聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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クリーンでホワイト

この仕事は、かなり良い。

 降ってわいた国主導のお仕事。土木工事ラッシュを不安に思っていたのだが、そんな心配は杞憂だった。
 なんでも、今まであった河川が何らかの理由で水量が増し、あらゆる所で補修する必要に迫られた事により、国主導でこれを進めるらしいと。 
 
 それに、お姫さまの主導という事で、外聞的にとてもクリーンでホワイトな仕事という、まったく怪しくないおいしい仕事となっていた。

 この仕事の何が良いかというと、ちゃんと休憩時間をくれるどころか、なんと温かい昼飯も提供される。
  初めての試みらしいが、悪くない。こんな仕事場ならいつでも歓迎だ。
 俺らの知ってる土木仕事場というと、干し肉をかじりながら石を運んだり、土に穴を開けたりの作業が延々と続き、つねに皆イライラしがちで無気力。
 あちこちでイザコザなんていうのもしょっちゅうだし、いけ好かない監督官の罵声が響き渡るのも耳障りでしかたない。
 それがどうだ、こんなお仕事ならいつでもこいだ。

 『ちゃんと食わして、休憩もちゃんととる!精神的に余裕あれば、へんなイザコザも減るって事さ!』 いつか遠くから、そんな意見が聞こえたとか何とか。そんな噂が作業員の中で流れていた。何か知らんが、偉い人は、考えることが違うね~。

 恩恵にあずかっている俺等と言えば精神的に余裕が出てきたのか、昼休憩とやらが楽しみな日課になっていた。
 
 昼飯を貰いながら、巷の噂話に耳を傾ける。今までそんな余裕は無かったから、この時間は楽しく感じる。
 偶然とはいえ、この仕事に誘ってくれた知り合いに感謝感激ってもんだ。

「勇者だぁ─────?」

 この日も昼飯にあり付きながら、知り合いが仕入れた噂話を聞いていたのだが‥‥‥‥思わず、横目でチラッと空を見た。
 隣にいた奴は、チラリとカレンダー的な掲示板を確認する。

 ─────うむ。季節的に、変態増加注意報の季節かな。

「それじゃないっすよ。俺だって同じ反応したんですから」

 配膳された昼食を食べながら、休憩の余談話に付き合う。
 うん、本日の昼めしも美味い。
 
「なんかよく分らないスけど、魔王?をやっつけるために、勇者を召喚したんだと。しかも複数人」 

「?」
「?」

 いみがわからない。
  自分がおかしいのか?と隣り奴を見るが、そいつもキョトン顔をしている。
  お互い顔を見合わせて、意見が一致しているのを察する。

「勇者ってのは、季節が暖かくなると沸くやつだろ?」
「まおう?まおうってのはなんだ?」
「こっちに言われても!?聞いた話だっつーの」

「そいつ等、どこに湧いたんだよ」

「‥‥‥‥らしいっす」
「アソコ?」

  ちらっちらっとまわりを確認すると、近寄るように合図をする。
  むさ苦しい男達が耳を寄せあうと、何事かひそひそ呟く。
 次の瞬間、あ~と苦虫を潰したような表情で即解散する。
 
な~」
「温かくなると沸く奴等と、何が違うんだよ。俺は、万が一でもアソコとかかわり合いたくねえな」
「俺、アソコ嫌いだわ」

「ちょっと前までは勢いあったらしいな。最近は信者も減って、落ち目だって言われてるよな」

「アソコうさんくさいからな~。信者獲得に何か企んでるんじゃね?」

 態度と声だけは大きかった集団。
 その存在は一時無視できない勢力図だったが、内輪揉めでも始めたのか、最近はその勢いは落ちていた。

「うさんくさい上に、そいつ等、『異界』とやらから召喚されたらしいっす」

「なん??「聞かんでくれます?」おぉ‥‥‥‥」

 互いの頭の上に『異界』ってなんだ?の疑問符が飛び交った。

「そいつ等、強いのか?」

「どうか知らんっす」
「何の役に立つんだ?」

 ─────さあ?と首を傾げられ、その話は終わった。

「俺らにとっちゃ、仕事と飯をくれるお姫さまの方がありがたいわ~」

「「 違いねぇ !!  」」


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 ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
 時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続ローリングをかまします。 

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