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第6章 世界樹の儀式
第6章 第8話目 手に入れる※※
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Sideカイゼル
「義兄さん…」
何度も奥を突いてやれば、リィナの内側は柔らかく俺を締め付けて離さなくなる。
そうすると、紫は妖艶に濡れ落ちて、理性が泡沫は底に沈み、『リィナ』は『里菜』に戻る。
「俺が欲しいか?お前には俺だけか?」
耳元にそう囁いてみると、
「義兄さんが好き…義兄さんだけ…義兄さんだけなの」
里菜は、うわ言のように繰り返しながら、俺の腰に両足を回して、縋りついてくる。
濃く濡れたアメジストは、長い睫毛の影が落ちて、艶めいた黒にも見える。
その光景は、堪らなく俺を高揚させる。
どうしょうもない愉悦に浸りながら、里菜を貪るのをやめることができなくなる。
ーー自分からカイゼルと呼べと言ったくせに、俺も難儀なもんだな…
「義兄さん」と呼ばれ、欲しがられる度に、過去の里菜への渇望が満たされていく。
ーー仕方ないだろう。ずっと我慢してたんだ。
誰よりも『特別な執着』の対象ではあったが、最初から里菜を『女』として求めていたわけじゃない。
自分の感情に疎い俺は、
里菜と『家族』であろうと、努力はしてきた。
特に始めの数年は、
里菜の発作が起きないように、
トラウマを刺激しないように、
起きてもすぐに発作を鎮めることに、
注力していたから、余計なことも考えずに済んで、自身の情欲なんて二の次だった。
それは、突然のことだった。
春の麗らかな陽の中で、二人で並んで桜桃を食べていた時のことだった。
「これ、酸っぱい!!」
里菜が顔を顰めて、急に口から種を吐き出した。
「義兄さん…気をつけて、なんか酸っぱいのある。」
そう言いながら、俺を見上げる瞳が艶めかしく濡れていた。
唇もぽってりと赤く濡れて…その様子がなんとも扇情的で…
咄嗟に唇の端から溢れる雫を舐め取ろうと、無意識に里菜の肩に手をかけた時。
「義兄さん?」
そう怪訝な表情で呼ばれて、我に返った。
俺は自分の中心が欲に昂ぶるのを自覚しながらだ。
その時から、
加護すべき義妹は、
幼さをその肢体や面差しに残しながらも、
俺の中では義妹ではなくなった。
日常の何気ない場面で、
果汁の滴る指先に、
風呂あがりの濡れた髪に、
制服のスカートを翻しながら、
俺を振り返って笑みを浮かべるその頬に
何度手を伸ばして触れたいと願ったか、
数えきれない。
いつまで、『義兄妹』でいればいいのか、
その時から、俺は迷い始めた。
里菜と同じ学年でで同じ時を共有する陸人に嫉妬し、
里菜の巫女舞を目当てに来る参拝客を牽制し、
年々、大人びた色香を纏うようになってきた里菜の変貌に焦燥を覚えた。
無邪気に、俺を慕う里菜の様子を見て、
『里菜が成人したら』
いつしかそんな目処を自分の中で立てて、己を律していた。
『里菜は、結局俺以外を選ぶことはない。』
漠然とそんな風に思っていたからだ。
だからこそ、陸人と里菜の戯れの告白ごっこを聞いた時には、世界が瓦解した。
そして、俺は自分の気持ちを今後どう扱えばいいのか…途方に暮れた。
『里菜の側にいられないのは耐えられない。』
ーーそれだけははっきりと分かっていたな。
里菜の息遣いを耳元で感じながら、ゆるりと腰を動かせば、快楽が背骨が溶かしながら突き抜けていく。
「里菜、俺も好きだった。」
そう返せば、里菜は満足したように息を吐いて、俺の首に回された両腕にさらに力が入る。
腰を押し付けるように回せば、「ああっ、義兄さん…ダメぇ」と嬌声を挙げて、蠕動が大きくなり、里菜の全身も震え始めた。
俺を絞り取るように内側が締め付けくる。俺の腰はもう止まらなくなり、そのまま里菜の中で欲望が爆ぜた。
ーーよくも、まあ…これだけ執着していて…里菜を諦められると勘違いできたんもだな。俺も。
里菜と陸人の仲を誤解してからは、何度も諦めと期待を天秤にかけては揺れた。
陸人と里菜が遠慮しないように…と、言い寄ってきた女と付き合ったこともあったが、相手にをするのが面倒臭くなって、自然と関係は終わった。
里菜以外に食指が動くはずはなく、
もう一生『義兄』のままでいるのも悪くないと割り切ったのは、ごく最近のことだ。
そして、この世界へと飛ばされた。
「リィナ」
愛しい名を呼びながら、幸福に微睡むその頬に口付ける。体は気怠いが、俺の全ては満ちていた。
「まだ二人で過ごしたいが、そろそろ限界だな」
さっきから、やたらと外が騒がしい。俺の張った結界に誰かが侵入を試みているようだ。
