今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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二章 精霊姫 人間界に降りる

嫡男に説明する ※辺境伯視点

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 素敵な客室を準備して頂き、専属の侍女がついた。
 ゆっくり湯に浸かり、香油を使って、体を解して貰い・・・控えめに言って『最高!!』
 もー、気持ち良いー!この風呂上がりのマッサージはやめられない!
 冒険者する時も、毎回ここに帰ってきちゃおうかな?という位、気持ち良い!

 あー、このまま少し寝ちゃおう・・・。

______________________________________

 [辺境伯視点]

 スティーリアが、侍女に案内され、客室に向かった頃...。

 「セバス、精霊姫様を我が家の養子として迎える事になった。ロイドが戻ってきたら、執務室へ来る様に伝えてくれ。使用人達には、くれぐれも粗相のない様にしっかりと伝達してくれ」

 「はい。畏まりました」

 使用人達は、執事長のセバスチャンに任せておけば大丈夫だろう。
 スティーリア様が、精霊姫である事を伏せて、大事な家族として扱う様に言い聞かせる筈だ。

 妻と娘は...夕食前に戻るから、事前に説明する時間は無いだろう。
 食堂で説明すれば良いだろうが、娘の反応が気になる所か。

 夕食までの間に、養子縁組の書類や口座の開設・・・ドレスなども準備をしなければならないな。
 商会も呼び寄せて・・・

 コンコンコンッ

 「ロイドです。お呼びとお伺いしました」

 「入れ」

 私の若い頃にそっくりな息子。
 剣術にも長け、頭も切れる、婚約者との関係も良好で、これからが楽しみな息子だ。

 「今日、精霊姫様がお越しになられた」

 ロイドは、目を見開き、珍しく感情が顔に出ている。

 「精霊姫様は、スティーリア様という名だ。この度、我が家の養子として迎える事になった」

 「よ、養子ですか?精霊姫様を?」

 「そうだ。こちらでの身分を作り、知識を授け、活動しやすくする為だ。当然ながら、養子にするからといって、貴族としての付き合いを強要する事もしない。お茶会などの社交もする必要はない」

 「そうですか・・・。いきなり、どこの誰とも知らぬものを、養子にするとなれば、反発がありませんか?」

 「その辺は心配要らない。遠縁の娘が、魔法の才があるので、養子にして支援すると言う事にした。精霊姫様より魔法に長けたものなど、この世界に居はしないのだからな」

 「魔法師団などに、目を付けられる事はないのでしょうか?」

 「スティーリア様が、望むのであれば、魔法師団に入るのも良いだろう。だが、望まないのであれば、私の方から突っぱねるから問題ない。辺境伯の娘を、強要して入団させる事は不可能だ。
 あぁ、スティーリア様がこちらの世界に落ち着いたら、ロイドの婚約者とも顔合わせのお茶会をと考えている。

 いずれ、ロイドが当主を引き継いだ時に、伴侶にも制約魔法で精霊姫様の事を話す事になる。今のうちから交流を持つ事も大事になるだろう」
 
 「分かりました。アリスティナには、我が家に養子として入ったが、友人が居ないので、仲良くして欲しいと話しておきます」

 「宜しく頼む。マリアとミリアには、食堂で話をしようと思っている。マリアは、スティーリア様の容姿を見て、察する事が出来るだろう。ミリアは・・・急に姉が出来て、喜ぶのか、憂うのか、なんとも言えないな」

 「ミリアですか。父の隠し子だと変な勘違いしなければ、姉が出来て喜ぶのではないでしょうか。一緒にドレスを選んだり、お茶会したりと、姉妹だからこそ出来る事を精一杯楽しむと思います」

 はぁ。あの子は、少し思い込みが激しい所があるからな。
 しかし、私と似通っている所が無くても、婚外児などと勘違いするだろうか。
 
 「なるほど。スティーリア様の事を気に入った場合、お誘いをし過ぎて、邪魔にならないかが心配か。その辺は注意する様にしよう。礼儀作法で、お茶会レッスンする時は、ミリアに相手をさせるなどして、調整しよう」

 「それは良いですね。ミリアも喜ぶでしょう」

 「それと、スティーリア様は、14才でロイドの妹になる。間違えても様を付けて呼ばない様に。話し方もミリアと同じ様にする事。私も、恐れ多くも敬称なしで、スティーリアと呼ぶ事になっている」

 「・・・分かりました。精霊姫様だと知っている上で、その呼び方は中々抵抗があるものですね。私も言動に気を付けたいと思います」

 「それと、スティーリア様だが、伝承の通り・・・美しい。まだ大人になって居ないが、現時点で、とても麗しいので、一目見て懸想する者が多く出るだろう。ロイドは、婚約者と良好な関係を築いているので、問題は無いと思うが、食堂で顔合わせする時は、見惚れることがない様に気をつけること」

 「それは、お会いするのが楽しみですね。お言葉肝に銘じます。それでは、失礼します」

 パタン

 扉が閉まり、暫しを見つめる。
 
 ロイドは、スティーリア様と一つ違い。
 年も近く、美しい女性とひとつ屋根の下で暮らす事になるが、大丈夫だろうか。
 流石に、精霊姫様相手に、手を出す事は恐れ多くて出来ないだろうが、気持ちを寄せてしまう事はあるかもしれない。
 表面に出さなければ、気持ちを寄せる事は自由だ。
 ロイドも時期当主として、学び育っている。貴族としての婚約、結婚がどう言ったものかも理解している。下手な事をして、婚約者との関係を壊す事にはならないだろう。
 
 相手からしたら、婚約者の近くに、スティーリア様の様な美しい女性がいるだけで、やきもきした気持ちになるのだろうな。

 さて、もう一仕事するか。
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