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本編

冒険者だよね?

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 僕は、今悩んでいる。

 それは、僕は本当に冒険者なのか?ということ。

 何故なら・・・。

 1日森でモンスターを倒す訓練をし、また1週間魔法陣をひたすら描き、また1日森でモンスターを倒す訓練をする。

 明らかに、モンスターを倒すよりも魔法陣描いている時間が長い!

 うぅーん、でも僕は魔法陣無いとモンスター倒せないからな・・・。

 合間合間に商業ギルドに魔法陣を納品したりもしているし、稼ぎは勿論商業ギルドの方が良い。
 冒険者としての収入なんて殆どない様なもの。

 果たして、これは冒険者と名乗って良いのだろうか。

 「クマさん・・・僕冒険者かな?」

 クマさんは、僕の方にポフっと手を置き、コクリと頷く。

 『坊ちゃんは、ちゃんと冒険者だよ。』

 「クマさん・・・っ!」

 慰めてくれるクマさんをぎゅっと抱きしめる。

 『だって、ギルドカード持ってるでしょ?』

 「・・・・・・」

 ん・・・?
 冒険者ギルドでギルドカード貰ったから冒険者だよってこと?

 ぎゅっと抱きしめたクマさんの体を離し、顔を見つめる。

 「クマさん・・・もしかしてギルドカードを持ってるから冒険者だって言うことかな?」

 『うん、だってギルドカード持ってなかったら冒険者じゃ無いでしょ』
 
 ・・・うん、そうだね。そうだけどね。

 あれ、なんかさっき慰められて感動して、損した気がするのは何故だろうか?

 僕の活動を見て、冒険者だと認めてくれたのかと思ったけど、違ったんだね・・・。

 クマさんは中々厳しい。
 ぬいぐるみなのに、現実を良く見てるということなのっ!?

 「クマさん、僕の活動を見てどう思う?一応モンスター倒したりしてるんだけど・・・」

 『・・・・・・』

 「・・・・・・・・・」

 『坊ちゃん。坊ちゃんはどちらかというと・・・魔法陣を描く仕事の方が多いから・・・絵師?魔道士?とかいうのに近いんじゃ無いかな?』

 「あー・・・そう言われちゃうと、そうなのかな。魔道士っていうと、魔法を使って攻撃するイメージだからちょっと違いそうかな。でも、絵師もちょっと違うかな。魔法陣は絵と言えば絵だけど・・・絵師っていうと、肖像画とかそういうイメージがあるかな」

 『ほむほむ。それなら魔法絵師でいいんじゃない?』

 「魔法絵師・・・魔法陣を描く絵師ってことで、魔法絵師ね。なんか魔法で絵を描くみたいな感じがしなくも無いけど、その呼び方もなんか格好良いね!」

 あれ?僕・・・冒険者って言って欲しかったんじゃなかったっけ?
 でも、魔法絵師というのも捨てがたい。
 クマさん僕を良く分かってるな。
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