ーー明日には、儀式は執り行われるだろう。世界樹にお前の生命を吸い取らせたりはしない。
ぽってりと腫れ上がった愛しい唇に、口付けを落として、俺はベッドから抜け出した。
「義兄さん…」
何度も奥を突いてやれば、リィナの内側は柔らかく俺を締め付けて離さなくなる。
そうすると、紫は妖艶に濡れ落ちて、理性が泡沫は底に沈み、『リィナ』は『里菜』に戻る。
「俺が欲しいか?お前には俺だけか?」
耳元にそう囁いてみると、
「義兄さんが好き…義兄さんだけ…義兄さんだけなの」
里菜は、うわ言のように繰り返しながら、俺の腰に両足を回して、縋りついてくる。
濃く濡れたアメジストは、長い睫毛の影が落ちて、艶めいた黒にも見える。
その光景は、堪らなく俺を高揚させる。
どうしょうもない愉悦に浸りながら、里菜を貪るのをやめることができなくなる。
ーー自分からカイゼルと呼べと言ったくせに、俺も難儀なもんだな…
「義兄さん」と呼ばれ、欲しがられる度に、過去の里菜への渇望が満たされていく。
ーー仕方ないだろう。ずっと我慢してたんだ。
誰よりも『特別な執着』の対象ではあったが、最初から里菜を『女』として求めていたわけじゃない。
自分の感情に疎い俺は、
里菜と『家族』であろうと、努力はしてきた。
特に始めの数年は、
里菜の発作が起きないように、
トラウマを刺激しないように、
起きてもすぐに発作を鎮めることに、
注力していたから、余計なことも考えずに済んで、自身の情欲なんて二の次だった。
それは、突然のことだった。
春の麗らかな陽の中で、二人で並んで桜桃を食べていた時のことだった。
「これ、酸っぱい!!」
里菜が顔を顰めて、急に口から種を吐き出した。
「義兄さん…気をつけて、なんか酸っぱいのある。」
そう言いながら、俺を見上げる瞳が艶めかしく濡れていた。
唇もぽってりと赤く濡れて…その様子がなんとも扇情的で…
咄嗟に唇の端から溢れる雫を舐め取ろうと、無意識に里菜の肩に手をかけた時。
「義兄さん?」
そう怪訝な表情で呼ばれて、我に返った。
俺は自分の中心が欲に昂ぶるのを自覚しながらだ。
その時から、
加護すべき義妹は、
幼さをその肢体や面差しに残しながらも、
俺の中では義妹ではなくなった。
日常の何気ない場面で、
果汁の滴る指先に、
風呂あがりの濡れた髪に、
制服のスカートを翻しながら、
俺を振り返って笑みを浮かべるその頬に
何度手を伸ばして触れたいと願ったか、
数えきれない。
いつまで、『義兄妹』でいればいいのか、
その時から、俺は迷い始めた。
里菜と同じ学年でで同じ時を共有する陸人に嫉妬し、
里菜の巫女舞を目当てに来る参拝客を牽制し、
年々、大人びた色香を纏うようになってきた里菜の変貌に焦燥を覚えた。
無邪気に、俺を慕う里菜の様子を見て、
『里菜が成人したら』
いつしかそんな目処を自分の中で立てて、己を律していた。
『里菜は、結局俺以外を選ぶことはない。』
漠然とそんな風に思っていたからだ。
だからこそ、陸人と里菜の戯れの告白ごっこを聞いた時には、世界が瓦解した。
そして、俺は自分の気持ちを今後どう扱えばいいのか…途方に暮れた。
『里菜の側にいられないのは耐えられない。』
ーーそれだけははっきりと分かっていたな。
里菜の息遣いを耳元で感じながら、ゆるりと腰を動かせば、快楽が背骨が溶かしながら突き抜けていく。
「里菜、俺も好きだった。」
そう返せば、里菜は満足したように息を吐いて、俺の首に回された両腕にさらに力が入る。
腰を押し付けるように回せば、「ああっ、義兄さん…ダメぇ」と嬌声を挙げて、蠕動が大きくなり、里菜の全身も震え始めた。
俺を絞り取るように内側が締め付けくる。俺の腰はもう止まらなくなり、そのまま里菜の中で欲望が爆ぜた。
ーーよくも、まあ…これだけ執着していて…里菜を諦められると勘違いできたんもだな。俺も。
里菜と陸人の仲を誤解してからは、何度も諦めと期待を天秤にかけては揺れた。
陸人と里菜が遠慮しないように…と、言い寄ってきた女と付き合ったこともあったが、相手にをするのが面倒臭くなって、自然と関係は終わった。
里菜以外に食指が動くはずはなく、
もう一生『義兄』のままでいるのも悪くないと割り切ったのは、ごく最近のことだ。
そして、この世界へと飛ばされた。
「リィナ」
愛しい名を呼びながら、幸福に微睡むその頬に口付ける。体は気怠いが、俺の全ては満ちていた。
「まだ二人で過ごしたいが、そろそろ限界だな」
さっきから、やたらと外が騒がしい。俺の張った結界に誰かが侵入を試みているようだ。
ーー明日には、儀式は執り行われるだろう。世界樹にお前の生命を吸い取らせたりはしない。
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