今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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二章 精霊姫 人間界に降りる

別荘を建てたい

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 早速、ランドール様に時間を作って頂き、昨日ギルドで話し合った内容を報告する。
 
 「そこまでして頂くのは、申し訳ないと思いつつも、我が領の事を考えてくれて嬉しいよ。ありがとう。素直に受けさせて貰うよ。」

 「そう言って貰えて良かったです。それとは別に、ご相談したい事があります。」

 娼館の件は、ロイ義兄様が伝えてくれるって言ってたから、温泉旅館と避暑用のロッジと私の別荘の相談しなくちゃ。
 
 「既に我が領の為に、色々考え動いて貰っているが、これ以上まだあると?」

 「はい。まず、リッドラン辺境伯領は、北に位置している為、夏でも涼しく過ごし易いです。なので、避暑地として他の領の方を誘致するのはどうかと思いまして。湖の周りにロッジを幾つか建てるのはどうかと。」

 「なるほど。避暑地ね。辺境なので、人が来るのか・・・。」

 「そこについては、転移用のポータルを設置して、この領に来やすい様に出来ればと思っています。ただ、ポータルの設置は、色々と各所で話し合いが必要になると思いますので・・・、これについては、ランドール様とお義父様で話し合って頂きたいのです。」

 「転移用のポータル・・・それはまた凄い事を・・・。分かった。これについては、レオナルドに話をしてみる事にする。」

 「ありがとうございます。それとですね。此方の領は冬になると雪に覆われる為、領民達も冬場は仕事がなく、家に篭っていると聞いています。そこで、冬限定で営業する温泉旅館を建てるのはどうかと思いまして。冬に暇になってしまう領民を雇い、教育し、旅館で働いて貰うのです。ただ家に篭って時間を無駄にするより、働き稼ぐ事で、生活の質も向上すると思います。因みに、温泉とは、地下から湧き出たお湯に浸かって体を癒すものです。温泉により、効能が異なり、肩こりに効いたりといった効能があります。雪景色を楽しみながら露天風呂に浸かる。貴族向けに、離れを用意し、各離れ毎に、専用の露天風呂を用意します。王都では、雪も降りませんので、他領の者たちからしたら、新鮮で楽しい経験になると思います。勿論、費用については、此方でやらせて頂きます。」

 「そこまで、我が領について考えて頂いているとは。もう言葉も無いな。良くそんなにポンポンと考えが浮かぶものだ。ただ、何から何まで甘え過ぎているので、此方で何か出来ることはないだろうか?」

 「えっと、それではお願いがございまして・・・。ちょっと、街とは離れた場所を提供して頂きたいのです。」

 「それは構わないが、何の為にと聞いても?」
 
 「はい。えーと、これは私の我儘なのですが・・・。私専用の別荘を建てたいと思っておりまして。人目を気にせずのんびり過ごせる環境を作りたいなと。夏は、避暑にきて、冬は専用の露天風呂に浸かる。とても贅沢です。」

 「なるほど。これだけ我が領の為に尽力して頂いているので、それ位構いませんよ。好きな場所に好きな様に別荘を建ててください。」

 「ありがとうございます。それでは、馬をお借りしても良いですか?これから鳥籠を建てにいき、午後には別荘地を決めるために色々回って見ようかと思いまして。」

 「そういえば、昨夜妻が庭師と話し合って植えたい花などのレイアウトが決まったと喜んでいたな。宜しく頼む。馬は、私の方から伝えておくので、好きな馬を使って構いませんよ。」

 「ありがとうございます。それでは、これから庭園に向かいますので、失礼致します。」

 「あぁ、では、夕食にまた会おう。」

 ◇◇◇

 さて、鳥籠建てちゃおう。
 此処から此処まで結界を張って、此処に鳥籠を建てて、此処にガーデンテーブルセットを置いて、アプローチを作り、花壇を造る。
 後は、庭師さんに植栽して貰えば完了。

 さぁ、鳥籠内を空間拡張して、転移用のゲートを設置する。
 精霊界にある寝室へと繋がる扉を取り付けてっと。
 この扉は私が魔力を流しながら開けなければ、精霊界の寝室には繋がらない。
 魔力を流し込まないで開けた場合は、普通にベッドとソファー、テーブルが置いてあるだけの部屋になっている。

 鳥籠内に、精霊樹を植えるので、お手製腐葉土で耕すよー。
 土魔法で掘り起こして、腐葉土と混ぜ混ぜして、聖水をたーっぷり掛けて精霊樹を植える。
 真ん中には、大きな精霊樹。実は、私の好きなライチ。
 周りには、それより一回り小さい精霊樹を植えていく。ピーチ、アップル、オレンジ、ユズ、レモン。
 今は収穫期じゃ無いので、暫くは、精霊界で収穫した実を差し入れてあげよう。

 暫く経つと、何処からともなく精霊達がわらわらと集まってきた。

 『うわー、精霊姫様いるよー!』
 『本当だー!何で此処にいるのー?』
 『此処に鳥籠あったなんて知らなかったー!』
 『うんうん、知らなかった!いつからあったんだろう?』

 何処に行っても精霊達は元気だなー。

 「こんにちは、私はスティーリア。宜しくね。鳥籠は、さっき此処に建てたばかりだから、あなた達が知らなくても当然よ。」

 『そうだったんだー!』
 『姫様、鳥籠建ててくれてありがとー!』
 『姫様ありがとー!嬉しいー!』
 『まるで精霊界に戻ったみたいだよ!』

 「喜んで貰えて良かったわ。早速、精霊樹の実を持ってきたから、どうぞ召し上がれ。」

 『わーい!まさか人間界で食べられるなんて思わなかった!』
 『凄い凄い!嬉しい!』
 『ねぇねぇ、なんか見た事ない実があるよ!』
 『本当だー!こんな実無かったよね!』

 「これは新しい精霊樹から収穫したライチとユズだよ。美味しいから食べてごらん。」

 『新しい精霊樹!?』
 『新しい精霊樹なんて初めて聞いたー!』
 『食べて見ようよー!美味しいー!』
 『本当だー!美味しい!食べ過ぎちゃうよー!』

 ふふっ、元気だなー。
 鳥籠も差し入れも喜んで貰えて良かった。
 
 これからは、リッドラン辺境伯の人に果物やお菓子を差し入れて貰おうか。
 んー、『精霊達が鳥籠を気にって棲家にしちゃったから、宜しくね』とでも言っとこうかな。
 リッドラン辺境伯家の人達は、私が精霊姫って知らないからね。
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