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第4章 発露する過去への想いと融解
第4章 第6話 駆け引き(Sideレオニス)
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Sideレオニス
ーーやっと来たか。
僕は狩りの前のような、緊張と駆け引きとの予感に高揚し腹の底からぞくぞくしてくる。
ーーさて、今日はどんな言葉でその鉄面皮にヒビを入れてあげようかな…
「失礼します」と言って部屋に入り、相変わらず無駄のない動きで、僕に近寄って、目の前に立った男を見上げる。
心の内にも大嵐を巻き起こしてやるために、最短で最適な言葉と表情が何かを模索する。
「カイゼル。巫女様の様子の報告を。」
前置きなく本題から入ってみる。カイゼルは特に驚いた様子もなく、魔獣の出現と巫女様の報告を始めた。そして、彼女の持病とその原因も。今までの対処方法も含めて…
淡々と事務的に報告する様子からは、すでに僕がミレイから巫女様の発作について…聞き及んでいると…察しているのが伝わってくる。
ーーその上でこちらの欲しい情報も計算し、何も言わないのに伝えてくる。さすがだよ。
ーーさて、どうしたものかな。
僕はカイゼルの内に流れる魔素の色合いに、にやりと内心でほくそ笑む。
「で、どうだったの?巫女様の魔素は?」
「体調は落ち着いておりますが…」
いつもの真顔が怪訝そうに少しだけ歪む。この男の表情を崩せるのは、こいつが「義妹」と呼ぶ巫女の話題の時だけだ。
本人はうまく隠してるつもりのようだけど…何を言われるのかと、警戒してるな。これは。
「そうじゃなくてね。カイゼル。」
僕はしっかりとカイゼルに目線を合わせて、両手を組んで顎の下に添える。金色の光に威圧を混ぜて、笑いながらその瞳を射抜いてみる。
「『最愛』の魔素が自分の体を満たして、溶け合うのはどんな感覚だったって聞いてるんだよ。」
カイゼルの口元がピクリと動いて、そのまま黙り込んで動かない。
ーーそうか、僕の次の言葉を待ってるんだね…探ってるのか?動揺は、見せたくない。よね?
ほんの少し仮面にヒビが入ったようだ。もう何も表情は動かさないが、意図的に無表情を装っている姿に、くすりと笑いがこぼれる。
「僕にはね、人の身の内に流れる魔素が見えるんだ。誰と誰が魔素のやり取りをしたのか…それがどれほどの量か…見えるんだよ。」
また、ピクリと口元が動く。
ーー知らなかっただろう?
してやったりとばかりに、ゾクリとした高揚が腹の内で波打った。
「君の中のそれはさ…手を繋いだだけじゃあ、そんな量にはならないよねえ…」
何も語ろうとしない青の瞳が、警戒の色だけを濃くして、僕を見つめる。
「…口付けでも、した?」
部屋の空気が音を失った。
黙り込んだ男の内はぐるぐると青紫の魔素が濁流のように巡っている。
奴の周囲は落ち着きのない青がざわざわと床を這う。
表情は相変わらず何も変わらないけれど。
ーー嵐は起きたな?さあ、君はなんて弁明して、それを乗り切ろうとするんだい?
瞬き二つの間に、カイゼルの逡巡は終わる。
「…あれは、発作を止めるための処置です」
ーーかかったな…。僕はミレイからはそこまでの報告は受けてない。
僕の張った金色の網に、青の光が捕らわれる。
「ねえ、カイゼル。君は護衛契約の本来のやり方に気付いているんだろう?」
僕の言葉に床を這う青い魔素が殺気を含んで飛び上がろうとした。
だが、それは僕の網にかかって動けないでいる。
ーー魔素のコントロールもままならないか…義妹に関しては、やはり存外に分かりやすい男だな…
いつもの怜悧な青は、荒波に呑まれて、ぐらぐらと揺れ動いている。
何も聞いていなかったとそこをただ怒ってるんじゃない。
義妹に自分の気持ちが露呈するんじゃないかと…そちらを警戒しているんだろう。
別に隠してた訳じゃない。
はっきりとは言ってなかっただけだ。
それを理解してるから、怒ってはいても反論してこない。
カイゼルの暴れるような魔素を受け止めながらも、どこか僕の気持ちは浮足立ってしまう。
ーーいいねえ、君のそういうところが大好きだよ。
机の下で隠されたつま先で、トントンと床に二つもリズムを刻んでしまった。
ーーもう少し責めてみるか…君が一番嫌がること…は?
