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三章 精霊姫 側妃になる
急展開
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「はぁー・・・」
お義父様に呼ばれた、執務室に行き、ソファーに座ってすぐ、深くため息を吐かれた。
(お義父様が私の前で、ため息を吐くなんて、珍しい。何かあったのかな。)
「スティーリア、呼び出して悪かったね」
「いえ、構いませんわ。それより、お疲れの様ですが、何かありましたか?」
「聞いた事があるかもしれないが、王太子殿下に側妃をという話が出ている」
・・・ん?
そういえば、以前冒険者たちが『結婚してそろそろ3年になる王太子殿下にお子が出来る兆しがない』と言っていたかな。
「そう言ったお話が出ていると言う噂は聞いたことがあります」
「それは、噂ではなく事実だ」
「えっと、既に側妃の方が内定したと言う事ですか?」
んんん?
なんで、そんな話を私に?そこから私に関係ある話に繋がるのかな?
「実はなー・・・王太子殿下は側妃を勧められても、面倒だと言って拒み続けて居たんだ。それが、この前の夜会の後に側妃を娶ると突然言い出してね」
「この前の夜会と言うと、私のデビュータントのですよね?」
「そうだ。その夜会で、1人の令嬢を見染められた」
「まぁ、それは良かったですね。側近の方達も安心した事でしょう」
「・・・そうだな。喜ばしい事だ。相手が相手でなければ」
「何か問題のあるご令嬢だったのですか?」
「・・・問題なら大有りだよ。王太子殿下が望まれたのは、お前なんだよ。スティーリア」
「・・・は?」
え?何で?
デビュタントの夜会では、常にロイ義兄様の隣に居たし、ロイ義兄様とお義父様としか踊っていないし、ご挨拶したのも、お義父様の友人とロイ義兄様の友人だけ。
ましてや、王太子殿下なんて、王族へのご挨拶の時に目があっただけで、会話もしていない。
「えっと、私ですか?何かの間違えでは?王太子殿下とは、お話もした事ないのですが・・・」
「間違いではない。王太子殿下が直々に書かれた手紙が届いている。スティーリアは魔力量も多く、魔法の才があるので、養子に迎えた経緯を知っている為、魔力量も問題なしと議会を通ってしまっている」
「えーっと、私に側妃の打診をする前に、議会で私を側妃にする事が決まったと言う事ですか?」
「そういう事だ。これは求婚の願いではなく、決定事項の報告だ」
(・・・それはなんと、まぁー・・・側妃に人権はないのか?)
「・・・拒否権は無いと言う事ですね?」
(んー、まぁ、お義父様にお世話になってるし、ここで恩返ししておこうか)
「すまない。私が、養子になどと言わなければ、こんな事には・・・」
「いえ、お義父様、構いません。私、側妃お受け致します。私の血をこの世界に残すのも悪く有りません。それがこの国の王族になるのであれば、面白いです」
「面白い・・・。スティーリアが構わないのなら、謹んでお受けすると返答しておこう」
「お義父様、返答する前に、お願いが御座います」
「出来ることは、最大限してあげるから言ってみなさい」
「私に充てがわれる宮には、結界を張りたいと伝えて頂きたいです。人間に害される事は有りませんが、色々とちょっかいを掛けられるのは煩わしいので、結界内に入れる人を制限かけます」
「分かった。それなら、スティーリアが心穏やかに過ごせる様に、宮に仕える使用人は、今スティーリアに付けてる者も一緒にとお願いしておこう」
「それは助かります。王太子妃殿下は、使用人からも慕われていると聞きますし、王宮の使用人たちは、私に付きたくないと思うのです。嫌々世話をされるのも苦痛ですし、この家の者たちが付いてきてくれるのであれば、安心できます」
「出来るだけ、スティーリアが過ごしやすい環境を作る様にする。王太子殿下も夜会で見染めただけあってか、スティーリアの好みを教えて欲しいと言われている。部屋の内装も聞かれているので、これから部屋の内装など考えてみて欲しい」
「分かりました。では、今から考えて紙に纏めますね」
「スティーリアには、もっと自由に過ごして欲しかったが・・・」
「お義父様、大丈夫です。自由ですよ?なんせ、側妃は、政務に関わらずに子を産むだけを求められる。自由な時間は一杯あります。その自由な時間に、魔道具つくったり、新しい商品考えたり、ポーション作ったりと、自由に過ごしますわ。だから、ご心配なく。それに、側妃には、特別手当が支給され、何に使っても報告義務はないと習いました。このお金を孤児院や娼館、支援などに使いたいと思います。」
「そうか。そう言ってくれると助かる」
「では、お義父様、また後程」
◇◇◇
はぁー、側妃の噂は聞いていたけど、まさか私が側妃に選ばれるとは。
ベッドでゴロゴロしながら、目を閉じて考える。
どんな部屋にしようかな。
観葉植物多めに置きたいな。上から吊り下げたりとかして、寝室の照明は、私が作って雰囲気のあるものにしたいな。
ドレスとかは、王都のお店じゃなくて、マグニート辺境伯領とリッドラン辺境伯領のお店に依頼しよう。
王都のお店は、王太子妃殿下が贔屓にしてるだろうし、お店が被るのは好ましくない。
バタンッ!
(な、なに!?)
