聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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ちょっと聞いたぁ?

「‥‥‥‥ワウワウわふっ」
「‥‥‥‥ほほぅ、貴様。よほど己に自信があるようだな」

  砦の一室─────。
 アルヴァレスにとって今まさに、負けられない戦いが繰り広げられていた。

「─────ワウワフワフ」
「────ふんっ!見せてもらおうかじゃないかっ!」

「なぜお前らの許可が必要なんだ!俺の、事、なのに‥‥‥‥」

   アルヴァレスと相対しているのは、中型サイズの白陽。
 その背後には、魔王の様なオーラを放つリオの姿があった。
 偉そうに足を組み、そして何故か白陽の背後から通訳(?)係をしていた。。
 
─────絵面的には、アルヴァレスの圧倒的不利が展開している。

「ワフワフわふワウ‥‥‥‥」
「ははは。まさかお前、自分に決定権があると勘違いしているのか?」

「主は俺だろ?!認められたんだから、俺に権利あるよなぁ!」

「ワワワワぉぉ――――――――ン! ワン!」
「きさーんっ!!お前ごときがでしゃばるでわないわっ!!そ・れ・に・だっ!!一体コレは何だだっ!!」

 パァ─────ン!!と机に叩きつけられた数枚の紙。
 
 「何だなんだ?」とフリートとラングが二人揃って、叩きつけられた紙をチラリと覗き見すると、そこにはアルヴァレスの乱雑な文字で、大量の『名前候補』が書きなぐられていた。
 執務室の机の上に散らかしていたのを、見つけられた様だ。 

「‥‥‥‥ワウワウワウ、わふ」
「‥‥‥‥まさかと思うが、コレの中から名付けようとか、思ってはおるまいなぁ」     
「だ、駄目なのかっ!」

 駄目だろうなぁ‥‥‥。
 そこには、『マルマル』『キュンキュン三世』『クロクロ』等々、あきらかに問題しか生み出さない文字の羅列。
 フリートとラングの二人は、悟られないように、そっと視線をそらした。
  
「ワウワウワウっっ!!」
「調子に乗るなよ小僧っ!大体この『クロクロ』ってのは何だ!?あの子のどこに要素があんだよ!」

「何言ってるんだ!あるだろ!」

 アルヴァレスは自分の『鼻』を指さした。

「たしかに~」と二人は、なるほどねと納得はするものの、兄者が出てこなくても、当のちびっ子本人に却下される未来しか見えない。

 無言で呆れる二人の背後で、申し訳程度に扉を叩く音がした。
 カチャ‥‥と恐る恐る二人の隊員と、ウィル少年が覗いてくる。

「終わり‥‥‥‥そうにないですね~」
「見ての通りです」 
「何です、この茶番?」
「俺らに聞くなよ?」

「シロ君は隊長に文句を言っているのは間違いなさそうですが、アレで正解なのでしょうか?」

「知らん。まあ、概ね合ってるんじゃないか?」

 「決定権は、おチビちゃんにあると思うんだけど。それより俺、あの格好の方が気になるんだけど」

 視線の先には、なんちゃって冒険者からどこぞの将軍閣下に変身したリオの姿だ。

「あの服は、『姫様コレクション』ですよ。試着の途中でしたから~」

 そのままここへ来たんじゃないですかね。と語るウィル少年に、なるほどと頷き合う二人組。その二人の間に、チビッ子を抱っこしたマールさんが覗き込む。
 
「あれま。どこかの偉い人が現れたみたいね~」
 
 何気ない一言に、二人組はそういえばと、街でチラリと聞いた噂を話し出した。

 ─────『勇者』と名乗る者が現れた。と

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