「それで?君たちはいつまで兄妹ごっこやってるの?」
刹那、怒りで燃え立つ青が仄暗い黒を含み始め、僕ではない何かを見つめている。
「あいつは道具ではありません。それに、あいつには元の世界に好きな男がいる。」
青黒い魔素が怒りからなのか渇望からなのか熱を帯びて、僕の金色を焦がさんと燃え上がる。
ーーへえ、そう来たか…。
「だけど君はもう『最愛』との魔素を交換する恍惚を知ってしまった。
ーーそもそもさ、君は彼女を他の男に渡せるの?」
挑むようにカイゼルを見つめれば、さらに青い瞳が黒く染まり、さらに深淵に堕ちていく。
「巫女様が良ければ、僕らは誰でもいいんだよ」
『でも、本当に君はそれでいいの?』
瞳だけで問いかければ、仄暗い青に荒ぶる波が一気に渦を巻いたのが見える。
そして、青黒い魔素がのたうちまわるように床の上で暴れている。
「ただ契約すればいいんじゃないんだよ?カイゼル。」
荒ぶる青い魔素をしっかりと金の網で押さえつけて、身動きを封じる。
「そこには『愛』が要る。——この世界は、ミィフィルディア様の言うとおり『愛』でできている。」
そう告げれば、青い魔素は一瞬だけ力を失い…
一気に青く燃えさかって網を灼ききった。
カイゼルは、そのまま軽く一礼をして、くるりと僕に背を向ける。
「…選ぶのは君でも、僕でもないよ。巫女様自身だ。」
黒く青く燃える魔素を燃やす背中に、そう言ってやれば、扉にかけた手が止まり…すぐに何も言わずに出ていった。
ーー今、あれの身の内をのたうち回る激情は、次に、君にどんな行動を取らせるんだろうなあ。
想像すれど、全く予想がつかない。
そして、この程度であの男が急に素直になるとも思えない。
くくくと人知れず忍び笑いがこぼれて、部屋中に舞う金色も小刻みに揺れる。
ーーカイゼル、君は僕にとってたまらなく面白い存在だよ…そうか、君はそんなに拗らせていたのか
「レオニス様」
思索に耽っていると、柔らかく、けれど嗜めるように言いながら、『僕の最愛』が奥の扉から出てきた。
艶やかなピンクブロンドに潤みをたたえた新緑の瞳。きっちりと着込まれた禁欲的な神官服が、かえって僕の欲を刺激する。
ーー僕の最愛の女神。
「レオニス様、少し事を急ぎ過ぎてはございませんか?…それにカイゼル様のことを面白がっていらっしゃるでしょう?」
傍らに立つミレイの手を引いて、僕の膝の上に座らせる。その柔らかな感触が、腰骨の奥の劣情を刺激する。そっと太腿に手を沿わせて、女性らしい曲線を堪能する。
「僕はあの石頭に愛し合う喜びを教えたいだけだよ。それにああいうタイプはさ、一度受けた恩はずっと忘れないじゃないか…僕はねえ…彼をとても買ってるんだよ。巫女様のことさえなければ、側近にしたいくらいなんだよ」
そう言って、その赤く色づいた唇を味わう。
漏れる吐息の甘さに頭の芯まで痺れてくる。
「王宮の敷地に魔獣が出た…。二月以上も前に巫女が目覚めたのに、なぜ儀式が行われないのか…
王宮の者達も民も不安の声が大きくなっているだろう?時間がないのは本当だ。」
僕はボタンを外して、緩く空いた襟元に手を入れる。そのまろやかな膨らみを揉みしだく。
「レオニス様…それはそうですが…まだ猶予はございますわ…」
