世界は、君を愛したくて創られた

六紫

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第6章 世界樹の儀式

第6章 第7話 甘い時間 ※※

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多幸に彩られた白い光が溶けて、青に包まれた空間に意識が戻ってくる。

魂が溶け合ったと感じたのは、ほんの一瞬の出来事だったようだ。

私はカイゼルにしっかりと抱きしめられていた。
はくはくと息を吸って上下する胸に、しっとりとしたカイゼルの皮膚が触れる。

ーー人の肌って、こんなに気持ちがいいんだ…

そんなことをぼんやりと思っていると、私の鼻先で、カイゼルの首筋を汗が一雫流れ落ちていく。
清涼なはずの薄荷の香りが、淫靡さを纏って腰を疼かせる。

思わず息をつけば、まだカイゼルの熱が私の中心に留まっていることに気づく。

「カイゼル…どうして…?」

「一度で終われるはずがないだろう?」

カイゼルは、低く呻くようにそう言って、私の体を俯せにする。

そして、一分の隙もないようにぴったりと背中に伸し掛かって、後ろから、さっきよりも深く私の中に入ってきた。

その怒張を受け入れるだけで、隘路は細く震えて何度目か分からない絶頂に世界が白む。

「もっと乱れろ」

耳元で囁きながら、カイゼルが陰核を二本の指できゅっとしごきあげる。脳髄まで快楽で痺れて、どっと汗が噴き出した。

強すぎる快感に尿意にも似たものがお腹の奥から上がってくる。

ゆっくりと腰を穿ち、さっきとはまた違うところをじっくりと擦りあげられながら、何度も何度も陰核を摘まれる。

「やっ、もうダメ。何か出ちゃう。やっ」
「そのまま、出してしまえ。」

耳朶を噛まれながら、中からも指からも青い魔素が流し込まれて、目の前がチカチカとして堪えきれずに何かを漏らしてしまう。

「やだぁぁぁ、恥ずかしい…」

そう言って泣く私の涙を唇で吸い取りながら、
「リィナ…潮を吹いたのか?いいぞ、もっと気持ち良くなれ。」

カイゼルはそう言って、ゆっくりと花芽を弄る手も腰も止めずに動かし続ける。

「あっあっ」

水音が増して、羞恥と強すぎる快楽で涙が止まらない。体中の痙攣もそのままに、意識が官能の波に攫われていった。

次に目が覚めた時は後ろから抱きかかえられて、細く波を立てるお湯の中にいた。

「ここ、お風呂?」

「そうだ。起きたなら、体を洗おう。」

カイゼルは私を自分の膝の上に乗せると、石鹸をもこもこと泡立てて、私の皮膚の上を滑らせ始めた。

たっぷりとした泡が体中に広げられて、肌に触れるギリギリの所を大きな手が撫でていく。

こそばゆいような感触が、少しずつ新しく覚えさせられた官能を呼び覚ます。

「んんっカイゼル…」

「体を洗ってるだけだぞ」

意地悪に笑いながら、そう言うと、ぐっと私の膝を開いて内腿を花芯に向かって手を走らせていく。

もう一方の手は乳首をくるくると弄び始めた。

「ここもちゃんと皮を剥いて洗わないと。」

じんじんと熱を持ち始めた蕾の先を、カイゼルは指先で優しく解して薄皮を開く。

「やあっっ」

敏感になり過ぎた体には、あまりに強い刺激に、背を反らせながら、一瞬で絶頂を迎えてしまった。花芯からは悦びの蜜が溢れ出る。

「中もしっかりと掻き出さないとな。」

カイゼルは、私の双丘を軽く持ち上げて、自分の怒張の上に静かに落とした。

「あっっ、深いっ」

自重で子宮の入り口がズドンと押し潰され、突然の刺激にまた体が戦慄く。

「リィナ、見ろ。」

そっと顎に手を添えられて、顔を正面に向けられる。
そこには唇を薄く開き、紫の瞳を蕩けるように濡らした『女の私』がいた。

「お前にそんな表情をさせるのは、後にも先にも俺だけだ。」

情欲に深く濡れた青は、紫をしっかりと捕らえたまま、下から腰を突き上げた。

「俺の形を覚えないといけないな。」

大きな手でぐっとお腹を押されれば、思わず私を蹂躙する熱を締め付けてしまう。内側は蠕動しながらも、熱杭の形をしっかりと体に刻み込んでいく。

カイゼルは「くっ」と声を洩らして、繋がったまま、私の腰を掴んで立ち上がり、そのまま奥を強く突き上げ始めた。

「ああ…またいっちゃう。いっちゃう…」

壁に手を押し付けて体を支えようとすると、後ろからカイゼルに両腕を掴まれる。

「俺もだ」

与えられる悦びを逃すことができずに、私はまた膝をがくがくと震わせて、迸る熱を内側で受け止めた。
内腿をゆっくりと汗とは違うものが流れ落ちていく。

目の前で青と紫の光の粒が飛び交って、また、そのまま意識が白く染まっていく。

崩れ落ちる直前に鏡越しに唇の端をちょっと釣り上げたカイゼルと目が合ったような気がした。


その次に目が覚めた時は、周りは暗くなっていて、ソファに座るカイゼルの膝の上に乗せられていた。私の膝には薄いブランケットがかけられていて、カイゼルは何か書類を片手にして読んでいた。

ーーどうして起きるたびに、カイゼルに抱っこされてるんだろう…

「私…ずっと寝てた?」

「いや、そうでもない。俺も少し仮眠を取ったしな。」

「私のことずっと抱えてて重くないの?」

身動ぎしながらそう聞けば、カイゼルの両腕が体に回されて、ぎゅっとその内側に閉じ込められる。

「重くはない。俺達は、もっと互いの魔素を深く混じり合わせないと」

ーー本当かなぁ?

体温と青い魔素にむせ返りそうになりながらも、そんな疑問は飲み込んでしまう。

許されるのならば…私も今はこの甘い心地に浸っていたい。

※※※※※


ーー甘いけど、甘くなかった…この3日間…

ーー魔素の交換で体力が回復するんじゃなきゃ、私、死んでたよ。たぶん…。

熱を交わした余韻が残るシーツの中で、また目を覚ました。四肢に残る気怠さに、ここ数日を思い返していた。

まず…食事は膝の上で、カイゼル手ずから食べさせられる。

移動は全部体を抱えられて、トイレ一つ歩かせてもらえなかった。

そして、事あるごとに私の意識が朦朧とするまで…いや…失うまで…魔素の交換と言う名の交わりをする。

ーーなんで…カイゼルはあんなに元気なんだろう?

途切れ途切れの意識の中では、カイゼルは何か書類を書き付けていたり、連絡をしていたり…私の世話をしていたりと、動き回っていた。

対する私は、ほぼほぼベッドの住人。

けれど、私は愛する人を得た喜びに満たされて、与えられる幸福に浸りきっていた。

ーーなのにどうしてかな?なんだか…怖い気もする…

眠りに落ちる瞬間や目が覚めた瞬間に、その幸福の光の片隅に寂寞とした薄い影が落ちるのにも気付いている。

私は、仰向けになりながら、ぼんやりと朝陽の中で揺らめくカーテンの影を眺めていた。

ふうっと息を吐けば、目の前を漂う青い光は天井近くまで舞い上がって消えていった。

カイゼルは、今はここに居なかった。

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