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本編
あぁークマさん!
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商業ギルドを出た後は、薬草を取りに森に向かった。
周りに誰もいない事を確認して、クマさんを地面に下ろす。
クマさんは森がお気に入り見たいで、下ろしてあげると、すぐに走り回り草の上でコロコロと転がったりして遊ぶ。
控えめに言って・・・めちゃくちゃ可愛い。
時々、可愛い花を見つけては、僕に無言で手渡してくる所が、悶える程に可愛い。
僕のクマさんは、可愛い上に、強く、賢く、照れ屋さんだ。
今日も一緒に、薬草取りをしながら、お喋りをしていると、急に目の前が陰り、バッと上を向く。
足音も無く、気配なんてものも一切感じられなかった。
一瞬敵かと心臓が凍り付きそうになったが・・・なんと、冒険者ギルドと食堂で見掛けた彼だった。
上から見下ろされた僕は、しゃがみ込んだまま固まって黒い瞳を見つめる。
その瞳が、視線がクマさんに移動する。
(・・・クマさん、転がってぬいぐるみの振りをしてるんだね・・・多分今更だと思うんだ)
すると、彼がクマさんに手を伸ばし、自分の目の高さまで持ち上げる。
「あ、あの、そのぬいぐるみ僕のなんです。1人で薬草採取するの寂しいから連れて来てるだけで・・・」
僕に視線を向ける事なく、クマさんを凝視している彼。
(あぁ、絶対見られてたよね。僕とクマさんがお話しながら一緒に薬草採取してたの・・・)
「・・・なぁ、これどうなってるの?」
彼は、クマさんが動いて喋っているのが、不思議で仕方ないようで、僕に聞いてくるが・・・僕だってどうなっているのか知らない。
「えっと、クマのぬいぐるみです」
「まぁ、そう見えるな。だが、ぬいぐるみが何で動くんだよ」
「そ、そう言われても・・・僕も良くわからなくて・・・」
「お前のだろ?なんで分からないんだよ」
(だって、本当にわからないんだもーん!急に動き出して僕だって驚いたんだよー!!)
と、心の中で叫んでみるも怖くてそんなこと言えず、どうしたものかなと考えていると・・・。
ぽこんっ
(あぁ~!!クマさんが、彼の顔をパンチしてるよー!!でも、巨大化してないから威力は無い様で良かった・・・いや、良くない。クマさんが引き千切られないか心配だ)
「あの、すみません。クマさん掴まれてるの嫌見たいで、離して貰えますか?」
「・・・・・・」
彼は、何も答えずポイッと僕の方にクマさんを投げた。
僕は、慌ててキャッチする。切実に投げないで欲しいと思った。
「なぁ、こいつ何で動けるの。」
(またこの質問っ!僕も分からないって言ってるのに。納得するまで逃さない気か・・・)
「本当に良く分からないんですが、今までは普通のぬいぐるみでした。僕が、狼に襲われそうになった時に、クマさんが急に動き出して僕を護ってくれたんです。原動力は、僕から溢れ出ている魔力だそうです。それ以外は本当に何にも分からないんです」
彼は、顎に手を充てて何やら考えている様だったが、これ以上聞いても何も得られないと思ったのか、それ以上聞いてくることは無かった。
この事が、他の人にバレてクマさんが誰かに連れて行かれちゃったりしたら嫌なので、誰にも言わないでとお願いして、彼とは別れた。
ーークマさんの秘密がバレてしまった・・・
周りに誰もいない事を確認して、クマさんを地面に下ろす。
クマさんは森がお気に入り見たいで、下ろしてあげると、すぐに走り回り草の上でコロコロと転がったりして遊ぶ。
控えめに言って・・・めちゃくちゃ可愛い。
時々、可愛い花を見つけては、僕に無言で手渡してくる所が、悶える程に可愛い。
僕のクマさんは、可愛い上に、強く、賢く、照れ屋さんだ。
今日も一緒に、薬草取りをしながら、お喋りをしていると、急に目の前が陰り、バッと上を向く。
足音も無く、気配なんてものも一切感じられなかった。
一瞬敵かと心臓が凍り付きそうになったが・・・なんと、冒険者ギルドと食堂で見掛けた彼だった。
上から見下ろされた僕は、しゃがみ込んだまま固まって黒い瞳を見つめる。
その瞳が、視線がクマさんに移動する。
(・・・クマさん、転がってぬいぐるみの振りをしてるんだね・・・多分今更だと思うんだ)
すると、彼がクマさんに手を伸ばし、自分の目の高さまで持ち上げる。
「あ、あの、そのぬいぐるみ僕のなんです。1人で薬草採取するの寂しいから連れて来てるだけで・・・」
僕に視線を向ける事なく、クマさんを凝視している彼。
(あぁ、絶対見られてたよね。僕とクマさんがお話しながら一緒に薬草採取してたの・・・)
「・・・なぁ、これどうなってるの?」
彼は、クマさんが動いて喋っているのが、不思議で仕方ないようで、僕に聞いてくるが・・・僕だってどうなっているのか知らない。
「えっと、クマのぬいぐるみです」
「まぁ、そう見えるな。だが、ぬいぐるみが何で動くんだよ」
「そ、そう言われても・・・僕も良くわからなくて・・・」
「お前のだろ?なんで分からないんだよ」
(だって、本当にわからないんだもーん!急に動き出して僕だって驚いたんだよー!!)
と、心の中で叫んでみるも怖くてそんなこと言えず、どうしたものかなと考えていると・・・。
ぽこんっ
(あぁ~!!クマさんが、彼の顔をパンチしてるよー!!でも、巨大化してないから威力は無い様で良かった・・・いや、良くない。クマさんが引き千切られないか心配だ)
「あの、すみません。クマさん掴まれてるの嫌見たいで、離して貰えますか?」
「・・・・・・」
彼は、何も答えずポイッと僕の方にクマさんを投げた。
僕は、慌ててキャッチする。切実に投げないで欲しいと思った。
「なぁ、こいつ何で動けるの。」
(またこの質問っ!僕も分からないって言ってるのに。納得するまで逃さない気か・・・)
「本当に良く分からないんですが、今までは普通のぬいぐるみでした。僕が、狼に襲われそうになった時に、クマさんが急に動き出して僕を護ってくれたんです。原動力は、僕から溢れ出ている魔力だそうです。それ以外は本当に何にも分からないんです」
彼は、顎に手を充てて何やら考えている様だったが、これ以上聞いても何も得られないと思ったのか、それ以上聞いてくることは無かった。
この事が、他の人にバレてクマさんが誰かに連れて行かれちゃったりしたら嫌なので、誰にも言わないでとお願いして、彼とは別れた。
ーークマさんの秘密がバレてしまった・・・
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