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たまには?出張
一条君の事情?2
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─────いろいろ濃い一日を過ごした。
自分も大概、一般人からの常識から外れていると思っていたが、世の中まだまだ上があると知った記念日でもある。
「さ、行きますよ」
星崎に促されて、本部の屋敷の門をくぐった。
もう今日は色々あったから、帰って寝たい気満々なのだが、本部にはめんどくさい人達を確保してもらったので、あまりわがままは言えない。
忘れてたでしょと星崎から突っこまれるが、忘れてないよ?ちょっと思い出したくなかっただけ。
「────戻ったか。体に不調はないか?」
「はい、総長。問題ありません」
星崎と二人で、上座に座る男に報告をした。
高そうな茶と茶請けの菓子が出てきたが、思わず大量ケーキを買わせた高校生を思い出し、彼は和菓子はどうなんだろう?と考えてしまった。
思わず無言で星崎を見てしまったが、同じことを思ったらしく、「ちょっと怖いんで、考えたくありません」と小声で言われた。
「それで、お前らに協力してくれた人物とやらは、どこの流派の人間だ?」
流派‥‥。あの高校生と先生に流派なんてあるのだろうか?どこまで報告したらいいのだろうか逡巡していると、静かな邸宅にふさわしくない騒がしい声が近づいてきた。
「どういうことだっ!何故我らの家族に監視がはいるのだっ!説明しろっ!」
かなり離れているのにガンガン聞こえてくる怒鳴り声に、思わず三人同時にため息が出た。
「総長っ!────いっ一条、きさま!」
いきなり挨拶もなく襖《ふすま》を開けた中年男は、そこに予想外の人間がいたことに、わかり易く激高した。
「声が大きいですよ」
「周りのお世話係の人を怒鳴りつけるのは、感心しませんね」
中年男からすれば、若造である二人からの冷ややかな態度に、さらに苛立ちを露にするが、上座の男に止められる。
「そんな大声出さんでも、わしの耳は遠くなっとらんわ」
「地獄耳だもんね」
ぽそっと小声で言えば、じろりと睨まれた。おお、こわっ
中年男は井岡の一族だ。ああ、めんどくさい。なんでこの一族は、こうもめんどくさいんだろう。
自分達は上で胡坐をかき、大した力も無いのに下の人間をこき使い、今の地位をずる賢く築いてきた、が
「まあ、ちょうどええわ。お前、井岡と一緒におった女。どこから連れてきた?」
「えっ?ええ 何です? 女? 何のことでしょうか」
「あなたの関係者でしょ?マズイ橋渡りましたね」
まさかバレていると思わなかったのが、目がわかり易く動く。
全てが片付いた今なら解る。邪魔な俺を排除したいが為に、私利私欲で異国の神を呼び込んだのだ。
そしてあの白狐は、そこに便乗していたずらを仕掛けてきただけだが、度か過ぎたためご主人様の怒りを買い「いまめっちゃ凹られてるよ」とは件の高校生談。
─────日本の神様は厳しいのだ。
「─────様をけなすとはね」
「わしも、よもやと思うたが─────様に背くとはな」
「もう、元には戻れませんよ」
彼らの会話の声は聞こえるが、中年男には中身が聞き取れなくなっているようだった。
そのことに三人は気づいた。
「もう聞き取れないようですよ」
「怒りに触れたね。知ってたでしょ?呪術者もただじゃすまないよ」
俺は力を取り戻した時に、ミリの取りこぼしもなく集めて、三倍にして還してやった。
あの感じだと、大分ひどい事になるだろう。
「すべてを吐いて、役職を返上しろ。‥‥‥‥それで済むかわからんがな」
─────そう、無事で済むわけがない。当人だけで済めば御の字だ。
力なく項垂れた男は、集まった警護担当に連れられていった。
神様は厳しい。その神様に親しそう(?)だった彼ら。
────あれ?あの子たちの方がヤバい存在なのか?
