59 / 106
二章 精霊姫 人間界に降りる
会いにいく
しおりを挟む
昨日のソロ冒険者に会いにいくことをミリア達に告げ、一緒に向かう。
「リア義姉様、お薬作ったんですか?」
「えぇ、そうなのよ。浅い切り傷程度であれば翌日には治ってしまう程効果が高いのよ。それにポーションを飲むよりも安く済むし、冒険者達以外にも市井で暮らす人達にも手を出しやすくて良いと思うのよね」
「確かに、ポーションを傷にかければ一瞬で治りますが、一度で使い切ってしまいますし、コスト面を考えると割高な感じはしますね。量も多く何度も使える塗り薬の方が経済的で良いかも知れませんね。スティーリア様の薬は効果が高いと聞いていますしね」
「みんなもそう思ってくれると良いのだけれど。ただ、冒険者の場合は、手当てしてる暇もない場合はささっとポーションで治してしまうと言うのもあると思うから、傷薬とポーションを場合によって使い分けてくれるといいなと思っているのよ」
フォルス様は、チラリとロイ義兄様に視線を投げ、質問をする。
「・・・それで、その傷薬を昨日の冒険者に塗ってあげると言うことなんですよね?」
「えぇ、そうなの。それで効果を実感して貰ったら彼に売って、マグニート辺境伯領に戻ったら販売の手続きをしようと思っているのよ」
フォルス様がチラチラとロイ義兄様を見ているのが気になる・・・。
「・・・はぁ。フォルス、傷の手当ては私がすることになっている。」
「あぁ、そう言うことですか。そうですよね。そうだと思いました」
・・・私がソロ冒険者と話してるのを見てロイ義兄様が怒ってたから側を離れるなって忠告してくれてた位だから、私が彼の手当てをするつもりなのか?と疑問に思っていたのかな。
流石に、フォルス様も私が彼の手当てをしたらロイ義兄様が怒るって思ったんだろうな。
「えっ、お兄様が冒険者の手当てをするのですか?まぁ、リア義姉様が手当てをするのもどうかと思いますが・・・使用人もいないので仕方がないのかしら・・・」
「私もロイ義兄様にそんなことさせるのは気が引けるのだけれど・・・私が手当てをするのは駄目と言われてしまって」
「確かにリア義姉様が手当てをするのは無しですわ。貴族令嬢が無闇に男性に近寄ってはいけませんわ。リア義姉様はそれでなくても美しいのですから、あの冒険者が不埒な真似をしないとも限りませんし」
ミリアがそういうと、ロイ義兄様の気配がピリッとする。
あぁ、冒険者の命が心配なので、あまりそう言うことは言わないで欲しい。
「ミリア、ロイド様と私が居るんだから、スティーリア様に何かあるわけないだろ?それに、スティーリア様には近付かせないから安心して」
「そうよね。2人がいるんだもの、何かあるわけないわね」
「そうよ、頼もしい2人と一緒にダンジョンに潜れて良かったわ」
暫く歩いていると、血の匂いが濃くなってきて、周りの木々が所々倒れていたり、傷が入っていたりと近くで戦闘があったことが窺える。
もう少し歩いたところで、ソロ冒険者が木に寄りかかり休んでいるのが見えた。
周りには、ハービーの姿が見当たらないので、既にマジックバッグに回収は済ませている様だ。
しかし、地面に血が染み込み空気が悪いため、辺り一面に浄化魔法を掛けて澱みを消し去る。
浄化魔法自体は生活魔法なので、誰でも使えるが、広範囲になると魔力量が必要になる為、ダンジョンや森の中でわざわざ周辺に浄化魔法をかける人もいない。
そんなことに魔力を使って、敵に襲われて魔力不足で危険に陥るなんてことになれば、笑えない。
私は、魔力量も多く魔法の才に優れているという設定なので、これくらいやったところでフォルス様達も驚かない。
ロイ義兄様に至っては、私が聖霊姫だと知っているから、何をしようが驚かないが、ダンジョンを作ると話した時は、流石に驚いていた。
ソロ冒険者の方を見ると、立ち上がりこちらを凝視していた。
見たところ傷はどれも擦り傷程度で、ポーションを飲む程ではないので放置していると言うところかな。
でも、傷をそのままにしてると菌が入って化膿してしまったりして悪化するといけないので、手当てはした方が良い。
傷は、腕の所と頬に少し切った跡がある。
腕は、包帯を巻けば良いけど、頬はどうしようかな。薬を塗ってそのままというのも・・・絆創膏がないって不便なのね。
辺境伯領に戻ったら絆創膏も作って販売しよう。
サイズは、頬とかにも貼れる程の大きさと、指とかに貼る小さいタイプと、太腿や腕といった場所様に大きめのも必要かな。
それなら、包帯を巻かずとも薬を塗って絆創膏を貼って簡単に手当てが出来る。
包帯だと自分では巻きにくいし、面倒になってこれくらい大丈夫だろうで放置してしまうかも知れないけど、絆創膏貼るだけなら自分でも出来るから、手当てをしてくれるようになるはず!
