35 / 50
閑話
---ルシアン視点⑧---
卒業式で、最後にメルの姿を焼き付けておこうと、何度もメルを見つめてしまう。
最後にお別れの挨拶をしたいと思ったが、父上からメルとの接触はしない様に、強く言われていた為、諦めざるを得なかった。
メルの隣にいる殿下が羨ましい。
殿下は、まだ婚約者を決めていない・・・もしかして、メルを婚約者にと考えているのでは?
正直、メルが私以外の人と婚約し、寄り添う姿なんて、想像するだけで苦しい。
メル、お願いだから、少しでも私の方に振り向いて欲しい。
君と視線を合わせたのは、あの日が最後だったね。
最後は、メルの笑顔を目に焼き付けたい。
そう願うも、メルは一度も振り向いてくれる事は無かった・・・。
メルと過ごせる学園生活は、今日で終わる。
殆どメルと話せることは無かったけど、それでも毎日メルを見れるだけで、心が震え、想いは増すばかり。
卒業ガーデンパーティーが終わってから、馬車に乗るメルの後ろ姿を最後まで見つめ、学園生活は終了した。
◇ ◇ ◇
父の仕事を手伝いながら、「今頃、本当なら結婚式の打ち合わせをしていたのにな・・・」と思ってしまう。
どうして・・・どうして・・・未練がましく思ってしまう自分にも、うんざりする。
学園が終わってしまったことで、メルに一切会えなくなり、会いたい気持ちが膨れ上がる一方。
メルとの接触は、禁じられている為、フェルナンド様に、訪問の許可をとるべく手紙を送った。
まだ、メルに婚約者が決まっていないのであれば、フェルナンド様に、再度考えて貰えないかと、懇願しに行くつもりだ。
フェルナンド様が許可してくれなければ、メルの父上に話を通して貰えない。
次期当主として、フェルナンド様は信頼が厚い様で、フェルナンド様に判断を任せることもあると聞いている。
今回、私とメルの婚約解消に動いたのは、フェルナンド様なので、彼を説得出来るかに掛かっている。
すぐに、フェルナンド様から返事が届き、会って頂けるとの事で、ホッとする気持ちと、不安な気持ちが入り混じる。
緊張で、手に力が入り、読んでいた手紙がくしゃりと音を立てる。
メルに婚約者が出来るまでは、どうしても諦めることが出来ない・・・。
フェルナンド様に会いに行く時に、一目でもメルを見ることが出来るだろうか。
メル・・・会いたいよ・・・。
◇ ◇ ◇
「良く来たね、どうぞ掛けて」
フェルナンド様は、柔和な笑顔で出迎えてくれた。
「この度は、お忙しいところ、ありがとうございます」
「いや、別に構わないよ。どんな話なのか私も興味があるからね」
興味・・・それは良い意味なのだろうか。
「メルティアナ嬢に、婚約者が出来たという話を聞かないのですが、まだ居ないと思って良いでしょうか?」
「・・・婚約者。そうだね。まだ婚約者は居ないよ」
「あの・・・厚かましいお願いなのは、重々承知しているのですが、もう一度、私を婚約者として、考えて頂けないでしょうか。今回の婚約解消は色々と誤解がありまして・・・」
「誤解ね・・・。確かに誤解もあっただろうね。ただ、ルシアン、君はもう少し自分の行動が周りにどう見られるのか考えた方が良い。聖女殿と君の普段のやり取りから、どういう関係なのか?と疑う声は、前々から上がっていたんだよ」
「・・・っ。それは・・・友人として・・・」
「その考えが、駄目なんだよ。異性と友人として何て、言い訳にしかならない。婚約者がいるのであれば、婚約者以外の女性とは、一定の距離を取らなければならないんだよ。今回の場合は、聖女殿が平民だったから、異性との距離が近かったのが余計に事態を悪くしたとも言えるが・・・。君は、女性との距離の取り方や接し方など勉強しなければ、今後、メル以外の女性と婚約する事になったとしても、同じことを繰り返す事になるよ」
「・・・・・・」
女性との接し方・・・友人だと思って接していたのが良くなかったのか。
アンナ嬢の事も、ちゃんと距離を取らなければ行けなかったんだ。
友人だからと軽い接触であれば、問題ないだろうと思っていた私はなんて甘いんだ・・・。
メル以外の女性と婚約するつもりは更々ないけど・・・。
「今後の夜会での振る舞いで、メルとの婚約を考え直して頂けると言う事でしょうか?」
「いや・・・夜会での振る舞いは、判断の一つにはなるが、結局のところ、メルの気持ちが1番だ。夜会での振る舞いで問題がなければ、メルに話を通そう。それでメルがルシアンと婚約をし直しても良いと言えば考えよう」
「ありがとうございますっ!これから、色んな状況に対応出来る様に、複数の講師陣を招いて対策をして行きたいと思います。決して失望させません」
「そう・・・その努力がメルとの婚約に結び付くことになるかは、分からないけど、頑張れるのかな?それに、メルに話をするとしても1年後になる」
「メルとの婚約に一歩でも近付く事が出来るのであれば、無駄な努力だとは思いません」
「分かった。今後のルシアンの行動に期待しているよ。頑張って」
「はい!今日はありがとうございました」
メルに会うことは出来なかったけれど、フェルナンド様から条件を提示されたことで、少し希望が見えてきた。
結局のところ、私はメルで無ければ駄目なんだ。
何もせずに終わることはしたくない。
ーーメル、変わってみせるから、今度こそ私を見て欲しい。
最後にお別れの挨拶をしたいと思ったが、父上からメルとの接触はしない様に、強く言われていた為、諦めざるを得なかった。
メルの隣にいる殿下が羨ましい。
殿下は、まだ婚約者を決めていない・・・もしかして、メルを婚約者にと考えているのでは?