集まった人間が去り、元の静けさになったところで
「それでお前らに手を貸したのは‥‥‥‥」
「「 勇者(だそう)です 」」
星崎と台詞が被った。
総長が「は?何言ってんだこいつ等」という視線で見てきたが、広間にある祭壇から気配が漏れ始めたため、祭壇の前に一同頭を下げた。
『お前に預ける』
その一言を残し、気配は消える。
大事なお言葉のはずなのに、意味が解らず互いに顔を見合わせるが誰も理解できていなかった。
なんだったんだ?と星崎の方に見やるが、彼の視線は俺の下の方にむいていた。
そう言えば左膝に違和感が‥‥。と視線を左膝に向ければ、「えい!えい!こいつ!」とばかりに『白狐』に蹴りを入れられていた。
この場に白狐が顕現している事態が異常事態なのだ‥‥‥‥が、如何せん。
「─────小っさっ!! 」
正直な感想が口から洩れてしまい、それにショックを受けた白狐はパタリと倒れてしまった。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続ローリングをかまします。
自分も大概、一般人からの常識から外れていると思っていたが、世の中まだまだ上があると知った記念日でもある。
「さ、行きますよ」
星崎に促されて、本部の屋敷の門をくぐった。
もう今日は色々あったから、帰って寝たい気満々なのだが、本部にはめんどくさい人達を確保してもらったので、あまりわがままは言えない。
忘れてたでしょと星崎から突っこまれるが、忘れてないよ?ちょっと思い出したくなかっただけ。
「────戻ったか。体に不調はないか?」
「はい、総長。問題ありません」
星崎と二人で、上座に座る男に報告をした。
高そうな茶と茶請けの菓子が出てきたが、思わず大量ケーキを買わせた高校生を思い出し、彼は和菓子はどうなんだろう?と考えてしまった。
思わず無言で星崎を見てしまったが、同じことを思ったらしく、「ちょっと怖いんで、考えたくありません」と小声で言われた。
「それで、お前らに協力してくれた人物とやらは、どこの流派の人間だ?」
流派‥‥。あの高校生と先生に流派なんてあるのだろうか?どこまで報告したらいいのだろうか逡巡していると、静かな邸宅にふさわしくない騒がしい声が近づいてきた。
「どういうことだっ!何故我らの家族に監視がはいるのだっ!説明しろっ!」
かなり離れているのにガンガン聞こえてくる怒鳴り声に、思わず三人同時にため息が出た。
「総長っ!────いっ一条、きさま!」
いきなり挨拶もなく襖《ふすま》を開けた中年男は、そこに予想外の人間がいたことに、わかり易く激高した。
「声が大きいですよ」
「周りのお世話係の人を怒鳴りつけるのは、感心しませんね」
中年男からすれば、若造である二人からの冷ややかな態度に、さらに苛立ちを露にするが、上座の男に止められる。
「そんな大声出さんでも、わしの耳は遠くなっとらんわ」
「地獄耳だもんね」
ぽそっと小声で言えば、じろりと睨まれた。おお、こわっ
中年男は井岡の一族だ。ああ、めんどくさい。なんでこの一族は、こうもめんどくさいんだろう。
自分達は上で胡坐をかき、大した力も無いのに下の人間をこき使い、今の地位をずる賢く築いてきた、が
「まあ、ちょうどええわ。お前、井岡と一緒におった女。どこから連れてきた?」
「えっ?ええ 何です? 女? 何のことでしょうか」
「あなたの関係者でしょ?マズイ橋渡りましたね」
まさかバレていると思わなかったのが、目がわかり易く動く。
全てが片付いた今なら解る。邪魔な俺を排除したいが為に、私利私欲で異国の神を呼び込んだのだ。
そしてあの白狐は、そこに便乗していたずらを仕掛けてきただけだが、度か過ぎたためご主人様の怒りを買い「いまめっちゃ凹られてるよ」とは件の高校生談。
─────日本の神様は厳しいのだ。
「─────様をけなすとはね」
「わしも、よもやと思うたが─────様に背くとはな」
「もう、元には戻れませんよ」
彼らの会話の声は聞こえるが、中年男には中身が聞き取れなくなっているようだった。
そのことに三人は気づいた。
「もう聞き取れないようですよ」
「怒りに触れたね。知ってたでしょ?呪術者もただじゃすまないよ」
俺は力を取り戻した時に、ミリの取りこぼしもなく集めて、三倍にして還してやった。
あの感じだと、大分ひどい事になるだろう。
「すべてを吐いて、役職を返上しろ。‥‥‥‥それで済むかわからんがな」
─────そう、無事で済むわけがない。当人だけで済めば御の字だ。
力なく項垂れた男は、集まった警護担当に連れられていった。
神様は厳しい。その神様に親しそう(?)だった彼ら。
────あれ?あの子たちの方がヤバい存在なのか?
集まった人間が去り、元の静けさになったところで
「それでお前らに手を貸したのは‥‥‥‥」
「「 勇者(だそう)です 」」
星崎と台詞が被った。
総長が「は?何言ってんだこいつ等」という視線で見てきたが、広間にある祭壇から気配が漏れ始めたため、祭壇の前に一同頭を下げた。
『お前に預ける』
その一言を残し、気配は消える。
大事なお言葉のはずなのに、意味が解らず互いに顔を見合わせるが誰も理解できていなかった。
なんだったんだ?と星崎の方に見やるが、彼の視線は俺の下の方にむいていた。
そう言えば左膝に違和感が‥‥。と視線を左膝に向ければ、「えい!えい!こいつ!」とばかりに『白狐』に蹴りを入れられていた。
この場に白狐が顕現している事態が異常事態なのだ‥‥‥‥が、如何せん。
「─────小っさっ!! 」
正直な感想が口から洩れてしまい、それにショックを受けた白狐はパタリと倒れてしまった。
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