄であろうシロの態度からして、『アレ』の魔石は気に入らないのだろう。我ら人間でも『アレ』の魔石は元の姿からして嫌われ者ナンバーワンで、魔石も当然のように敬遠されている。

 ─────はっ、とアルヴァレスは走り出す際に、隊服の中に入れた一匹に目をやると、兄妹と同じようにいつの間にか『アレ』の魔石を口に含んでかみ砕こうとしている。

「食べるな食べるな」

 小さな口から魔石を取ってやると「きゅ~」と不満そうに鳴き声と共に、小さな毛玉が恨めしそうなきゅるるんお目目で訴えてくる。

「しょ、しょうがないなぁ~。ほら、これにしろ」

 自分が保有するアイテムボックスから、先ほどまで自分達が食べていた『おつまみセット』を取り出して、その内の肉を分けてやると、嬉しそうに尻尾をぴるぴるさせて、小さな口で齧り付いた。

「なんじゃ。てっきりあの場に置き去りにしたのかと思ったぞ」

 そう言いながらドルクも小さな毛玉二匹に、肉を分け与えてやる。
 二匹はドルクから肉を貰うと、嬉しそうに尻尾をぴるぴるさせながら、なぜか白陽の背中の上できゃいきゃい騒ぎながら食べ始める。白陽の白い毛並みは、当然のごとく汚れが付いていくわけで‥‥‥‥。

「年下の世話は大変じゃのう‥‥‥‥」

「‥‥‥‥わふ」

 諦めたかのように伏せたフェンリルに、ドルクは一番大きい肉を分けてやった。
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