ガバッと起き上がると、息の上がったロイ義兄様が扉の前に立っていた。
「ロイ義兄様?」
お義父様に呼ばれた、執務室に行き、ソファーに座ってすぐ、深くため息を吐かれた。
(お義父様が私の前で、ため息を吐くなんて、珍しい。何かあったのかな。)
「スティーリア、呼び出して悪かったね」
「いえ、構いませんわ。それより、お疲れの様ですが、何かありましたか?」
「聞いた事があるかもしれないが、王太子殿下に側妃をという話が出ている」
・・・ん?
そういえば、以前冒険者たちが『結婚してそろそろ3年になる王太子殿下にお子が出来る兆しがない』と言っていたかな。
「そう言ったお話が出ていると言う噂は聞いたことがあります」
「それは、噂ではなく事実だ」
「えっと、既に側妃の方が内定したと言う事ですか?」
んんん?
なんで、そんな話を私に?そこから私に関係ある話に繋がるのかな?
「実はなー・・・王太子殿下は側妃を勧められても、面倒だと言って拒み続けて居たんだ。それが、この前の夜会の後に側妃を娶ると突然言い出してね」
「この前の夜会と言うと、私のデビュータントのですよね?」
「そうだ。その夜会で、1人の令嬢を見染められた」
「まぁ、それは良かったですね。側近の方達も安心した事でしょう」
「・・・そうだな。喜ばしい事だ。相手が相手でなければ」
「何か問題のあるご令嬢だったのですか?」
「・・・問題なら大有りだよ。王太子殿下が望まれたのは、お前なんだよ。スティーリア」
「・・・は?」
え?何で?
デビュタントの夜会では、常にロイ義兄様の隣に居たし、ロイ義兄様とお義父様としか踊っていないし、ご挨拶したのも、お義父様の友人とロイ義兄様の友人だけ。
ましてや、王太子殿下なんて、王族へのご挨拶の時に目があっただけで、会話もしていない。
「えっと、私ですか?何かの間違えでは?王太子殿下とは、お話もした事ないのですが・・・」
「間違いではない。王太子殿下が直々に書かれた手紙が届いている。スティーリアは魔力量も多く、魔法の才があるので、養子に迎えた経緯を知っている為、魔力量も問題なしと議会を通ってしまっている」
「えーっと、私に側妃の打診をする前に、議会で私を側妃にする事が決まったと言う事ですか?」
「そういう事だ。これは求婚の願いではなく、決定事項の報告だ」
(・・・それはなんと、まぁー・・・側妃に人権はないのか?)
「・・・拒否権は無いと言う事ですね?」
(んー、まぁ、お義父様にお世話になってるし、ここで恩返ししておこうか)
「すまない。私が、養子になどと言わなければ、こんな事には・・・」
「いえ、お義父様、構いません。私、側妃お受け致します。私の血をこの世界に残すのも悪く有りません。それがこの国の王族になるのであれば、面白いです」
「面白い・・・。スティーリアが構わないのなら、謹んでお受けすると返答しておこう」
「お義父様、返答する前に、お願いが御座います」
「出来ることは、最大限してあげるから言ってみなさい」
「私に充てがわれる宮には、結界を張りたいと伝えて頂きたいです。人間に害される事は有りませんが、色々とちょっかいを掛けられるのは煩わしいので、結界内に入れる人を制限かけます」
「分かった。それなら、スティーリアが心穏やかに過ごせる様に、宮に仕える使用人は、今スティーリアに付けてる者も一緒にとお願いしておこう」
「それは助かります。王太子妃殿下は、使用人からも慕われていると聞きますし、王宮の使用人たちは、私に付きたくないと思うのです。嫌々世話をされるのも苦痛ですし、この家の者たちが付いてきてくれるのであれば、安心できます」
「出来るだけ、スティーリアが過ごしやすい環境を作る様にする。王太子殿下も夜会で見染めただけあってか、スティーリアの好みを教えて欲しいと言われている。部屋の内装も聞かれているので、これから部屋の内装など考えてみて欲しい」
「分かりました。では、今から考えて紙に纏めますね」
「スティーリアには、もっと自由に過ごして欲しかったが・・・」
「お義父様、大丈夫です。自由ですよ?なんせ、側妃は、政務に関わらずに子を産むだけを求められる。自由な時間は一杯あります。その自由な時間に、魔道具つくったり、新しい商品考えたり、ポーション作ったりと、自由に過ごしますわ。だから、ご心配なく。それに、側妃には、特別手当が支給され、何に使っても報告義務はないと習いました。このお金を孤児院や娼館、支援などに使いたいと思います。」
「そうか。そう言ってくれると助かる」
「では、お義父様、また後程」
◇◇◇
はぁー、側妃の噂は聞いていたけど、まさか私が側妃に選ばれるとは。
ベッドでゴロゴロしながら、目を閉じて考える。
どんな部屋にしようかな。
観葉植物多めに置きたいな。上から吊り下げたりとかして、寝室の照明は、私が作って雰囲気のあるものにしたいな。
ドレスとかは、王都のお店じゃなくて、マグニート辺境伯領とリッドラン辺境伯領のお店に依頼しよう。
王都のお店は、王太子妃殿下が贔屓にしてるだろうし、お店が被るのは好ましくない。
バタンッ!
(な、なに!?)
ガバッと起き上がると、息の上がったロイ義兄様が扉の前に立っていた。
「ロイ義兄様?」
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