息を途切れさせながらも、彼女はもう一度やんわりと僕を嗜める。
そんな彼女の唇を再びふさぎ、反対側の手をローブの裾から忍び込ませる。
「そうだね…まだ猶予はある。君とこんなことをするくらいはね。」
手を這わせて、太腿の内側をたどると、すでに聖油を垂らした秘所が待ち受けていた。
指をそっと割り入れて、じっとり筋をなぞりあげる。密を含んで花芽が膨らんでいた。
そっと円を描くように撫でれば、甘い吐息は嬌声に変わる。
僕の手で、僕の花が咲いていく。
その悦びに、僕の身体は昂って、熱くなる一方だ。
さて、僕と彼女との癒やしの時間の始まりだ。
「リィナ様は巫女になる運命だと世界樹に定められたお方…世界を創る『愛』は、育まれるまで待たねばなりません。」
ーーそうだね、ミレイ。
それくらい僕も分かってるよ。
でも、その前にあの堅物をなんとかしないとね。
ミレイに口づけながら、金色の魔素をどんどん流し込み、彼女が僕の色で満たされ、僕が彼女の緑で満たされるのを感じる。
ーーこの愉悦と官能と恍惚をもっと深く味わおうとしないなんて…君は弱虫だなあ、カイゼル…。
でも、きっと君は自分からあの仮面を外して、彼女に「男」として、愛を捧げる日が来るんだろう。
ーー待ち遠しいよ、その日が…
そして、その時、ようやくこの世界は再生を果たすのだ。
夜の帳が落ち、月光がこの世界を照らし出す。よく目を凝らせば、夜闇に崩壊の『赤』が紛れ込んでいる。
ーーやっと来たか。
僕は狩りの前のような、緊張と駆け引きとの予感に高揚し腹の底からぞくぞくしてくる。
ーーさて、今日はどんな言葉でその鉄面皮にヒビを入れてあげようかな…
「失礼します」と言って部屋に入り、相変わらず無駄のない動きで、僕に近寄って、目の前に立った男を見上げる。
心の内にも大嵐を巻き起こしてやるために、最短で最適な言葉と表情が何かを模索する。
「カイゼル。巫女様の様子の報告を。」
前置きなく本題から入ってみる。カイゼルは特に驚いた様子もなく、魔獣の出現と巫女様の報告を始めた。そして、彼女の持病とその原因も。今までの対処方法も含めて…
淡々と事務的に報告する様子からは、すでに僕がミレイから巫女様の発作について…聞き及んでいると…察しているのが伝わってくる。
ーーその上でこちらの欲しい情報も計算し、何も言わないのに伝えてくる。さすがだよ。
ーーさて、どうしたものかな。
僕はカイゼルの内に流れる魔素の色合いに、にやりと内心でほくそ笑む。
「で、どうだったの?巫女様の魔素は?」
「体調は落ち着いておりますが…」
いつもの真顔が怪訝そうに少しだけ歪む。この男の表情を崩せるのは、こいつが「義妹」と呼ぶ巫女の話題の時だけだ。
本人はうまく隠してるつもりのようだけど…何を言われるのかと、警戒してるな。これは。
「そうじゃなくてね。カイゼル。」
僕はしっかりとカイゼルに目線を合わせて、両手を組んで顎の下に添える。金色の光に威圧を混ぜて、笑いながらその瞳を射抜いてみる。
「『最愛』の魔素が自分の体を満たして、溶け合うのはどんな感覚だったって聞いてるんだよ。」
カイゼルの口元がピクリと動いて、そのまま黙り込んで動かない。
ーーそうか、僕の次の言葉を待ってるんだね…探ってるのか?動揺は、見せたくない。よね?
