聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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長生きですな

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 勇者のお供がママだった件─────。

「ママ‥‥‥‥」

「ぬ!そんな目つきで見るでないぞ!あの頃はちょっと、とち狂ってただけじゃぁ!」

 自分でゆっちゃってるじゃん、とち狂ってるって‥‥‥‥。日本的に言えば若気の至りってやつだね。
 
 お母さんフェンリルがおっきい体でジタジタするので、三つ子ちゃん達はシロ君の後ろで、見ないように背を向けてます。‥‥‥‥賢いね君達。

「じゃがな!我はヤツと従魔契約をしてたわけじゃないのだからな!」

 契約はしとらん!ちょっと興味がわいてついていっただけだ!そこは大事じゃ!とママンが力説します。

異世界人とやらに興味本位でついていったら、自称勇者は大して戦闘能力がないのに前衛に出たり、毒素が蔓延する沼に突撃したり、人間の雌どものケンカの間に我をわざと混ぜたり云々‥‥‥‥うん、大変だったねそれは。

 語っているうちに色々思い出してきたのか、さらにローリングを重ねるママ。
  
「『勇者』の本性を知っているママからしたら、後世の人間が『勇者』を持ち上げるのが気に入らないと‥‥‥‥」

「そうじゃ!ヤツが口だけで、大した実力がなかったのは事実じゃぁ!」

「じゃあ、最後の敵とやらをやっつけたのは「われじゃあ!」だよね‥‥‥‥」

 おっさんから聞いた昔話とやらは、事実を元にした『おとぎ話』らしいが、だいぶ勇者よりに脚色されているってわけだ。
 その話を読んではないが、自分はあの『日記』を見ちゃてるからなぁ。
 勇者とやらが、おとぎ話のような人物と到底思えない。どちらかと言えば、異世界転移でやらかしちゃってる部類だと簡単に想像出来る。

 というか『勇者』がいた時代にママいたんだ、フェンリルとは長生きなんだな。

 そんな事を思っていると、サアァァァ~と砂埃が風に乗って追加された。

「─────で、あの二人は結局、何をしているの?」

 話題が二人に移った事で、お母さんフェンリルはスンっとお座りの姿勢に戻った。




─────砦の中庭。

「‥‥‥‥リオさん。アレは何ですか?」

「お姫さん。知ってるでしょ?」

「‥‥‥‥え、と、まあ、『元日本人』なんで‥‥‥‥」
 
 今や花畑と化した中庭だが、そこにはリオによって、新たに作成されたものが出来ていた。
 
 そしてそこに相対する、半裸の男二人。 

 一人はアルヴァレス。相対するはドルクのおっさん。
 開始の合図とともに 「「 ふんっっっ!!」」 と組み合う両者─────。

「‥‥‥‥あれ『相撲』ですよね‥‥‥‥」

「‥‥‥‥そう『相撲』だよ。お姫さん‥‥‥‥」

 花畑の中には、新たに『土俵』が作られていた‥‥‥‥。

 ~~~ ~~~ ~~~  
 

 ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
 時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続前転ローリングをかまします。 
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