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ぷんすかおねぇちゃん
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「─────え。じゃあ二人置いてきちゃったんですか?」
「だってママに、『試練の邪魔だから』って戻ってろって~」
突然お供二匹を引き連れて戻ってきたリオは、ブスくれながら収穫してきたイチゴ、もとい『ミウの実』をテーブルの上に置かれた籠に山ほど積んでバク食いをしていたが、ウィル少年からスルッと横からケーキセットが用意され、少しだけ機嫌を直した頃、ようやくちょっとだけ事情が聞き出せた。
突然リオが帰って来たのにも驚いたが、そこには圧倒的に人数が欠けていた。
─────無理やり付いていった男どもがいなかったのだ。
二人はどうしたのかと聞けば、「ママが実力を視るから」って連れていかれたとの返事しか返ってこなかった。
疑問符がポコポコと皆の頭に浮かぶが、肝心の人物がプンスカご機嫌斜めで、中々事情が聞き出せなかった。
機嫌が悪いのは他にもいて、フェンリルのシロ君は例によってドっスンと長椅子を占拠し、ドルクの従魔である鳥魔獣は、何故かテーブルのど真ん中で皆に注目を浴びながら座り込み、今にもふて寝をする態勢だった。
ウィル少年の機転により機嫌をようやく取り戻したリオから事情を聞き出せば、アルヴァレスに付いていく魔獣が現れたらしいのだか、どうやらそれが不機嫌の元らしい。
─────立候補したのは、目の前の長椅子でふて寝しているフェンリルの兄弟らしいという事。そしてリオが言うママというのは、シロ君の母親らしい‥‥‥‥。
「‥‥‥‥シロ君の弟?‥‥‥‥という事は‥‥‥‥!?」
「─────フェ、フェンリルって事ですか!?」
「マジかよっ!?すげぇ!」
「何言ってんのよ!あの子はまだチビッ子なんだよっ!親から離すなんてどうなのよっ!」
沸き立つ人々とは反対に、またしてもリオの機嫌は急降下していくのであったが。
「だってだってだって!まだまだ兄妹でコロコロしている姿のが可愛いじゃないっ!っていうか三つ子ちゃんが触らせてくれるまで私、三日はかかったのよ!なんで初対面の人間が触れるのよっ!!!」
「ムカつくわ~」と続くリオの叫びに、その場にいた人間は察した。不機嫌の原因は後半だな、と‥‥‥‥。
「でも試練の結果次第が芳しくなけりゃ、ママの許可は下りないわねっ!」
当人でないリオとシロ君がふふんとドヤ顔するのはよく分らなかったが、どうやら保護者の許可が下りなければ、アルヴァレス待望の従魔は誕生しないらしい。
「リオさん。試練ってどれぐらいかかるんしょ~か?」
お代りのお茶を置きながらウイル少年が訊ねてきたが、聞かれた本人はキョトンとしばらく固まった後。「‥‥‥‥さぁ?どうなんだろう‥‥‥‥?すぐ?もっと?」と首を傾げた。
その返事に一同は、さぁっと青ざめた。
知能があるフェンリルとはいえ、魔獣に時間の観念があるとは思えない。
試練の結果が出るのは、今日なのか明日なのか。‥‥‥‥考えたくはないが、数年後という可能性もありえる。
「‥‥‥‥ドルク様は、どうされたんです?」
「─────おっさん?なんかよく分んないけど、ママが付き合っていけって」
引きずられて行ったよ。
皆の視線を浴びながら、リオは美味しそうにお茶を飲むのであった。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。本当に本当に、ありがとうございます。
「だってママに、『試練の邪魔だから』って戻ってろって~」
突然お供二匹を引き連れて戻ってきたリオは、ブスくれながら収穫してきたイチゴ、もとい『ミウの実』をテーブルの上に置かれた籠に山ほど積んでバク食いをしていたが、ウィル少年からスルッと横からケーキセットが用意され、少しだけ機嫌を直した頃、ようやくちょっとだけ事情が聞き出せた。
突然リオが帰って来たのにも驚いたが、そこには圧倒的に人数が欠けていた。
─────無理やり付いていった男どもがいなかったのだ。
二人はどうしたのかと聞けば、「ママが実力を視るから」って連れていかれたとの返事しか返ってこなかった。
疑問符がポコポコと皆の頭に浮かぶが、肝心の人物がプンスカご機嫌斜めで、中々事情が聞き出せなかった。
機嫌が悪いのは他にもいて、フェンリルのシロ君は例によってドっスンと長椅子を占拠し、ドルクの従魔である鳥魔獣は、何故かテーブルのど真ん中で皆に注目を浴びながら座り込み、今にもふて寝をする態勢だった。
ウィル少年の機転により機嫌をようやく取り戻したリオから事情を聞き出せば、アルヴァレスに付いていく魔獣が現れたらしいのだか、どうやらそれが不機嫌の元らしい。
─────立候補したのは、目の前の長椅子でふて寝しているフェンリルの兄弟らしいという事。そしてリオが言うママというのは、シロ君の母親らしい‥‥‥‥。
「‥‥‥‥シロ君の弟?‥‥‥‥という事は‥‥‥‥!?」
「─────フェ、フェンリルって事ですか!?」
「マジかよっ!?すげぇ!」
「何言ってんのよ!あの子はまだチビッ子なんだよっ!親から離すなんてどうなのよっ!」
沸き立つ人々とは反対に、またしてもリオの機嫌は急降下していくのであったが。
「だってだってだって!まだまだ兄妹でコロコロしている姿のが可愛いじゃないっ!っていうか三つ子ちゃんが触らせてくれるまで私、三日はかかったのよ!なんで初対面の人間が触れるのよっ!!!」
「ムカつくわ~」と続くリオの叫びに、その場にいた人間は察した。不機嫌の原因は後半だな、と‥‥‥‥。
「でも試練の結果次第が芳しくなけりゃ、ママの許可は下りないわねっ!」
当人でないリオとシロ君がふふんとドヤ顔するのはよく分らなかったが、どうやら保護者の許可が下りなければ、アルヴァレス待望の従魔は誕生しないらしい。
「リオさん。試練ってどれぐらいかかるんしょ~か?」
お代りのお茶を置きながらウイル少年が訊ねてきたが、聞かれた本人はキョトンとしばらく固まった後。「‥‥‥‥さぁ?どうなんだろう‥‥‥‥?すぐ?もっと?」と首を傾げた。
その返事に一同は、さぁっと青ざめた。
知能があるフェンリルとはいえ、魔獣に時間の観念があるとは思えない。
試練の結果が出るのは、今日なのか明日なのか。‥‥‥‥考えたくはないが、数年後という可能性もありえる。
「‥‥‥‥ドルク様は、どうされたんです?」
「─────おっさん?なんかよく分んないけど、ママが付き合っていけって」
引きずられて行ったよ。
皆の視線を浴びながら、リオは美味しそうにお茶を飲むのであった。
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ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。本当に本当に、ありがとうございます。
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