ほんの少し仮面にヒビが入ったようだ。もう何も表情は動かさないが、意図的に無表情を装っている姿に、くすりと笑いがこぼれる。
「僕にはね、人の身の内に流れる魔素が見えるんだ。誰と誰が魔素のやり取りをしたのか…それがどれほどの量か…見えるんだよ。」
また、ピクリと口元が動く。
ーー知らなかっただろう?
してやったりとばかりに、ゾクリとした高揚が腹の内で波打った。
「君の中のそれはさ…手を繋いだだけじゃあ、そんな量にはならないよねえ…」
何も語ろうとしない青の瞳が、警戒の色だけを濃くして、僕を見つめる。
「…口付けでも、した?」
部屋の空気が音を失った。
黙り込んだ男の内はぐるぐると青紫の魔素が濁流のように巡っている。
奴の周囲は落ち着きのない青がざわざわと床を這う。
表情は相変わらず何も変わらないけれど。
ーー嵐は起きたな?さあ、君はなんて弁明して、それを乗り切ろうとするんだい?
瞬き二つの間に、カイゼルの逡巡は終わる。
「…あれは、発作を止めるための処置です」
ーーかかったな…。僕はミレイからはそこまでの報告は受けてない。
僕の張った金色の網に、青の光が捕らわれる。
「ねえ、カイゼル。君は護衛契約の本来のやり方に気付いているんだろう?」
僕の言葉に床を這う青い魔素が殺気を含んで飛び上がろうとした。
だが、それは僕の網にかかって動けないでいる。
ーー魔素のコントロールもままならないか…義妹に関しては、やはり存外に分かりやすい男だな…
いつもの怜悧な青は、荒波に呑まれて、ぐらぐらと揺れ動いている。
何も聞いていなかったとそこをただ怒ってるんじゃない。
義妹に自分の気持ちが露呈するんじゃないかと…そちらを警戒しているんだろう。
別に隠してた訳じゃない。
はっきりとは言ってなかっただけだ。
それを理解してるから、怒ってはいても反論してこない。
カイゼルの暴れるような魔素を受け止めながらも、どこか僕の気持ちは浮足立ってしまう。
ーーいいねえ、君のそういうところが大好きだよ。
机の下で隠されたつま先で、トントンと床に二つもリズムを刻んでしまった。
ーーもう少し責めてみるか…君が一番嫌がること…は?
「それで?君たちはいつまで兄妹ごっこやってるの?」
刹那、怒りで燃え立つ青が仄暗い黒を含み始め、僕ではない何かを見つめている。
「あいつは道具ではありません。それに、あいつには元の世界に好きな男がいる。」
青黒い魔素が怒りからなのか渇望からなのか熱を帯びて、僕の金色を焦がさんと燃え上がる。
ーーへえ、そう来たか…。
「だけど君はもう『最愛』との魔素を交換する恍惚を知ってしまった。
ーーそもそもさ、君は彼女を他の男に渡せるの?」
挑むようにカイゼルを見つめれば、さらに青い瞳が黒く染まり、さらに深淵に堕ちていく。
「巫女様が良ければ、僕らは誰でもいいんだよ」
『でも、本当に君はそれでいいの?』
瞳だけで問いかければ、仄暗い青に荒ぶる波が一気に渦を巻いたのが見える。
そして、青黒い魔素がのたうちまわるように床の上で暴れている。
「ただ契約すればいいんじゃないんだよ?カイゼル。」
荒ぶる青い魔素をしっかりと金の網で押さえつけて、身動きを封じる。
「そこには『愛』が要る。——この世界は、ミィフィルディア様の言うとおり『愛』でできている。」
そう告げれば、青い魔素は一瞬だけ力を失い…
一気に青く燃えさかって網を灼ききった。
カイゼルは、そのまま軽く一礼をして、くるりと僕に背を向ける。
