今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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三章 精霊姫 側妃になる

王太子殿下と妃殿下の関係

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 「スティーリア様、王太子殿下の側近である、カイザード小公爵様がお目通りを願っております」

 (早速、側近が来たか。何の用だろう?)

 「わかりました。此方の魔道具に魔力を流して貰い、客室にご案内して頂戴。私も髪を整えたら、すぐ向かいます」

 この魔道具に魔力を通せば、結界内への出入りが自由に出来る様になる。これは、結界内に置いておくもので、各自が所持するものではない。

 結界内を出入り出来る魔道具を各自に持たせた場合、それを他者が奪ってしまえば、その者が結界内を出入り自由になってしまう為、結界内の安全が保てなくなる。

 その辺も魔道具を改良して、使い勝手を良くして行きたいな。

 扉をノックし、中に入る。

 「お待たせ致しました。カイザード小公爵様」

 「側妃様、御機嫌麗しく存じます。私の事は、カインとお呼び下さい」

 「分かりました。カイン様とお呼びしますね。私の事もスティーリアとお呼び下さい」

 「ありがとうございます。スティーリア様」

 「それで本日はどの様な御用でして?」

 「・・・実は、殿下が本日共にアフタヌーンティーをどうかとお伺いでして・・・。昨夜の事を考えて、お体が辛いのでは無いかとお伝えしたのですが、確認してくる様に言われまして」

 「まぁ、殿下が一緒にお茶をと?・・・えっと、その、体の方は侍女達が頑張ってくれたお陰で問題ありませんので、お受けしたいと思います。宜しければ、此方の庭園にて、私の専属の料理人にて、デザートを作らせて頂ければと思うのですが、殿下は、王宮の料理人の作った物しか食べないでしょうか?」

 「そうでしたか。それでは、その様に殿下にお伝えします。1年前までは、王宮の料理人が作ったものを毒味してから、召し上がって居たのですが、現在は、魔道具により毒の心配が無くなったので、スティーリア様お抱えの料理人が作ったものでも召し上がられます」

 (それ、私が作った魔道具!作っといて良かった!お買い上げ有難うございます!)

 「そうでしたのね。腕によりを掛けて作らせますわ。楽しみにしておりますとお伝え下さい」

 「はい。承りました。それでは、これで・・・」

 「あ、お待ちになって。あの、お聞きしたい事がありまして・・・」

 「何でもお聞きください」

 「あの・・・側妃として、正妃様にご挨拶した方が良いでしょうか?それともお会いしない方が宜しいでしょうか?」

 「・・・そうですね。今回の事は、正妃様も大変心を痛めておりまして・・・何分、4年もお子を授かれなかった事で、ご自分を責めておられ、その所為で、殿下が側妃を娶ることになったので、お会いするのはお勧め出来ないです。」

 (側妃のくせに挨拶にも来ないで!とか言われたら嫌だなって思ったけど、それは無さそうって事かな)

 「分かりました。私は後宮から出る事は有りませんので、正妃様とは偶然にでもお会いする事は無いでしょう。ご安心下さいね。殿下も側妃を迎えるのを渋っておられた様ですし、正妃様と仲睦まじいという噂を聞いていたのですが、お二人は、そんなに深く愛し合っているということでしょうか?」

 もし、そうなら、政略結婚というよりは、恋愛結婚と言えるだろう。
 正妃様が私を憎み、子供に危害を加えないとも言えないのでは。
 そこは、割り切ってくれるのだろうか。

 「深く愛し合って・・・ですか」

 顎に手を置き、考え込んでいる。

 「愛し合っているという表現が正しいか分かりませんが、幼少期から結ばれた婚約でしたので、お互いに気心の知れた、尊重しあえる相手と言えます。正妃様も殿下の横に立つのに相応しくあろうと努力をし、王太子妃として、立派にお勤めになられております。お子さえ授かれば、非の打ちどころの無い王太子妃でしたでしょう。・・・私から見てですが、正妃様は殿下を愛していらっしゃると思います。今回無事に初夜を迎えた事を知り、静かに涙されたと専属の侍女が申しておりました」

 (あー・・・、愛してる男が他の女抱いたら悲しいよね。愛した男が王太子殿下で無ければ、側妃なんて必要なかったんだよね。王族に嫁いだ時点で、これは覚悟していなければいけない事だけど、それでも心はついていけないよね)
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