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第2章 日常となる日々の中で
第2章 第3話 巫女の護衛
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流れ落ちる汗と共に床にへたり込む。
魂が抜けてくような倦怠感でしばらく動けない。ただ、燦々と窓をすり抜ける陽射しを、ぼーーっと眺める。
手をついた板間はひやりとした冷たさがあって、心地いい。
目の前にことりと果実水の瓶が現れて、頭にはふわっとタオルのような柔らかな布がかけられた。
「脱水になる、飲め。あと、あまり陽に当たると、この時期でも熱中症になる。」
呆けて動けない私に、義兄さんがしゅぽんと瓶の蓋をひねって水を渡す。
汗のように雫をまとったその感触に、白くぼやけていた世界が、輪郭を取り戻していく。
一口含めば、控えめな酸味が喉を潤して、より目が冴えてきた。
コクコクと喉を鳴らして、果実水を飲む私の様子を伺いながら、ミレイ様が次の予定を告げた。
「今日の舞はここまで、ですわ。急で恐縮ですが、この後すぐにリィナ様には巫女専属護衛の皆様をご紹介したいんですの。よろしくて?」
ーー巫女専属護衛??
日頃馴染みない単語を、脳が処理できず、また、ぽかんと呆けてしまう。
よろしくて?とは言われたけれど…ミレイ様の優美な笑顔は目の奥がを鋭い光を湛えていて、思わずたじろいでしまう。
ーーこれもきっと断れないやつ…だ、よね。
「護衛って義兄さんだけじゃないんですか?」
考えることも面倒になって、私はただ率直に疑問を口にする。
「カイゼル様のお役目はたしかに『儀式の護衛』もあります。ですが、リィナ様の御身を守ることもお仕事ですの。一人では無理ですわ。」
「ね」と言いながら、指先を右頬に当てて、こてりと首を傾げてミレイ様が言う。
あざといその姿が様になり過ぎてかえって妙に不安を煽られる。
ーー御身を守る?守るほどのことが起きるの?…私に?命に関わる…とか?
正直、『世界樹の巫女』という存在が、どんな立場なのか…私はよく理解していない。
いくら色んな人に説明されても、経典を目の前に積まれても…実感がないんだ。
ーー私はここで生まれ育った訳じゃないから…『巫女様』の凄さが分からない…
与えられたことを、ただ仕事のように必死でこなしているだけ。
そして、不相応に扱われることに得体の知れない警戒が湧き、戸惑いから次の言葉を探せない。
「巫女の護衛はこの世界ではかなり名誉な職だ。皆、訓練を積み…俺がお前と相性の良さそうな人間を選んでいる。」
義兄さんがそっと私の手を包むように掴んで、立ち上がらせる。
「相性」「選ぶ」
義兄さんの話には違和感はあるけれど、それも何なのかはっきりしないまま、モヤモヤとした不安が残る。
青い瞳は、そんな私の胸の内の不安を見透かそうと覗き込んでいる。
「あ、いや…日本でもSPとか護衛って、ほら、ドラマとかアニメの中でしか見たことないから、びっくりしただけ…」
ーー私のため…そう言われちゃうと、怖いなんて言えないや…
モヤついた気持ちを覗かれないようにと、あえて、ひたりと義兄の目を見据えて答える。
私が落ち着いたのを見計らって、ミレイ様が外に向かって声をかけた。
「では、皆様どうぞ、お入りくださいませ。」
内扉が開いて、義兄さんと同じ紺色の騎士の制服を着た人達が入ってきた。
10人ほどが横一列にズラリと並ぶ。
ーーもう待ってたんだ…城で見かける騎士団の人達と襟の色が違う…本当に巫女のための護衛なんだ…
さっきの警戒を伴う緊張がぶり返して、身体全体が僅かに強張った。
「ご紹介いたしますわ。こちらが、リィナ様の護衛の皆さまです。」
ミレイ様は、一人ひとりに目を合わせ、朗らかに名を呼ぶ。名前を呼ばれた人は、それぞれが一歩前に出て、一言二言挨拶をしてくれる。
私はなるべく愛想よく見えるように、口角をめいいっぱい上げて笑顔を作って会釈を返す。
ーー顔は覚えられそう…だけど、名前までいけるかな…なんとか顔だけでも覚えよう…失礼のないように。
頭の中では冷や汗を流しながらも、何度も言われた名を言葉に出さずに頭の中で連呼する。
最後、列の1番右端に並んだ人まで来た。
「副隊長のシエナです。リィナ様、お初にお目にかかります」
そう言って頭を下げてきたのは、女性の騎士だった。
私の頭1つ分は高くて、引き締まった表情はとても凛としている。銀髪を高い位置で結い、瞳も煌めくようなシルバーだ。
ーークールビューティだなあ…そう言えば、よく外からここの様子を見てた人だ…
見惚れていると…ずいっと一歩大きく踏み出して、シエナさんが私の真ん前に立った。
ーーん?なんか…近くない?