冒険者って無駄に傷が多いのは、ポーション飲むほどではないけど、手当てをするのも面倒で放置した結果だと思う。
傷は男の勲章とか言うけれど・・・運良く怪我が悪化しなかっただけで、場合によっては死に至るかも知れないので、出来るだけ手当てを推奨したい。
この傷薬と絆創膏のセットが冒険者達の常備品になるといいな。
「リア義姉様、お薬作ったんですか?」
「えぇ、そうなのよ。浅い切り傷程度であれば翌日には治ってしまう程効果が高いのよ。それにポーションを飲むよりも安く済むし、冒険者達以外にも市井で暮らす人達にも手を出しやすくて良いと思うのよね」
「確かに、ポーションを傷にかければ一瞬で治りますが、一度で使い切ってしまいますし、コスト面を考えると割高な感じはしますね。量も多く何度も使える塗り薬の方が経済的で良いかも知れませんね。スティーリア様の薬は効果が高いと聞いていますしね」
「みんなもそう思ってくれると良いのだけれど。ただ、冒険者の場合は、手当てしてる暇もない場合はささっとポーションで治してしまうと言うのもあると思うから、傷薬とポーションを場合によって使い分けてくれるといいなと思っているのよ」
フォルス様は、チラリとロイ義兄様に視線を投げ、質問をする。
「・・・それで、その傷薬を昨日の冒険者に塗ってあげると言うことなんですよね?」
「えぇ、そうなの。それで効果を実感して貰ったら彼に売って、マグニート辺境伯領に戻ったら販売の手続きをしようと思っているのよ」
フォルス様がチラチラとロイ義兄様を見ているのが気になる・・・。
「・・・はぁ。フォルス、傷の手当ては私がすることになっている。」
「あぁ、そう言うことですか。そうですよね。そうだと思いました」
・・・私がソロ冒険者と話してるのを見てロイ義兄様が怒ってたから側を離れるなって忠告してくれてた位だから、私が彼の手当てをするつもりなのか?と疑問に思っていたのかな。
流石に、フォルス様も私が彼の手当てをしたらロイ義兄様が怒るって思ったんだろうな。
「えっ、お兄様が冒険者の手当てをするのですか?まぁ、リア義姉様が手当てをするのもどうかと思いますが・・・使用人もいないので仕方がないのかしら・・・」
「私もロイ義兄様にそんなことさせるのは気が引けるのだけれど・・・私が手当てをするのは駄目と言われてしまって」
「確かにリア義姉様が手当てをするのは無しですわ。貴族令嬢が無闇に男性に近寄ってはいけませんわ。リア義姉様はそれでなくても美しいのですから、あの冒険者が不埒な真似をしないとも限りませんし」
ミリアがそういうと、ロイ義兄様の気配がピリッとする。
あぁ、冒険者の命が心配なので、あまりそう言うことは言わないで欲しい。
「ミリア、ロイド様と私が居るんだから、スティーリア様に何かあるわけないだろ?それに、スティーリア様には近付かせないから安心して」
「そうよね。2人がいるんだもの、何かあるわけないわね」
「そうよ、頼もしい2人と一緒にダンジョンに潜れて良かったわ」
暫く歩いていると、血の匂いが濃くなってきて、周りの木々が所々倒れていたり、傷が入っていたりと近くで戦闘があったことが窺える。
もう少し歩いたところで、ソロ冒険者が木に寄りかかり休んでいるのが見えた。
周りには、ハービーの姿が見当たらないので、既にマジックバッグに回収は済ませている様だ。
しかし、地面に血が染み込み空気が悪いため、辺り一面に浄化魔法を掛けて澱みを消し去る。
浄化魔法自体は生活魔法なので、誰でも使えるが、広範囲になると魔力量が必要になる為、ダンジョンや森の中でわざわざ周辺に浄化魔法をかける人もいない。
そんなことに魔力を使って、敵に襲われて魔力不足で危険に陥るなんてことになれば、笑えない。
私は、魔力量も多く魔法の才に優れているという設定なので、これくらいやったところでフォルス様達も驚かない。
ロイ義兄様に至っては、私が聖霊姫だと知っているから、何をしようが驚かないが、ダンジョンを作ると話した時は、流石に驚いていた。
ソロ冒険者の方を見ると、立ち上がりこちらを凝視していた。
見たところ傷はどれも擦り傷程度で、ポーションを飲む程ではないので放置していると言うところかな。
でも、傷をそのままにしてると菌が入って化膿してしまったりして悪化するといけないので、手当てはした方が良い。
傷は、腕の所と頬に少し切った跡がある。
腕は、包帯を巻けば良いけど、頬はどうしようかな。薬を塗ってそのままというのも・・・絆創膏がないって不便なのね。
辺境伯領に戻ったら絆創膏も作って販売しよう。
サイズは、頬とかにも貼れる程の大きさと、指とかに貼る小さいタイプと、太腿や腕といった場所様に大きめのも必要かな。
それなら、包帯を巻かずとも薬を塗って絆創膏を貼って簡単に手当てが出来る。
包帯だと自分では巻きにくいし、面倒になってこれくらい大丈夫だろうで放置してしまうかも知れないけど、絆創膏貼るだけなら自分でも出来るから、手当てをしてくれるようになるはず!
冒険者って無駄に傷が多いのは、ポーション飲むほどではないけど、手当てをするのも面倒で放置した結果だと思う。
傷は男の勲章とか言うけれど・・・運良く怪我が悪化しなかっただけで、場合によっては死に至るかも知れないので、出来るだけ手当てを推奨したい。
この傷薬と絆創膏のセットが冒険者達の常備品になるといいな。
11
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
ファンタジー
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
※『私を襲ったのは、人ならざるものでした。〜溺れるほどの愛に、身を任せようと思います〜』連載中です!🌱モフモフ出てきます🌱
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる