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閑話
---ルシアン視点⑧---
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卒業式で、最後にメルの姿を焼き付けておこうと、何度もメルを見つめてしまう。
最後にお別れの挨拶をしたいと思ったが、父上からメルとの接触はしない様に、強く言われていた為、諦めざるを得なかった。
メルの隣にいる殿下が羨ましい。
殿下は、まだ婚約者を決めていない・・・もしかして、メルを婚約者にと考えているのでは?
正直、メルが私以外の人と婚約し、寄り添う姿なんて、想像するだけで苦しい。
メル、お願いだから、少しでも私の方に振り向いて欲しい。
君と視線を合わせたのは、あの日が最後だったね。
最後は、メルの笑顔を目に焼き付けたい。
そう願うも、メルは一度も振り向いてくれる事は無かった・・・。
メルと過ごせる学園生活は、今日で終わる。
殆どメルと話せることは無かったけど、それでも毎日メルを見れるだけで、心が震え、想いは増すばかり。
卒業ガーデンパーティーが終わってから、馬車に乗るメルの後ろ姿を最後まで見つめ、学園生活は終了した。
◇ ◇ ◇
父の仕事を手伝いながら、「今頃、本当なら結婚式の打ち合わせをしていたのにな・・・」と思ってしまう。
どうして・・・どうして・・・未練がましく思ってしまう自分にも、うんざりする。
学園が終わってしまったことで、メルに一切会えなくなり、会いたい気持ちが膨れ上がる一方。
メルとの接触は、禁じられている為、フェルナンド様に、訪問の許可をとるべく手紙を送った。
まだ、メルに婚約者が決まっていないのであれば、フェルナンド様に、再度考えて貰えないかと、懇願しに行くつもりだ。
フェルナンド様が許可してくれなければ、メルの父上に話を通して貰えない。
次期当主として、フェルナンド様は信頼が厚い様で、フェルナンド様に判断を任せることもあると聞いている。
今回、私とメルの婚約解消に動いたのは、フェルナンド様なので、彼を説得出来るかに掛かっている。
すぐに、フェルナンド様から返事が届き、会って頂けるとの事で、ホッとする気持ちと、不安な気持ちが入り混じる。
緊張で、手に力が入り、読んでいた手紙がくしゃりと音を立てる。
メルに婚約者が出来るまでは、どうしても諦めることが出来ない・・・。
フェルナンド様に会いに行く時に、一目でもメルを見ることが出来るだろうか。
メル・・・会いたいよ・・・。
◇ ◇ ◇
「良く来たね、どうぞ掛けて」
フェルナンド様は、柔和な笑顔で出迎えてくれた。
「この度は、お忙しいところ、ありがとうございます」
「いや、別に構わないよ。どんな話なのか私も興味があるからね」
興味・・・それは良い意味なのだろうか。
「メルティアナ嬢に、婚約者が出来たという話を聞かないのですが、まだ居ないと思って良いでしょうか?」
「・・・婚約者。そうだね。まだ婚約者は居ないよ」
「あの・・・厚かましいお願いなのは、重々承知しているのですが、もう一度、私を婚約者として、考えて頂けないでしょうか。今回の婚約解消は色々と誤解がありまして・・・」
「誤解ね・・・。確かに誤解もあっただろうね。ただ、ルシアン、君はもう少し自分の行動が周りにどう見られるのか考えた方が良い。聖女殿と君の普段のやり取りから、どういう関係なのか?と疑う声は、前々から上がっていたんだよ」
「・・・っ。それは・・・友人として・・・」
「その考えが、駄目なんだよ。異性と友人として何て、言い訳にしかならない。婚約者がいるのであれば、婚約者以外の女性とは、一定の距離を取らなければならないんだよ。今回の場合は、聖女殿が平民だったから、異性との距離が近かったのが余計に事態を悪くしたとも言えるが・・・。君は、女性との距離の取り方や接し方など勉強しなければ、今後、メル以外の女性と婚約する事になったとしても、同じことを繰り返す事になるよ」
「・・・・・・」
女性との接し方・・・友人だと思って接していたのが良くなかったのか。
アンナ嬢の事も、ちゃんと距離を取らなければ行けなかったんだ。
友人だからと軽い接触であれば、問題ないだろうと思っていた私はなんて甘いんだ・・・。
メル以外の女性と婚約するつもりは更々ないけど・・・。
「今後の夜会での振る舞いで、メルとの婚約を考え直して頂けると言う事でしょうか?」
「いや・・・夜会での振る舞いは、判断の一つにはなるが、結局のところ、メルの気持ちが1番だ。夜会での振る舞いで問題がなければ、メルに話を通そう。それでメルがルシアンと婚約をし直しても良いと言えば考えよう」
「ありがとうございますっ!これから、色んな状況に対応出来る様に、複数の講師陣を招いて対策をして行きたいと思います。決して失望させません」
「そう・・・その努力がメルとの婚約に結び付くことになるかは、分からないけど、頑張れるのかな?それに、メルに話をするとしても1年後になる」
「メルとの婚約に一歩でも近付く事が出来るのであれば、無駄な努力だとは思いません」
「分かった。今後のルシアンの行動に期待しているよ。頑張って」
「はい!今日はありがとうございました」
メルに会うことは出来なかったけれど、フェルナンド様から条件を提示されたことで、少し希望が見えてきた。
結局のところ、私はメルで無ければ駄目なんだ。
何もせずに終わることはしたくない。
ーーメル、変わってみせるから、今度こそ私を見て欲しい。
最後にお別れの挨拶をしたいと思ったが、父上からメルとの接触はしない様に、強く言われていた為、諦めざるを得なかった。
メルの隣にいる殿下が羨ましい。
殿下は、まだ婚約者を決めていない・・・もしかして、メルを婚約者にと考えているのでは?