圧倒されてしまって、おずおずと顔を見上げると、硬質な銀色の瞳がギラリと輝きを増した。
「日頃より、この訓練場の警護は致しておりましたが…正式な着任に際し、改めてご挨拶を…」
そう言いながら、さらに半歩…身を寄せてくる。ふわりとシトラスのような清涼が鼻を抜けていく。
「あ…はい…」
シエナさんはずいっと床に片膝をついて、右手を胸に当てた。動くとやっぱりシトラスとグリーンティーのような瑞々しい香りがふわりと漂い、鼻腔を擽る。
「私、シエナは、巫女様の御身、命に代えてお守りいたします」
「あ…はい…あの」
ーーなんて返したらいい?いや…ちょっと待って…命って…やっぱり護衛って、そんな大変なの?それに、なんか凄い目ヂカラ強いし…
心なしか、周囲の魔素も冷やかな銀色に変わりつつ、硬質な光を放つ。
なのに…緊張から温度は上がり、ほんのりと背中が汗ばんでくる。
「えっと光栄…です?」
やっと返事は返すものの、シエナさんはじっと私を見続けて、動かない。
ーーあと何か言うこととか…やることある?のかな?作法が分かんないし…
泣きそうな気持ちと緊張が続いて、私もまた動けずに、シエナさんと見つめ合ってしまう。
そうすると、すうっとシエナさんの瞳が細まって、「なんと…お…お可愛らしい…」そんな小さな呟きと共に、胸に当てた右手が躊躇いがちに私へと伸ばされてきた。
ーーえ?今…なんか言った?聞き間違い?
「……副隊長、そこまでです。」
淡く薄い青い光のヴェールが私とシエナさんの間を遮って、ぱっと消えた。銀色の魔素も合わせて消える。
そこでシエナさんははっとしたように立ち上がり、義兄に向かって一礼する。
その様子はもうすっかり最初のクールビューティーに戻っている。
私のじんわりと火照った体も、いつもの体温を取り戻していく。そして、緊張が戸惑いに変わって、身体に残る。
「隊長、すみません。」
ーー隊長??って…誰?
よく見ると白く切り替えされ騎士服の襟元。他の人のバッチと義兄のバッチの色が違う。シエナさんもだ…
他の人は緑…、シエナさんは濃い青…義兄さんのは深紅…しかもちょっと形も違うし…
ーーこれってもしかして階級を表してるの?
「義兄さん…隊長って何?誰のこと?」
さっきの違和感の正体って…
私の質問に虚を突かれたのか、義兄さんは何も言わず、私を見返している。少し慌てたように揺らぐ青い瞳は、私に説明をしたのかどうか思い出してる最中に違いない。
「あー、カイゼルさんのことっすよ~」
真ん中あたりの縮れた茶色の髪をした人が
軽く義兄を指さしながら答えた。
「この人、凄くって~。半年前に来たばっかりなのに、魔素のコントロールは抜群だし、剣を持たせてもすごい上達早いし、魔獣の討伐にもビビらないし、何よりも巫女様のことを毎日…毎日…ん?んんん???」
茶色の人は矢継ぎ早に喋っていたのに、突然口を押さえてしゃがみ込む。
視界の端でさっと義兄さんの右腕が動いていた。青い光が何かクロードさんの周りで動いた気もするけど…きっと気のせい…
「クロード、そこまでだ。」
義兄さんはチラリとクロードさんとやらを、もう一度目で制して、私に向き合う。
「俺は…ここの騎士団に所属している。そして先日、王太子殿下より巫女専属護衛隊の隊長を拝命した…」
『言ってなくて、すまなかった』
そんな心の声が聞こえた気がする。自分のことに関してはあんまり言わないのはいつものことなんだけど。
怜悧な表情のまま、また少しだけ目を伏せてる様子に、ふうっと力が抜けてくる。
ーー隊長ねえ…義兄さんが何でもできるのは知ってるけど、ちょっとチートが過ぎない?
ーーああ、そうか…そうだった…
日本にいた時、神殿で木刀振り回してた姿が脳裏を過ぎる。
そういや、居合道も極めてたよな。古武術とかもやってたわ。神様に奉納するとかなんとか…
ーー武士から騎士かよ…なんのジョブチェンなん?