正直、メルが私以外の人と婚約し、寄り添う姿なんて、想像するだけで苦しい。
メル、お願いだから、少しでも私の方に振り向いて欲しい。
君と視線を合わせたのは、あの日が最後だったね。
最後は、メルの笑顔を目に焼き付けたい。
そう願うも、メルは一度も振り向いてくれる事は無かった・・・。
メルと過ごせる学園生活は、今日で終わる。
殆どメルと話せることは無かったけど、それでも毎日メルを見れるだけで、心が震え、想いは増すばかり。
卒業ガーデンパーティーが終わってから、馬車に乗るメルの後ろ姿を最後まで見つめ、学園生活は終了した。
◇ ◇ ◇
父の仕事を手伝いながら、「今頃、本当なら結婚式の打ち合わせをしていたのにな・・・」と思ってしまう。
どうして・・・どうして・・・未練がましく思ってしまう自分にも、うんざりする。
学園が終わってしまったことで、メルに一切会えなくなり、会いたい気持ちが膨れ上がる一方。
メルとの接触は、禁じられている為、フェルナンド様に、訪問の許可をとるべく手紙を送った。
まだ、メルに婚約者が決まっていないのであれば、フェルナンド様に、再度考えて貰えないかと、懇願しに行くつもりだ。
フェルナンド様が許可してくれなければ、メルの父上に話を通して貰えない。
次期当主として、フェルナンド様は信頼が厚い様で、フェルナンド様に判断を任せることもあると聞いている。
今回、私とメルの婚約解消に動いたのは、フェルナンド様なので、彼を説得出来るかに掛かっている。
すぐに、フェルナンド様から返事が届き、会って頂けるとの事で、ホッとする気持ちと、不安な気持ちが入り混じる。
緊張で、手に力が入り、読んでいた手紙がくしゃりと音を立てる。
メルに婚約者が出来るまでは、どうしても諦めることが出来ない・・・。
フェルナンド様に会いに行く時に、一目でもメルを見ることが出来るだろうか。
メル・・・会いたいよ・・・。
◇ ◇ ◇
「良く来たね、どうぞ掛けて」
フェルナンド様は、柔和な笑顔で出迎えてくれた。
「この度は、お忙しいところ、ありがとうございます」
「いや、別に構わないよ。どんな話なのか私も興味があるからね」
興味・・・それは良い意味なのだろうか。
「メルティアナ嬢に、婚約者が出来たという話を聞かないのですが、まだ居ないと思って良いでしょうか?」
「・・・婚約者。そうだね。まだ婚約者は居ないよ」
「あの・・・厚かましいお願いなのは、重々承知しているのですが、もう一度、私を婚約者として、考えて頂けないでしょうか。今回の婚約解消は色々と誤解がありまして・・・」
「誤解ね・・・。確かに誤解もあっただろうね。ただ、ルシアン、君はもう少し自分の行動が周りにどう見られるのか考えた方が良い。聖女殿と君の普段のやり取りから、どういう関係なのか?と疑う声は、前々から上がっていたんだよ」
「・・・っ。それは・・・友人として・・・」
「その考えが、駄目なんだよ。異性と友人として何て、言い訳にしかならない。婚約者がいるのであれば、婚約者以外の女性とは、一定の距離を取らなければならないんだよ。今回の場合は、聖女殿が平民だったから、異性との距離が近かったのが余計に事態を悪くしたとも言えるが・・・。君は、女性との距離の取り方や接し方など勉強しなければ、今後、メル以外の女性と婚約する事になったとしても、同じことを繰り返す事になるよ」
「・・・・・・」
女性との接し方・・・友人だと思って接していたのが良くなかったのか。
アンナ嬢の事も、ちゃんと距離を取らなければ行けなかったんだ。
友人だからと軽い接触であれば、問題ないだろうと思っていた私はなんて甘いんだ・・・。
メル以外の女性と婚約するつもりは更々ないけど・・・。
「今後の夜会での振る舞いで、メルとの婚約を考え直して頂けると言う事でしょうか?」
「いや・・・夜会での振る舞いは、判断の一つにはなるが、結局のところ、メルの気持ちが1番だ。夜会での振る舞いで問題がなければ、メルに話を通そう。それでメルがルシアンと婚約をし直しても良いと言えば考えよう」
「ありがとうございますっ!これから、色んな状況に対応出来る様に、複数の講師陣を招いて対策をして行きたいと思います。決して失望させません」
「そう・・・その努力がメルとの婚約に結び付くことになるかは、分からないけど、頑張れるのかな?それに、メルに話をするとしても1年後になる」
「メルとの婚約に一歩でも近付く事が出来るのであれば、無駄な努力だとは思いません」
「分かった。今後のルシアンの行動に期待しているよ。頑張って」
「はい!今日はありがとうございました」
メルに会うことは出来なかったけれど、フェルナンド様から条件を提示されたことで、少し希望が見えてきた。
結局のところ、私はメルで無ければ駄目なんだ。
何もせずに終わることはしたくない。
ーーメル、変わってみせるから、今度こそ私を見て欲しい。
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!