正直、メルが私以外の人と婚約し、寄り添う姿なんて、想像するだけで苦しい。
メル、お願いだから、少しでも私の方に振り向いて欲しい。
君と視線を合わせたのは、あの日が最後だったね。
最後は、メルの笑顔を目に焼き付けたい。
そう願うも、メルは一度も振り向いてくれる事は無かった・・・。
メルと過ごせる学園生活は、今日で終わる。
殆どメルと話せることは無かったけど、それでも毎日メルを見れるだけで、心が震え、想いは増すばかり。
卒業ガーデンパーティーが終わってから、馬車に乗るメルの後ろ姿を最後まで見つめ、学園生活は終了した。
◇ ◇ ◇
父の仕事を手伝いながら、「今頃、本当なら結婚式の打ち合わせをしていたのにな・・・」と思ってしまう。
どうして・・・どうして・・・未練がましく思ってしまう自分にも、うんざりする。
学園が終わってしまったことで、メルに一切会えなくなり、会いたい気持ちが膨れ上がる一方。
メルとの接触は、禁じられている為、フェルナンド様に、訪問の許可をとるべく手紙を送った。
まだ、メルに婚約者が決まっていないのであれば、フェルナンド様に、再度考えて貰えないかと、懇願しに行くつもりだ。
フェルナンド様が許可してくれなければ、メルの父上に話を通して貰えない。
次期当主として、フェルナンド様は信頼が厚い様で、フェルナンド様に判断を任せることもあると聞いている。
今回、私とメルの婚約解消に動いたのは、フェルナンド様なので、彼を説得出来るかに掛かっている。
すぐに、フェルナンド様から返事が届き、会って頂けるとの事で、ホッとする気持ちと、不安な気持ちが入り混じる。
緊張で、手に力が入り、読んでいた手紙がくしゃりと音を立てる。
メルに婚約者が出来るまでは、どうしても諦めることが出来ない・・・。
フェルナンド様に会いに行く時に、一目でもメルを見ることが出来るだろうか。
メル・・・会いたいよ・・・。
◇ ◇ ◇
「良く来たね、どうぞ掛けて」
フェルナンド様は、柔和な笑顔で出迎えてくれた。
「この度は、お忙しいところ、ありがとうございます」
「いや、別に構わないよ。どんな話なのか私も興味があるからね」
興味・・・それは良い意味なのだろうか。
「メルティアナ嬢に、婚約者が出来たという話を聞かないのですが、まだ居ないと思って良いでしょうか?」
「・・・婚約者。そうだね。まだ婚約者は居ないよ」
「あの・・・厚かましいお願いなのは、重々承知しているのですが、もう一度、私を婚約者として、考えて頂けないでしょうか。今回の婚約解消は色々と誤解がありまして・・・」
「誤解ね・・・。確かに誤解もあっただろうね。ただ、ルシアン、君はもう少し自分の行動が周りにどう見られるのか考えた方が良い。聖女殿と君の普段のやり取りから、どういう関係なのか?と疑う声は、前々から上がっていたんだよ」
「・・・っ。それは・・・友人として・・・」
「その考えが、駄目なんだよ。異性と友人として何て、言い訳にしかならない。婚約者がいるのであれば、婚約者以外の女性とは、一定の距離を取らなければならないんだよ。今回の場合は、聖女殿が平民だったから、異性との距離が近かったのが余計に事態を悪くしたとも言えるが・・・。君は、女性との距離の取り方や接し方など勉強しなければ、今後、メル以外の女性と婚約する事になったとしても、同じことを繰り返す事になるよ」
「・・・・・・」
女性との接し方・・・友人だと思って接していたのが良くなかったのか。
アンナ嬢の事も、ちゃんと距離を取らなければ行けなかったんだ。
友人だからと軽い接触であれば、問題ないだろうと思っていた私はなんて甘いんだ・・・。
メル以外の女性と婚約するつもりは更々ないけど・・・。
「今後の夜会での振る舞いで、メルとの婚約を考え直して頂けると言う事でしょうか?」
「いや・・・夜会での振る舞いは、判断の一つにはなるが、結局のところ、メルの気持ちが1番だ。夜会での振る舞いで問題がなければ、メルに話を通そう。それでメルがルシアンと婚約をし直しても良いと言えば考えよう」
「ありがとうございますっ!これから、色んな状況に対応出来る様に、複数の講師陣を招いて対策をして行きたいと思います。決して失望させません」
「そう・・・その努力がメルとの婚約に結び付くことになるかは、分からないけど、頑張れるのかな?それに、メルに話をするとしても1年後になる」
「メルとの婚約に一歩でも近付く事が出来るのであれば、無駄な努力だとは思いません」
「分かった。今後のルシアンの行動に期待しているよ。頑張って」
「はい!今日はありがとうございました」
メルに会うことは出来なかったけれど、フェルナンド様から条件を提示されたことで、少し希望が見えてきた。
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