ふっと口の端から笑いが溢れると、安心したように義兄さんが私を見る。
「そう言うのは、早く言ってよ」
ーーどこにいても、この人は変わらない。
大きく息を吸い込めば…ミントのような清々しい香りが入り込んできた。
ーー私ももう少し『巫女』について勉強しておかなくちゃ…自分でも頑張らないと。
整然と立ち並ぶ紺色の制服の上に、さまざまな表情を浮かべた護衛の皆を見ながら、そっと決意した。
魂が抜けてくような倦怠感でしばらく動けない。ただ、燦々と窓をすり抜ける陽射しを、ぼーーっと眺める。
手をついた板間はひやりとした冷たさがあって、心地いい。
目の前にことりと果実水の瓶が現れて、頭にはふわっとタオルのような柔らかな布がかけられた。
「脱水になる、飲め。あと、あまり陽に当たると、この時期でも熱中症になる。」
呆けて動けない私に、義兄さんがしゅぽんと瓶の蓋をひねって水を渡す。
汗のように雫をまとったその感触に、白くぼやけていた世界が、輪郭を取り戻していく。
一口含めば、控えめな酸味が喉を潤して、より目が冴えてきた。
コクコクと喉を鳴らして、果実水を飲む私の様子を伺いながら、ミレイ様が次の予定を告げた。
「今日の舞はここまで、ですわ。急で恐縮ですが、この後すぐにリィナ様には巫女専属護衛の皆様をご紹介したいんですの。よろしくて?」
ーー巫女専属護衛??
日頃馴染みない単語を、脳が処理できず、また、ぽかんと呆けてしまう。
よろしくて?とは言われたけれど…ミレイ様の優美な笑顔は目の奥がを鋭い光を湛えていて、思わずたじろいでしまう。
ーーこれもきっと断れないやつ…だ、よね。
「護衛って義兄さんだけじゃないんですか?」
考えることも面倒になって、私はただ率直に疑問を口にする。
「カイゼル様のお役目はたしかに『儀式の護衛』もあります。ですが、リィナ様の御身を守ることもお仕事ですの。一人では無理ですわ。」
「ね」と言いながら、指先を右頬に当てて、こてりと首を傾げてミレイ様が言う。
あざといその姿が様になり過ぎてかえって妙に不安を煽られる。
ーー御身を守る?守るほどのことが起きるの?…私に?命に関わる…とか?
正直、『世界樹の巫女』という存在が、どんな立場なのか…私はよく理解していない。
いくら色んな人に説明されても、経典を目の前に積まれても…実感がないんだ。
ーー私はここで生まれ育った訳じゃないから…『巫女様』の凄さが分からない…
与えられたことを、ただ仕事のように必死でこなしているだけ。
そして、不相応に扱われることに得体の知れない警戒が湧き、戸惑いから次の言葉を探せない。
「巫女の護衛はこの世界ではかなり名誉な職だ。皆、訓練を積み…俺がお前と相性の良さそうな人間を選んでいる。」
義兄さんがそっと私の手を包むように掴んで、立ち上がらせる。
「相性」「選ぶ」
義兄さんの話には違和感はあるけれど、それも何なのかはっきりしないまま、モヤモヤとした不安が残る。
青い瞳は、そんな私の胸の内の不安を見透かそうと覗き込んでいる。
「あ、いや…日本でもSPとか護衛って、ほら、ドラマとかアニメの中でしか見たことないから、びっくりしただけ…」
ーー私のため…そう言われちゃうと、怖いなんて言えないや…
モヤついた気持ちを覗かれないようにと、あえて、ひたりと義兄の目を見据えて答える。
私が落ち着いたのを見計らって、ミレイ様が外に向かって声をかけた。
「では、皆様どうぞ、お入りくださいませ。」
内扉が開いて、義兄さんと同じ紺色の騎士の制服を着た人達が入ってきた。
10人ほどが横一列にズラリと並ぶ。
ーーもう待ってたんだ…城で見かける騎士団の人達と襟の色が違う…本当に巫女のための護衛なんだ…
さっきの警戒を伴う緊張がぶり返して、身体全体が僅かに強張った。
「ご紹介いたしますわ。こちらが、リィナ様の護衛の皆さまです。」
ミレイ様は、一人ひとりに目を合わせ、朗らかに名を呼ぶ。名前を呼ばれた人は、それぞれが一歩前に出て、一言二言挨拶をしてくれる。
私はなるべく愛想よく見えるように、口角をめいいっぱい上げて笑顔を作って会釈を返す。
ーー顔は覚えられそう…だけど、名前までいけるかな…なんとか顔だけでも覚えよう…失礼のないように。
頭の中では冷や汗を流しながらも、何度も言われた名を言葉に出さずに頭の中で連呼する。
最後、列の1番右端に並んだ人まで来た。
「副隊長のシエナです。リィナ様、お初にお目にかかります」
そう言って頭を下げてきたのは、女性の騎士だった。
私の頭1つ分は高くて、引き締まった表情はとても凛としている。銀髪を高い位置で結い、瞳も煌めくようなシルバーだ。
ーークールビューティだなあ…そう言えば、よく外からここの様子を見てた人だ…
見惚れていると…ずいっと一歩大きく踏み出して、シエナさんが私の真ん前に立った。
ーーん?なんか…近くない?