「…選ぶのは君でも、僕でもないよ。巫女様自身だ。」
黒く青く燃える魔素を燃やす背中に、そう言ってやれば、扉にかけた手が止まり…すぐに何も言わずに出ていった。
ーー今、あれの身の内をのたうち回る激情は、次に、君にどんな行動を取らせるんだろうなあ。
想像すれど、全く予想がつかない。
そして、この程度であの男が急に素直になるとも思えない。
くくくと人知れず忍び笑いがこぼれて、部屋中に舞う金色も小刻みに揺れる。
ーーカイゼル、君は僕にとってたまらなく面白い存在だよ…そうか、君はそんなに拗らせていたのか
「レオニス様」
思索に耽っていると、柔らかく、けれど嗜めるように言いながら、『僕の最愛』が奥の扉から出てきた。
艶やかなピンクブロンドに潤みをたたえた新緑の瞳。きっちりと着込まれた禁欲的な神官服が、かえって僕の欲を刺激する。
ーー僕の最愛の女神。
「レオニス様、少し事を急ぎ過ぎてはございませんか?…それにカイゼル様のことを面白がっていらっしゃるでしょう?」
傍らに立つミレイの手を引いて、僕の膝の上に座らせる。その柔らかな感触が、腰骨の奥の劣情を刺激する。そっと太腿に手を沿わせて、女性らしい曲線を堪能する。
「僕はあの石頭に愛し合う喜びを教えたいだけだよ。それにああいうタイプはさ、一度受けた恩はずっと忘れないじゃないか…僕はねえ…彼をとても買ってるんだよ。巫女様のことさえなければ、側近にしたいくらいなんだよ」
そう言って、その赤く色づいた唇を味わう。
漏れる吐息の甘さに頭の芯まで痺れてくる。
「王宮の敷地に魔獣が出た…。二月以上も前に巫女が目覚めたのに、なぜ儀式が行われないのか…
王宮の者達も民も不安の声が大きくなっているだろう?時間がないのは本当だ。」
僕はボタンを外して、緩く空いた襟元に手を入れる。そのまろやかな膨らみを揉みしだく。
「レオニス様…それはそうですが…まだ猶予はございますわ…」
息を途切れさせながらも、彼女はもう一度やんわりと僕を嗜める。
そんな彼女の唇を再びふさぎ、反対側の手をローブの裾から忍び込ませる。
「そうだね…まだ猶予はある。君とこんなことをするくらいはね。」
手を這わせて、太腿の内側をたどると、すでに聖油を垂らした秘所が待ち受けていた。
指をそっと割り入れて、じっとり筋をなぞりあげる。密を含んで花芽が膨らんでいた。
そっと円を描くように撫でれば、甘い吐息は嬌声に変わる。
僕の手で、僕の花が咲いていく。
その悦びに、僕の身体は昂って、熱くなる一方だ。
さて、僕と彼女との癒やしの時間の始まりだ。
「リィナ様は巫女になる運命だと世界樹に定められたお方…世界を創る『愛』は、育まれるまで待たねばなりません。」
ーーそうだね、ミレイ。
それくらい僕も分かってるよ。
でも、その前にあの堅物をなんとかしないとね。
ミレイに口づけながら、金色の魔素をどんどん流し込み、彼女が僕の色で満たされ、僕が彼女の緑で満たされるのを感じる。
ーーこの愉悦と官能と恍惚をもっと深く味わおうとしないなんて…君は弱虫だなあ、カイゼル…。
でも、きっと君は自分からあの仮面を外して、彼女に「男」として、愛を捧げる日が来るんだろう。
ーー待ち遠しいよ、その日が…
そして、その時、ようやくこの世界は再生を果たすのだ。
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