圧倒されてしまって、おずおずと顔を見上げると、硬質な銀色の瞳がギラリと輝きを増した。
「日頃より、この訓練場の警護は致しておりましたが…正式な着任に際し、改めてご挨拶を…」
そう言いながら、さらに半歩…身を寄せてくる。ふわりとシトラスのような清涼が鼻を抜けていく。
「あ…はい…」
シエナさんはずいっと床に片膝をついて、右手を胸に当てた。動くとやっぱりシトラスとグリーンティーのような瑞々しい香りがふわりと漂い、鼻腔を擽る。
「私、シエナは、巫女様の御身、命に代えてお守りいたします」
「あ…はい…あの」
ーーなんて返したらいい?いや…ちょっと待って…命って…やっぱり護衛って、そんな大変なの?それに、なんか凄い目ヂカラ強いし…
心なしか、周囲の魔素も冷やかな銀色に変わりつつ、硬質な光を放つ。
なのに…緊張から温度は上がり、ほんのりと背中が汗ばんでくる。
「えっと光栄…です?」
やっと返事は返すものの、シエナさんはじっと私を見続けて、動かない。
ーーあと何か言うこととか…やることある?のかな?作法が分かんないし…
泣きそうな気持ちと緊張が続いて、私もまた動けずに、シエナさんと見つめ合ってしまう。
そうすると、すうっとシエナさんの瞳が細まって、「なんと…お…お可愛らしい…」そんな小さな呟きと共に、胸に当てた右手が躊躇いがちに私へと伸ばされてきた。
ーーえ?今…なんか言った?聞き間違い?
「……副隊長、そこまでです。」
淡く薄い青い光のヴェールが私とシエナさんの間を遮って、ぱっと消えた。銀色の魔素も合わせて消える。
そこでシエナさんははっとしたように立ち上がり、義兄に向かって一礼する。
その様子はもうすっかり最初のクールビューティーに戻っている。
私のじんわりと火照った体も、いつもの体温を取り戻していく。そして、緊張が戸惑いに変わって、身体に残る。
「隊長、すみません。」
ーー隊長??って…誰?
よく見ると白く切り替えされ騎士服の襟元。他の人のバッチと義兄のバッチの色が違う。シエナさんもだ…
他の人は緑…、シエナさんは濃い青…義兄さんのは深紅…しかもちょっと形も違うし…
ーーこれってもしかして階級を表してるの?
「義兄さん…隊長って何?誰のこと?」
さっきの違和感の正体って…
私の質問に虚を突かれたのか、義兄さんは何も言わず、私を見返している。少し慌てたように揺らぐ青い瞳は、私に説明をしたのかどうか思い出してる最中に違いない。
「あー、カイゼルさんのことっすよ~」
真ん中あたりの縮れた茶色の髪をした人が
軽く義兄を指さしながら答えた。
「この人、凄くって~。半年前に来たばっかりなのに、魔素のコントロールは抜群だし、剣を持たせてもすごい上達早いし、魔獣の討伐にもビビらないし、何よりも巫女様のことを毎日…毎日…ん?んんん???」
茶色の人は矢継ぎ早に喋っていたのに、突然口を押さえてしゃがみ込む。
視界の端でさっと義兄さんの右腕が動いていた。青い光が何かクロードさんの周りで動いた気もするけど…きっと気のせい…
「クロード、そこまでだ。」
義兄さんはチラリとクロードさんとやらを、もう一度目で制して、私に向き合う。
「俺は…ここの騎士団に所属している。そして先日、王太子殿下より巫女専属護衛隊の隊長を拝命した…」
『言ってなくて、すまなかった』
そんな心の声が聞こえた気がする。自分のことに関してはあんまり言わないのはいつものことなんだけど。
怜悧な表情のまま、また少しだけ目を伏せてる様子に、ふうっと力が抜けてくる。
ーー隊長ねえ…義兄さんが何でもできるのは知ってるけど、ちょっとチートが過ぎない?
ーーああ、そうか…そうだった…
日本にいた時、神殿で木刀振り回してた姿が脳裏を過ぎる。
そういや、居合道も極めてたよな。古武術とかもやってたわ。神様に奉納するとかなんとか…
ーー武士から騎士かよ…なんのジョブチェンなん?
ふっと口の端から笑いが溢れると、安心したように義兄さんが私を見る。
「そう言うのは、早く言ってよ」
ーーどこにいても、この人は変わらない。
大きく息を吸い込めば…ミントのような清々しい香りが入り込んできた。
ーー私ももう少し『巫女』について勉強しておかなくちゃ…自分でも頑張らないと。
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